新しい世界 - 世界の賢人16人が語る未来(クーリエ・ジャポン 編)

:資本主義の行き詰まり
:拡大する格差
:地球規模の環境破壊

難題に一致団結して立ち向かおうという姿勢

コロナと文明
> より多くの自主性を市民に与える社会 (全体主義的な監視社会に反する) → 科学教育と強力な公的機関を市民に与える社会。無知な国民を監視する社会はNG.
> 個人主義で自由な文化の国々(英米やラテン諸国)はパンダミックで被害が大きいが、権威主義的な伝統がありる国々日本・韓国・ベトナム)や規律を重んじる国々(ドイツ・オーストラリア)では被害が小さい。
> パンデミックが伝達するスピードと量が、昔とは異なる。人々の移動と移動する人数の違い。
>ナショナル・アイデンティティ(国民意識)は一国が危機を乗り越える上で重要なもの、今回の危機を通して学ぶべきことはグローバル・アイデンティティを築ける可能性が出てきたこと。新型コロナが人類全体の問題だと気づけば、気候変動や資源の枯渇、格差の拡大、核兵器のリスクといった問題も人類全体の問題だと気づき、人類全体で課題に取り組める可能性が出てきている。(生物璃々学者 ジャレド・ダイヤモンド教授)

世界経済
> ノーベル経済学賞を受賞したジョゼフ・スティグリッツ ”問題なのは、一番弱い立場にある人たちに支援を届ける能力が足りていないこと”
>大都市圏は巨大化した村落でなく、不確実な衝撃に対して、村落よりも脆弱。社会主義は小規模な共同体で機能するが巨大な中央国家では機能しない(ブラック・スワンでリーマンショックを予言したナシーム・ニコラス・タレブ)
>民営化と規制緩和を協議とする新自由主義の破綻が明らかになった。病院が営利事業となり、緊縮財源で公共サービスが減少。戦争を増やし連帯を減らす。創造的破壊を増やし政府の計画を減らす。市場への依存を高め福祉を減らす。共産主義崩壊により、そのさぎょうははかどった(テクノロジー評論家のエフゲニー・モロゾフ氏) これはシリコンバレーで生まれたイデオロギーである”ソリューショニズム”で抜本的な解決を行うにはお金も時間などもかかる課題をITを使って暫定処理を行う取組。集まれみんなの森で携帯電話を使い、たぬきマイルを貰うために公共事業参加しているイメージ。
> 巨大IT企業が社会と政治のインフラを支配している世界。政治の空白につけこみ、安全・安心・イノベーションといった題目と共に非民主主義的な慣習が持ち込まれる。9・11が監視国家を創り上げたように、パンデミックがきっかけでソリューショニズムの国家が強化される。デジタル・プラットフォームは消費者とスタートアップと起業家にしか使い勝手がよくない。ジョージ・オーウェルの小説”1984年” 時代遅れ。今日の資本主義は、はるかに強くて複雑怪奇なもの。
> 対面授業・診療・配達をバーチャルやリモートやロボットに置き換える ”非接触型テクノロジー”  身体的経験をテクノロジーの介入によって代替させる
>大惨事が訪れる前から悪かったものは、全て耐え難いまでに悪化する。ジャーナリストのナオミ・クラインによる新著”地球が燃えている”からの引用。平時から使い捨てられる立場にあった人たちが今犠牲を払わされている。ドメスティク・バイオレンスや解雇・経済圧迫など。

不平等
> 一番注目すべきは”経済成長”ではなく、”貧しい人々の収入や教育”です。(ノーベル経済学賞 エステル・デュフロMIT教授)
> 経済回復の速度は、生産・消費・交流の方法をどのくらい変える必要があるのか次第
> 新型コロナによる経済危機は、金融システムによって持たされた危機でなく自然災害や戦争に似ていて復興は早いことが統計的にも分かっている。
>サプライチェーンの見直し。仕入れ先を1ヵ国に集中することの危険を経験し、今後は仕入れ先を分散させる→ 途上国のチャンス

アフター・コロナの哲学
> 資本主義の感染の連鎖を断ち切らなければならない。グローバルな新自由主義は世界を猛スピードで破壊する。
>分断された今の社会に必要なのは、政治を変える以前に”エリートたちが謙虚さを養う”こと(政治哲学者 マイケル・サンデル教授)
> 能力主義の闇の部分。

如何に生きるか
> 惨事の後、私たちは必ず適応し、新しい生き方を探ることになる。

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