鯨岡蒼

吸って、吐いて。食べて、出して。 そんな自然な感じで自分の『言葉』を生み出せれたら思っ…

鯨岡蒼

吸って、吐いて。食べて、出して。 そんな自然な感じで自分の『言葉』を生み出せれたら思ってます。エッセイがメインです◎

最近の記事

切抜16『525600』

 というタイトルのこの数字、何を意味するか分かりますか?  正解は、1年という数字を分数に換算したものになります。ミュージカル「Rent」の"Seasons of Love"という曲の歌詞に、まさしくこの数字が出てきます。「525,600分」、なんだかこの数字だけ見てるとすごい量だなと思うし、逆にそんなくらいしかないの?ともなりますよね。  私たちが平等に与えられたその数を、今年も私は私なりに過ごすことができたのではないかなと思ってます。皆さんにとって、2023年という一年は

    • 今夜も安心毛布を抱いて眠る

      4ヶ月ぶりです。すみそ豆腐…でした! 突然ですが、名前を変えてみました。勿論、IDも! 鯨岡 蒼(くじらおか あおい)、居うる名前ですよね。念の為検索かけたんですが、顔本とかもヒットしなかったです!私のスマホでは!ね!「鯨」という字をどうしても使いたくて少しだけ考えて出た名前がこれです。青も好きですし、すごく好きなものがキュッてなった名前です。 最近、日記を付け始めました!しかも紙とアプリどっちでも。どっちかにしなさいよって思いますけど、紙で書く日記とアプリで書く日記とで

      • 閑話休題、世間はGWなわけですが

        なんだか気がつけば日差しは強くなり、毎年恒例のゴールデンウイークという束の間の連休が訪れてました。一方で、排気ガスまみれの私の東京生活も知らない間に3年目を迎えてました。 久々にゆる文体で書きたいなと思って、いそいそとフリック入力しまくってます。指が忙しい。こんな感じで書くのはいつぞやかの名古屋を去る時の記事以来…なのかな?よかったら読んでみてください。 (ていうかnote、随分便利になりましたね…知らない間にスマホでサクサクとリンク付だったり見出し付けとか出来るよ

        • 切抜15『母のおなか』

          17の冬。 母親の子宮全摘出手術があった。原因は子宮筋腫だった。 閉経が訪れていてもおかしくない年齢だったが、いつまでも血が流れてくることに母親はずっと一人で違和感を抱えていた。 ある日、その身体の異常のために病院にかかったが、そこで調べて発覚したのが子宮筋腫だった。平たく言えば、子宮に瘤のようなできものがあった。しかも2つもだ。それらがこれまでの出血の原因だったそうだ。医師から解決策はただ一つ、「子宮の全摘出手術しかない」と下された。 家に帰って夕食の後によく父親と母親が

        切抜16『525600』

          切抜14『そういう人になりたいぜ』

          今年の夏は10月までと言わず、11月までその微熱を保ったまましぶとくこの騒がしい都会を覆った。その後は手のひらを返したように冬の寒さが吹き込んで、私の体をギュッと小さくさせた。 気がつけば2022年が終わりを迎えようとしていた。 毎年このぐらいの時期になると、「今年もあっという間に終わった。きっと来年はもっと早く感じるんだろうな」と、恒例行事のように誰かにこぼす。去年とはまた違った忙しさに飲まれて迎えた仕事納めの日、職場の人間にその言葉を向けた。へらへらとした顔で「どうせ来

          切抜14『そういう人になりたいぜ』

          切抜13『この街で生きている』

          (「切抜」シリーズは、今胸の内にあるモヤモヤを言葉に乗せてまとめる、いわば心の整理をするための雑記帳というもので読んでいただければと思います)  急行電車の走行音に負けじと線路沿いでひた鳴く夏の蝉たちの声。目まぐるしい速さで夏の緑が電車の窓を彩っていく。このところ連日30度以上の気温なんて当たり前だが、暑さ対策に紫外線対策をした甲斐もあってか、今日は比較的そんなに暑いとは思わなかった。  先日、母と電話をした際に話にあがった「神保町」という町。そういえば、私の行きつけの鍼

          切抜13『この街で生きている』

          切抜12『世界の解像度』

          (「切抜」シリーズは、今胸の内にあるモヤモヤを言葉に乗せてまとめる、いわば心の整理をするための雑記帳というもので読んでいただければと思います) 曇天が広がる春の世田谷。 私はこの東京に移住してからもう1年が経つのか、と、最近起こった憂鬱な出来事とこれまでの東京生活を振り返って、喉の奥から込み上げてきた溜息を押し込めるようにアイスコーヒーを啜った。 上野からの帰り道。私の自宅最寄り駅にあるカフェになんとなく立ち寄って、冷えた風が吹き込む夕暮れであることもお構いなしにLサイズの

          切抜12『世界の解像度』

          切抜11『逆夢』

          (「切抜」シリーズは、今胸の内にあるモヤモヤを言葉に乗せてまとめる、いわば心の整理をするための雑記帳というもので読んでいただければと思います) ①これまでこれは実験だ。私が私自身を変えるための、ある種の自分への人間改革。 新しいパートナーができた。相手は年下の養成所の仲間だ。好きなことに真っ直ぐで、日々どれだけ体を酷使しても夢を追うことを諦めず、それでいて夢と現実のどちらも程よくバランスの取れた生活を送っている、マイペースにストイックなパートナー。 付き合ったきっかけは私

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          切抜11『逆夢』

          揺らいで、止まって、揺蕩う

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          揺らいで、止まって、揺蕩う

          切抜10『暮れる夏、幸福な食卓』

          2021年の夏が私たちに背中を向けだした8月の終わり。 朝の蝉の遠鳴と加減を知らない太陽の日差しに涼しくなるのはもう少し先かと思いやり、家の前の横断歩道を渡った。 月日の流れる速さに驚くどころか呆然と立ち尽くしているような毎日を送っている。自分の気の浮き沈み具合、空腹の調子、眠気といった生理周期的なものに以前までのようなこれといった気を使うことなく、近頃は「なんとなく調子が悪いな」と言って誤魔化すことにした。 そんな不調が最も表れる時期が、まさに夏から秋に季節が移る今

          切抜10『暮れる夏、幸福な食卓』

          切抜9.5『メールデトワール(後編)』

          (「切抜」シリーズは、今胸の内にあるモヤモヤを言葉に乗せてまとめる、いわば心の整理をするための雑記帳というもので読んでいただければと思います) GWは光の速さで過ぎ去った。 3度目の緊急事態宣言の真っ只中というのに、私の住む街の最寄り駅は連休ということもあって人でごったがえっていた。素顔を晒して彷徨く人々、真昼間からロングの缶チューハイを片手に駅前の広場や路地裏で仲間と大声で語らう人々、日が落ちかかるとその人口は更に増え、道行く人達の目も一切気にせず薄紫の日暮れの空を背

          切抜9.5『メールデトワール(後編)』

          切抜9『メールデトワール』(前編)

          (「切抜」シリーズは、今胸の内にあるモヤモヤを言葉に乗せてまとめる、いわば心の整理をするための雑記帳というもので読んでいただければと思います) 今年も去年に引き続き、退屈なGWが訪れるらしい。ほんの1週間と少し前にツイッターのトレンドに挙がっていた不穏な文字の並びを見ながら深くため息をついた。緊急事態宣言、まん延防止措置、灯火管制、大都会に来て1ヶ月が経つ頃にこんなディストピアの空気を吐きそうになるくらい味わうことになるとは思いもしなかった。 そういうこともあり、GW

          切抜9『メールデトワール』(前編)

          ルシファーをめざして

          『ルシファー(Lucifer)』って、パッと聞き「悪魔の名前」と想像する人がほとんどだと思う。実際にとある西洋宗教では堕天使の長に位置づけられて、その界隈の信者たちからとんでもない存在として恐れられているらしい。 今回のタイトルにこの単語を使った理由は至って単純で、「"明星"って言葉をカッコよく文章に入れたい!」というゲスな欲望から、Google先生にお願いして「明星 フランス語」と検索をかけた。実際は(スペルミスしたくないからカタカナで書くけど)「エトワール ドゥ マタ

          ルシファーをめざして

          青い天国

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          切抜8『あふれる』

          (「切抜」シリーズは、今胸の内にあるモヤモヤを言葉に乗せてまとめる、いわば心の整理をするための雑記帳というもので読んでいただければと思います) ほぼ毎朝、それからほぼ夕方と。 都会の荒波に飲まれる生活が日々の一部として根を生やしはじめて3週間ほどの時間が過ぎた。 仕事には早々に慣れ、ありがたくも新たな職場で人に恵まれた。そして程なくして、晴れて声優の養成所にも通い始めて新たな仲間たちと出会えた。 始まったばかりの眩しい未来のはずだが、渋谷のオフィス街を交差する歩道橋たちの

          切抜8『あふれる』

          あとがき「名古屋」

          普段は「切抜」をアップしてますが、ちょっと今回は畏まらず、かっこつけずに、ラフな感じの文体でココ最近の話の自分のことを書いていきます。たまにはこうして読者の皆さんを近くに感じながら書くのもいいですよね。 アイコン、新しくしました。 先日、父親の四十九日の法要で一瞬だけ帰郷したのですが、移動の際に車窓から見えた菜の花畑の黄色と緑色のコントラストがあまりに綺麗で、「そういう春の装いっていいなあ」と思い、電車の中で描きました。 8,9年ほどお世話になっていた名古屋を遂に旅立ちま

          あとがき「名古屋」