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貴社の求人広告、ちゃんと読める内容になっていますか・後編

今回は、【悪い、読みにくい、応募するのが怖い、と思った広告例】です。

記事に写真がないため、雰囲気が想像できない

前回書いた通り、「ムスーっとした顔ばかりの写真」でも掲載されてないよりかはあったほうが、その会社の雰囲気や、将来自分を教育してくれるだろう先輩が誰なのかがわかります。ですが、問題なのは「判断できる写真が一枚もない記事」です。

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「ウチ、誰も写りたがらないんだよ。だから写真なくてもいいかな?」
「写真撮らせてくれって言ったら、「事務所通してくれ」だって。芸能人かっつーの!笑」

実際にこういうお客さんはいました。事業自体が機密事項だらけで本当に撮影が難しい化学メーカーさんなどは仕方ないと思いますが、それでも広告用に撮れる(映える?)撮影スポットを作ってくださっています。それくらい写真は「ビジュアルメッセージ」と言われるくらい大事な材料だということをご存じなんです。

話は戻りますが、社員さんたちが広告に出ることを嫌がるのは、どの会社さんでもあることです。ですが、「君のチームをもっと良くしたいんだ」「会社をもっと盛り上げるために人を入れたい。だから君にも出てほしいんだ」と、熱い想いで口説くことくらいはできるはず。それをやらなかった会社さんよりも、ちゃんと説得して採用担当さんと社員さんの関係が構築できている会社さんは、求職者にその想いが伝わっています(つまり、採用成功しています)。


他社を批判している

結構無意識にやってしまう表現の代表例として、
「他社には真似できない技術が、当社にはあるんです!」
「●●業界はブラックかもしれませんが、当社なら大丈夫!」
「同業界の他社さんにはないかもしれませんが、当社にはこんな制度があります」

こんな感じのものがあります。


「ウチはいい会社だという自信があります!」ということなので、それはとてもいいと思いますが、そのために他社(他者)を引き合いに出して比較し、蹴落としているのです。これは読んでいる側も気持ちの良いものではありません。

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「ウチのメリットは●●! これからきっとあなたのキャリアを作っていくうえでよい助けになると思います」や「ウチは5年後に●●となることを目指しています」と、ストレートに表現したほうがいいですね。

たまに「ビジョンとか考えたこともない。ないとダメなの?」とおっしゃる方もいらっしゃいます。ないとダメなわけではないんですが… あなたは「将来のことなんて全然考えていない。今、この場の仕事だけが回ればいいんじゃない?」という人と一緒に働きたいですか?


そもそも日本語がおかしい

僕たちはプロとして、お客さんたちの広告記事を書いています。ですが、残念ながらよくこういう記事に出会います。

1.内容にその会社さんの独自性がなく、特長がつかめない
2.そもそも文章の日本語がおかしい


1は修正が簡単です。「忙しいから適当に作っておいて」と言っている会社さんなんじゃないかと想像できるからです。取材も撮影もさせてくれず、放置しっぱなしのハローワークの求人票だけが記事のネタだったりしますが、ハローワークの求人票は内容が薄いため、その会社さんの特長を引き出すことができません。

忙しいのはどの会社さんも同じこと。採用という投資行動にどれだけの時間という資本を投下できるか、これを見直せば結果は少しずつ付いてくると思います。

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2は、同じ作り手として恥ずかしいです。メディア会社に身を置きながら母国語を使うことができていないということになります。いろんなケースがありますが、

★記事に没頭しすぎて、「誰が」「どこで」「いつまでに」などのキーワードが文章から外れてしまい、重要な情報を読み手に与えていない

★とにかく、長い文章を書くことを優先してしまい「ねじれ文章」が多発している


その会社さんの取材がとても面白く、執筆もノッている! という時に発生しがちです。情報は書き手とお客さんの間で共有されているため、大事な部分がなくても双方の間であれば意味は理解できるのです。内輪で盛り上がるパーティーみたいなものです。
ですが、これを万人に読んでもらうとなると内輪パーティーではいけません。「え? 大事なビジョン、いつまでを想定しているのかまったくわからない…」「これって誰の考え? 社長?」「入社後、最初はどんな研修から始まるのか、全然イメージできない」などです。採用担当となる方は、客観的な視点を持ち、こういうところもチェックしてみてください


次に、「長文による”ねじれ”」ですが、例えばこういう文章です。

当社の業績が好調な理由は、現場での士気が高まっているだけでなくマーケットを冷静に判断する努力が実っているため、きっとあなたも働きやすいと感じていただけるはずです。

これはきっと多くの方が、「ああ、ウチの広告もこんな文章あったな…」と心当たりがあることでしょう。上記は全然長文のうちに入りませんが、短文でもこのような主部と述部がかみ合ってない現象が起きます。理由を述べるはずが、いつの間にか求職者へのメッセージにすり替わっているという例ですね。
これも修正は非常に簡単です。文章を分ければいいだけですから。ですが、悲しいことに広告制作の現場では、このような日本語が常に量産されているのです。


待遇が低すぎて、自分の将来が見えない

待遇=給料 と考えましょう。経験豊富な方を即戦力として採用する戦略をお持ちの会社さんでも、「え? 新卒社員と同じ給料??」という設定に多く出会います。
「確かに、最下限額面は低いかもしれないけどさ。上限は60万円にしといたよ! どう?」とおっしゃる会社さんもいらっしゃいます。でもそれでは効果がないんです。

理由は前回でも書いた通り、我々日本人はお金の教育を義務教育で受けていないので「お金のことをいうのはいやらしい」と刷り込まれているからです。だから、面接の場で給料交渉ができない。会社が言ってきた条件を一方的に飲まざるを得ない。帰宅したら、奥さんに「その金でどうやって生きていくのよ!」と怒られる。内定を辞退する。その後のストーリーはわかりやすいですね。

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でも、「どうしても入社直後の金額を高くすることだけは怖いんだ」とおっしゃる経営者の方のご意見も理解できます。それなら、「どうすれば求職者の給料は上がるのか」をわかりやすく書けばいいのです。

試用期間が明けたら単純に昇給するのか、必要な資格に合格したら一気に上がるのか、などです。そうすれば、会社さんと求職者との想いのズレはなくなると思います。書き方がわからなかったら、僕と一緒に考えましょうよ!


比較検討するための自社ホームページがない

これも前回書いた通り、求職者は「自分の判断が良かったのかどうかを決める手がかり」を探しています。情報が満載なホームページがあれば、もっと話を聞いてみたいと思って応募してくれると思うんですが、「ウチには書くことがない!」と、ホームページを作ることが悪と考えている会社さんも多いのは事実です。

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でも時代は、「一貫した情報をどれだけ多くのリソースを使って届けたい人に届けることができるか」が、ビジネスで勝つ方法なんじゃなかろうか、僕はそんな風に考えています。

「わかったよ。ホームページを検討してみる。でもどうしたらいいかわからない」ですって? そんな時は気軽にお声がけください! まずはじっくりとお悩みを聞かせていただきます。

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