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『くたばれ!「音楽ライターへの道」的記事』という思いから考える、SEOとの向き合い方

地方在住のライターともなると、仕事を探すのがかなり厳しい。探しては落胆し、さらに探してはもっと落胆し…時には「なんでこんなことやってんだろうな…」とふと辞めたくなったりする。そう、ぶっちゃけると辞めたくなることもある。

一方で、そんな落胆しながらもわかってくることがある。よくニュースで近年「地方創生」というジャンルがにわかに大きく取り上げられているということを耳にする。実はこれにもライターというジャンルに大きく影響していて、「地方創生」をテーマにしたサイトが急増、そしてそれにともなって「ライター募集」というところも盛り上がっている。

つまりはこの仕事、流行りの部分に大きく左右される仕事なのだ、なんてわかり切った事実を改めて突きつけられる。東京で芸能イベント目指してあちらこちらへと行っていた頃が懐かしいと思えるくらい、芸能関連は厳しい時期だろう。映画、音楽…メディアに取り上げられるとなると、先日大きな波乱を呼んだ「監督の不貞」みたいなスキャンダル的なところか。人によってはどう思うのかは知らないけど、あんな内容なんて僕は手を出したくない。

まあそんなじぶんだからこそ、「仕事がねえな…」と途方に暮れる始末になるわけだ。

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それはそれとして、仕事を探していたら、こんな記事に遭遇した。

「音楽ライターになるには?」

まあ今流行のSEO狙いのサイト構築なのだろう。ところが内容を見てビックリ。コネなんてほとんどないところからライター業を始めた自分からすると「これでライターになれるわけがない」という思いが正直なところだ。

ヒジョーに幻滅したのは、まあ以下のようなところだ。

・”ブログで音楽批評を書く”
書くということは大事だし、書き続けていくということは必要なのだけど、問題はそれをどうやって読んでもらうか?ということ。例えば音楽批評なんて、見てもらって共感してもらえるか、あるいは文句を言われてナンボなので、見てももらえないものをいくら書いたところで、自分のキャリアは上がっていかない。

・”クラウドワークスで音楽批評を書く"
音楽批評を書くという仕事はあるのかな…そもそもクラウドワークスなんて一文字一円以下、搾取もいいところの劣悪条件の温床で、本気でライターを目指すならやるべきでないという本職者の意見も多い。僕もそう思う。

・Indeedがライター求人に強い
いやいや、音楽系の仕事なんてあるの?って感じ。大半がBtoBのコピーライティングか、あるいはYMYL系のハードルが高いものか、あとは求人広告作成用のライター業しかねえんじゃねえ?求人広告で「ライター募集」なんて、どうもイベントっぽいような気がする。

・「マスメディアン」を使って、音楽雑誌社の求人に応募
そういう求人のハードルが高いから、それを超えるのにどうすればいいかを考えるのがこの記事の役目のはずだよね?

大体Rockin’onのライター募集なんて、「ライターコンテスト」なんてのをやってよっぽどモノになりそうな人を発掘するか、あるいは編集部でたたき上げられたようなひとがなるんじゃねえか?かなり苦労するというか「ロック狂い」みたいなのを地でいくような人でないと生き残れないはず。


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実は似たようなサイトをもう一つ見つけたのだが、もう一つも結構似たような内容だった。う~ん、イマドキの音楽ライターって、こんなにぬるいやり方でライターになれるのか…正直羨ましい。自分が苦労したのは、単純に歳だったせいなのかなぁ。

って、いやいやこれでは何もわからんと思う。普通だったらブログを立ち上げたり、クラウドワークスに挑戦した段階で挫折したのではないだろうか。「どんな基準でこんなことを書いたのか?」と少し腹立たしくもあった。

いや、腹が立った本当の原因は「ライター募集 音楽」とかいった単純な検索を行ったところ、この記事が結構頭の順位のほうに来たというところだった。

つまりは記事のSEO対策がそれなりに行われていたからこそ、この記事が結構前に来た、ということだ。で、単純に「音楽ライターになりたい」と考える何も知らない若い子たちは、まずはネットで解決しようと検索し、この記事に偶然出会って「音楽ライターを目指そう!」ということになるわけか。音楽というものが何かに飼いならされる、そんな状況になるわけだな。

正直こうやって音楽ライターになりそれなりに活躍している人なんて聞いたことない。名のある人はやはり最初から音楽の現場にすごく近いところにいて、何らかの機会を経て業界に入り、そこから少しずつ信頼を得ていく、そんな感じでキャリアが積みあがっていくんじゃないだろうか。

その意味では、僕は若いころから現場にいたわけじゃないから「音楽ライター」とは言えないと自分で思っているし、逆に「マルチライター」だと思っている。いや、ナンでも書けるわけじゃないのにね…

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話が脱線した。いや、紆余曲折したけど結局言いたかったのは、イマドキの「メディアの情報」って、結局SEOだのなんだのってところでかなりねじ曲がってしまっているな、ということ。自分的にも気を付けなければならないこと、反省しなければいけないことも多いのだけど、完全に客観的視点から誤ってない、正確な情報を流すなんてほとんど難しいのが今のこの時代なのではないかと思う。

ある意味プロパガンダだのなんだのってロシア、そしてロシアのメディアは世界から非難されているようだが、そういうことを報じている他国のメディアだってどれだけ正しい情報が見えていることか。

SEOというものは、メディアという仕事に関わっている中で、インターネットを経由するという条件が外せない以上は避けて通れないということを最近痛切に感じるのだが、「世の中、今はSEOこそがすべてだ!」とか言っている奴も信用できないし、どう付き合っていくのかがメディアに携わる人間には課題となるだろう。ある意味「コロナ共存」的な?…う~ん、「うまいこと言った」なんて全然思えないw

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