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3社目で実感した仕事選びで大切なこと

今年の9月に3社目に就職をします。
実は昨年の10月に2社目に転職をしたばかりでしたので1年足らずでの再転職です。その前の会社は新卒から勤めた会社で、15年半ほど在籍しました。この3社の変遷の中で、仕事を選んでいくにあたって、とても大切なことに気づいたので綴ろうと思います。

それは、仕事選びは「社会人」として何を成し遂げたいのかが大事であるということ。心の底から「こういう社会問題を解決したい」と思えることに取り組むこと。さらに言い換えると「自分は何のために生まれてきたのか?」「自分は何者なのか?」ということに自分なりに解を持てる仕事を選ぶということです。

1社目は新卒としてインターネットセキュリティの会社に勤めました。なぜここを選んだかというと、大学生のときにコンピュータウイルスに感染した原体験があり社会としても問題になると感じたことと、そもそもITは好きな分野であり、将来的にグローバルに活躍をしたいという志向や会社の規模感などが合致したためです。
前述の通り、この会社には15年半在籍しましたが、社会人としての基本から学び、当初5年は営業として大きなチャレンジをさせてもらえた上に、その後はプロダクトマネージャーとして製品の企画やマーケティングをやり、チームのマネージャーとなり、そして海外チームとのやりとりや海外市場への展開といった貴重な経験を様々させてもらいました。
15年半の在籍期間中、新卒の時に描いていた社会へ貢献したい想いを形にしたり、グローバルへのチャレンジなどを実現させ、仲間にも恵まれ、本当に常に楽しく取り組んできました。
とてもありがたいことに、将来の幹部候補としてノミネートしていただけましたが、一方で、15年半やるうちに、新しい企画が思い浮かばなくなったり、いつの間にか立場を守るようになってしまっていたりなど、自分自身の仕事のクオリティに限界を感じるようになりました。まだまだ先の長い社会人人生、いちビジネスパーソンとしてもう一皮剥けるために飛び出てみることにしました。

1社目で自分の中心スキルとしていたのがプロダクトマネジメントやプロジェクトマネジメントといったものです。2社目においては、1社目で限界を感じた分だけ、その培ったスキルにさらに磨きをかけることを目的として、このスキルのプロが集まっている会社に勤めることにしました。つまり職種は同じですが業界をスライドした形です。
2社目はクラウド会計ソフトの会社でした。自分自身、簿記を保有していた他、学生時代には高校も大学も部活動の会計処理を行なっていたり、家庭では家計簿をエクセルで自作するなどしていたので、会計という分野には関心がありました。
自分にとっては初めての転職であり、そして新しい業界でしたが、これまで培っていた技に自信もあったし、それにさらに磨きをかけるべく転職をしました。

…が、結論から言うと、この考え方は長く働くにはあまり良い考え方ではなかったようです。なぜなら「どんな貢献を社会に対してしたいのか」という視点が抜けていたからだと思ってます。
この転職は、「自分の力を伸ばしたい」という目的のために、「どういう舞台で働きたいか」という観点で選んだものになります。これはあくまで自分のための転職でした。
本来仕事とは、自分のアウトプットによって誰かに価値を提供することが目的とされるべきものですが、今回の転職は自分へのインプットに目的を置いてしまっていたと振り返っています。
これの何がダメかというと、「ユーザのために」、「会社のために」本気になるという、自分がアウトプットをして価値を発揮するにあたるエモーショナルな動機が欠落する点です。
もちろんプロダクトマネジメントをするわけなので、当然ユーザのニーズを発掘したり、事業として貢献できるように日頃から考えます。ところが、会計に関心があったとはいえ、このエモーショナルな動機がないと、心の底から「この社会問題を解決したい」と思うことができず、可もなく不可もなし程度の仕事になります。
また、その程度の動機づけだと、きつい状況に追い込まれた時に耐えられないという面もあります。もちろん仕事なので、ある程度のきつい状況に耐える必要があるシーンもありますが、そこでぐっと踏ん張ろうと思うと、それなりに自分に強い意志がないとダメだと感じました。メンタル的に打ちのめされることも多かったです。
「どんなに壁にぶつかっても、私は○○のために××を解決したい!」というような情熱が持てなかったです。

こういった経験から、仕事を選ぶ際には、「自分のアウトプットで誰のどんな課題を解決したいのか」が重要で、その前提として「原体験」が重要なのではないかというところを強く感じました。逆にいうと、自分が心から情熱を持てる「原体験」のない仕事はダメなんだと。
1社目で日々ワクワクする気分の上で、自他共に納得できる良い仕事ができていたと感じれていた体験があった分、だんだん窮屈さを感じたこと、1年足らずでしたが目的としていたハードスキル面のインプットについては周囲の方の技を色々と学べたこと、そのままいても良い仕事できなさそうだと感じて、次の道を探すことにしました。社会人人生の中で大きな教訓を得たと思います。

3社目はスポーツテックに関わる仕事。今この新しい仕事に向けて予習を始めているところです。実務としてはまだ始めていないですが、すでに楽しみだし、自分が貢献できるイメージが2社目よりも圧倒的に湧いています。
ここについては原体験があるからだと思っています。私は社会人になると共に母校の運動部の指導をやり続けてきました。指導現場にはたくさんの課題があります。これは前回のnoteに書いた通りです。
当初はスポーツに関連することを仕事にするなんて思ってもいませんでした。社会人になった当時、ITの力は信じていたし、それに関わる仕事をしたいと思っていましたが、インターネットもADSLが主流の頃合いという時代背景もあり、ITによってスポーツの課題解決ができるなんて考えてもいなかったです。しかし、時代が進んでITの力が進み、私自身も日々たくさんの課題を感じると共に、社会人として力をつけるにつれて、この分野の課題解決が技術的に可能だし、それを自分ができるのではないかと思うようになってきました。

これこそが「原体験」であり、今回私がここに取り組む理由、私だからこそできるだろうと信じる根拠です。今はこれまでの力の集大成を発揮して、この周辺の社会の課題を解決してやろうと心の底から思っています。これは2社目に転職をした時と全く違う感覚です。

自分の原体験がある仕事こそ本気になれる。自分が心から解決したい社会課題と向き合うから本気になれる。
職種でスライドすることで、仕事の勝手はわかっているので仕事にオンボードすることはできますが、継続的にモチベーション高く取り組むには「何ができる」だけではダメ、自分のスキルアップ目的ではダメだということを身を持って感じました。

今の仕事に漠然とした不安を感じている方、つまらないと感じている方、物足りなさを感じている方、ぜひ参考にしていただければと思います。


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