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日本が誇る町工場、浜野製作所に学ぶ

最近、つい友人にシェアしてしまう動画があります。それは、過去にアンビリーバボーにもとりあげられた町工場の復活物語。
町工場の名は、浜野製作所。火災等、幾度もピンチに陥りながら挑戦を続け、今や天皇陛下もご見学される先進的な取り組みをする企業へと成長を遂げ多方面から注目が集まっています。取引先は、4社から約4500社へ。目覚ましい成長の背景には、浜野社長の情熱と努力、お客様、スタッフ、地域への強い想いがありました。
私は祖父が鉄工所、更に自営業を営む家庭で育ったことから、共感する部分も多く、このストーリーに勇気を頂きました。

https://youtu.be/YJZLlAMnJK8?si=1XLhZ1GP6ed9Vzw2

そんな浜野製作所の取り組みをまとめた書籍が出版されていることを知り、早速読了したのでその一部をご紹介いたします。

浜野製作所とは

1968年、墨田区にて創業。金属加工を主事業としながら、産学官連携としての電気自動車『HOKUSAI』深海探査艇『江戸っ子一号』等多数の新規的なプロジェクトを担っています。

その歴史は、現在の社長である浜野慶一さんのお父様が立ち上げた家内工場から始まりました。詳細はアンビリーバボーの動画を見て頂きたいのですが、まさに多くの人の心を動かす挑戦物語と言えます。
お父様が亡くなり、いきなり代表になった社長、浜野慶一さん。2000年には近隣の火災の影響で本社兼工場が全焼。補償金をくれるはずの企業は倒産。1万円の安価な足踏み式機械を使い、たったひとりの従業員と事業を再スタートさせました。その後、苦境に負けず熱意ある仕事が次の仕事を呼び、現在の規模にまで急成長を遂げました。
町工場を取り巻く環境は厳しく、墨田区に9800社あった中小企業は2000社に減っています。そんな中、浜野製作所は、2018年には経済産業省『日本ものづくり大賞』を受賞されベンチャー企業との連携で新たな分野の技術開発も進んでいます。そんな飛躍の秘密はどこにあるのでしょうか。

技術のアッセンブル&コラボレーション思考

浜野製作所の特徴の一つに、大学やベンチャー企業と連携し新規技術開発をしている点が挙げられます。電気自動車HOKUSAIプロジェクトは墨田区、早稲田大学、中小企業の産学官連携により観光型都市の環境に配慮した次世代モビリティの開発を目指したものです。町工場が抱える課題として多くが下請け業となりがちです。結果、顧客の声を直接聴いたり現場の声を提案することがしづらくなってしまいます。そこに課題意識を感じた浜野社長は、大学の知識、墨田の町工場の職人技術、それらをアッセンブルし消費者に結びつく商品開発を通じ中小企業を元気にしよう!と考えたそうです。
電気自動車HOKUSAIプロジェクトでは、車に関する技術を持つ会社を10社集め、既存の超小型電気自動車をベースに改造を加える形で試行錯誤を加え、電気自動車をつくっていきました。その他にも、産学官金連携プロジェクトであり、8000m級の深海調査を目指す、深海探査艇・江戸っ子1号プロジェクトは実験の様子がNHKにもとりあげられました。
主力事業である技術を社会課題解決プロジェクトに繋げることで付加価値の創出に繋げていていく。このような取り組みが、従業員、企業に関わる人をエンパワーメントする種となっているのだと思います。

上流工程への参入、下請構造の脱却

ものづくりの工程には①設計開発②試作検証③量産加工④組込・組立・検証の大きな流れがあり③量産加工を町工場が担当することが多いです。
③の工程で利益を出すことは難しい構造にあり、人件費、土地代が高く稼働時間に制約がある東京で町工場を経営していくには不利な条件が多い状況にあります。しかし、そんなマイナスな要素から、東京の強みである情報が集まるという強みにフォーカスした浜野社長は①情報の上流へのコミット②下請け体質からの脱却③ネットワークの活用という挑戦を決めました。その実践事例が、実験工房的でありマーケティング的な要素を含んだ設備である「GarageSumida」です。施設を機にベンチャー企業等の問い合わせに接し、解決していくことで世の中の隠れたニーズや新しい動きを知り解決しようと考えたのです。

浜野製作所がベンチャー企業の技術支援をした事例の一つが、WHILLという次世代型電動車椅子です。スピード感を持って車輪がうまく回るための課題解決を行ったことで、無事投資家からの投資も得られ商品化につなげることが出来たとのことです。

WHILLというサービス、私自身、学生時代にプレゼンテーションを拝見したことがあり、人に優しい移動サービスとして感銘を受けた記憶があります。
そんな素晴らしいベンチャー企業の製品が技術力のある町工場とコラボレーションし、世の中に生まれていく仕組みは素敵だなと感じます。

感謝を基盤とした経営理念

浜野製作所がすべての行動判断基準としているのが、
「おもてなしの心」を常にもってお客様・スタッフ・地域に感謝・還元し、夢(自己実現)と希望と誇りをもった活力ある企業を目指そう!という経営理念です。
それは、両親の死後、工場が火災で全焼するという「どん底」の状況下で支えてくれたお客様、スタッフ、地域への感謝から生まれた言葉と言います。火災後、工場を貸してくれた地域のおばあちゃん、給料が払えない状況でもついてきてくれた従業員、社内で反対にあいながらも発注をしてくれたお客様。そんな一人一人への「感謝」を忘れない心を、規模が大きくなった今も忘れず大切にする気持ちが多くの人に愛される浜野製作所をつくっているのだと思います。多くの応援があったのは、浜野社長がいかなる苦境においても、熱意を持ち「スピード」を大切に仕事に取り組んできたからこそだと言えます。
浜野製作所のストーリーから、いかなる苦境においても挑戦し続ける大切さと壁を乗り越えることが、次世代への希望の光になることを学ばせて頂きました。皆さんは今日どんな挑戦をしますか??

浜野社長の挑戦経営をもっと知りたい方へ


2024年5月10日(金)京都の萬福寺にて浜野社長と連続企業家である千本倖生氏の夢の共演である講演会が開催されるようです。
製造業の経営者の皆様はじめ、今挑戦しているすべての方にとって、お二人の生の声を聴くことは人生をプラスに変えるきっかけになると思います。
主催は、共通の学びの場で繋がりを持たせて頂いた、熱きITコンサルタント山本伸司さん。日本を代表する素晴らしい経営者の志を多くの人に届けるべく熱い想いで企画された会なのできっと素敵な時間になると思います。

まもなく締め切りとなるようですが、若干空席があるとのことですので、この場を借りてリンクをシェアさせて頂きます。お申し込みはこちらからどうぞ。

https://docs.google.com/forms/d/1fFISy7_MSfYK9Hl8MzcGjC95Ov5rajSqOHpiXmytiEY/edit#responses




 


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