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【Keio Fashion Creator×白瀧呉服店】 制作秘話 Part3

9月13日(水)に和服文化の魅力に触れることを目的とした作品撮りとインタビューを行った。

企画の実施にあたっては、都内最大級の呉服店として今年で創業170年目の伝統と歴史を重ねる白瀧呉服店さまに全面的にご協力いただいた。

撮影に用いる振袖を選ぶ際には、呉服店の業務で行われているような顧客の要望に応じた振袖選びを体験するため、くじ引きによるモデルの特徴設定を行いました。
「家族構成」「モデルの性格タイプ」「着たい振袖の雰囲気」の3つの設定の中からそれぞれくじを引き、引いたくじの内容に合わせて振袖や小物を選ぶことで、即興で振袖を選ぶことの難しさや和服コーディネートのポイント、顧客の要望を具現化する過程を学んだ。

本記事では、3班の作品をテーマとともにご紹介しながら、作品撮り当日の裏側や参加部員の感想を取り上げる。

作品のテーマ

「正統と独創」

引いたくじの内容

-同じ振袖を着る予定の妹がいる

-自分「らしさ」を意識する独創型

-正統

くじの内容をどのポイントで表現しているか

着物は「正統」という点から沖縄の古典的な「紅型」の着物を選んだ。帯は着物にも入っている蝶に合わせて、独創性を意識したシルバーを選び、帯締めや重ね衿などの小物でスタイリングのバランスをとった。妹が同じ振袖を着る時には、帯の締め方や小物を変えるだけで大きく印象が変わると思う。

どこに着目してもらいたいか

正統と独創型という真反対のテーマを、スタイリングとディレクション、さらにはメイクで調和させて表現した。
スタイリングでは着物と帯の両方で蝶の柄を取り入れつつ、質感をあえて変えている。ディレクションではより独創性を出すために、前撮りではあまり選ばれない黒を背景に長時間露光の手法を使った。ヘアメイクでは髪に金箔をのせ、顔周りのハイライトと帯の光沢にライトが当たるようスタイリングとのバランスをとった。以上の点により着目してもらいたい。

ディレクションのポイント

実際に前撮りでも使われる撮影スタジオを使った点を正統と解釈し、長時間露光の手法で撮影をし独創性を表現した。さらに、ポージングでも芯の強さを意識するイメージで独創性を表した。また、鮮やかな着物を際立たせる為に黒を背景にしたが、妹が撮る際は背景の色を変えるだけでも一気に印象が変わると思う。



参加部員の感想

藤まいか / 国際基督教大学 1年生 (モデル)

「呉服屋さん」と聞くと、歴史ある日本の着物を扱う厳格なイメージがあったため、普段和服に触れる機会が全くなかった私にモデルが務まるのかとても不安でした。日本の伝統衣装である振袖を選ぶ過程では「その人のためだけに」選ぶことが前提であることから、今回はくじ引きで決まった3つのコンセプトも踏まえつつ、私の私服の雰囲気なども考慮しながらチームメンバーに振袖を選んでもらいました。この過程を通して、不安だった気持ちも気づけばなくなり、振袖を着ての撮影がとても楽しみになっていました。
当日、振袖を着て帯を締めてもらったとき、自然と背筋が伸びたのをとてもよく覚えています。日本における成人になる通過儀礼を長らく支えてきた振袖には、背筋を伸ばし成人としての新たな人生を見据えさせてくれる不思議な力があると感じました。今回貴重な経験ができてとても嬉しかったです。

本田沙理 / 日本大学 3年生 (ディレクション)

今回白瀧さんとの作品撮りに参加させていただき、和服のおもしろさを改めて感じた。まずコーディネートの点では、普段私が洋服を決める時にする引き算の感覚とは違い、振袖の柄に合わせて帯、帯揚げ帯締め、重ね衿とどんどん柄や色を足し算して決めていく感じがとても楽しかった。また白瀧さんから選んだ振袖が沖縄の伝統的な「紅型」と呼ばれる着物であることや、小物の使い方のアドバイスなど着物の知識をたくさん教えて頂けて勉強になった。撮影でも、女性らしい体のラインを出すポージングや、指先まで綺麗に伸ばす意識をしたりと、洋服と和服で違うところがたくさんあると感じた。私たちの班は、「正統」と「独創型」の真反対のテーマを、スタイリングと長時間露光を使った撮影方法で表現したので、是非その点に注目してほしい。



2023.11.13


【Keio Fashion Creator 関連リンク】

 ● IG : @keio_fashioncreator

 ● Twitter : @keio _fc

 ● HP : keiofashioncreator.com


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