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経験者が採れるまで、あなたはビジネスをストップしておきますか?

経営者の視点に立てば、「入社してすぐにバリバリ活躍してくれる経験者」や「馬力の高い即戦力」が入社してくれたらどんなにいいだろう、とお考えの方は多いと思います。

僕のところにもそういったご要望をいただくことが多く、また、僕自身も「企業さんにとって理想の“経験者”が入社し、ビジネスをさらに加速していくことができたらどんなに面白いだろう」と考えています。

ところが、理想の経験者というのは「とにかくいい人が欲しい」と考える人と同じことなのではないかと気づいたのです(いい人、についてはこちらでちょっと触れました)。

これはどの業界、どの職種でも起こっていることですが、特に技術者の業界で勃発している気がしました。

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例えば経験者を募集して、入社したとしましょう。そうですね、最近パナソニック社は大きな額面の早期退職プログラムを設定したとかでいろんな記事を賑やかしていましたから、このような「大物メーカー」からの人材が経験者であり、いわゆる「いい人」であったとします。とんとん拍子にうまいこと採用面接が進んで内定を出すことができました。そしてちゃんと入社日を迎えることもできた。ようしゴールだ! ではありません。

転職先の企業さんが同じような大手メーカーであれば、その人材にうまく働いていただくことができると思います。その中で、足りないものなど客観的な意見をもらって改善していく。これぞまさに、カチっとハマったというやつです。
ですが、こういうケースは似た企業規模同士であればイメージできるんですが、ほとんどがハマらないのではないでしょうか。



経験が豊富にあったとしても上手くいかないケース。例えば、経験が邪魔する場合です。メンバーをまとめることはできても、ちょっとした修正をしてほしいのに全く手を動かすことができなかった、とか。応用が利かないシーン。実はよくお聞きしているんです。

また、前職にあって現職にないシステム環境や福利厚生、休みの制度、そして収入など、入社した側も「あれ? 私はこの会社に求められて入社したはずなのに、ぜんぜん重宝されてないぞ」と違和感を感じてしまうケースもあります

もちろん、経験者全員がそうではなく、いち早くメンバーに溶け込んでシナジーを発揮している人もいますので誤解しないでくださいね。


余談ですが、経験者採用なのになぜか経験が全くない人と同じの給与レンジで募集してしまう企業さんもいらっしゃいます。その真意は全然わからないので、僕はできる限り明確に助言申し上げるように努力しています!

このように「ドンピシャの経験者」を探すのであれば、もし長~いお時間をいただけるのなら頑張って人材を探そうと思います。ですが、ここに時間をかけていたら、企業さんのとっておきのアイデアやビジネスチャンスは一度も花開くことはなくそのまましぼんでしまうんじゃないかと思っています。


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未経験者へのチャンスは、貴社にとってもチャンス

ですので、僕はいつも経験者という人物像を細かくヒアリングすると同時に、「未経験者」の提案もしています。といっても、これは手抜きをしているわけではありません。例えばITエンジニア領域ですと、「勉強はしてきたけど実務経験のない未経験者」という人たちがいるので、新しいアイデアを提案しているのです。

その業界や仕事に興味があって勉強してきたが、実務経験を積むチャンスに恵まれてない人たちも未経験者と呼びます。

一見、「素人さんが入ってきてもなぁ…」「彼らを教育する時間とリソースなんてあるのかな?」と思われるかもしれません。

でも、切り口を変えると「経験者も、どのようにパフォーマンスを発揮してくれるかわからない未知の人」ではありませんか。むしろ未経験者を迎えるほうが、企業さんの今後のスケジュールを見通しやすいということもあるのです。経験値がまっさらな分、あとは企業さんが育て上げていくだけですからね。


また、そういう人のほうが、意欲が持続することが多い傾向があると感じています。実際に、PHP系を勉強していたレベルだった人をJAVA・.NET系の企業さんに紹介し、メリットとデメリットを一緒に整理した結果、入社して現在も活躍しています。経験者を入れることでしか回せないビジネス設計もあるかもしれませんが、社員と一緒に成長し、チャンスを広げていく設計があってもいいと思います。

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