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学級集団を作る〜子どもの非認知能力を育成する教師のソーシャルスキル〜

はじめに
いわき市教育委員会主催の講演会のまとめです。

河村先生といえば!
この本をはじめ
何よりQUテストでお馴染みですね。

河村先生が危惧している自治体の特徴


衝撃的な話ですが、
「先生も生徒も真面目なのに成績が低い」
(ここでいう成績とは、全国学力状況調査の結果)

つまり、不登校は相対的に少ない方
でも、学力が大きく低迷している

真面目であることを
美徳として生きてきた私たち日本人には
非常に耳の痛い話。

しかも、残念ながら
福島県はここに該当。

もっと残念なのは、
その福島県の中でも
いわき市は・・・。はい。

また、肥満率と虫歯率も
学力に影響しているとのこと。

Self Controlができるか否かなのでしょうね。

では、こういう自治体の何がダメなのか
という話に続きます。



それっていい授業?

説明が上手で、
一斉授業の中では、
生徒が「しっかり」話を聞いている先生の授業。

これっていい授業なのか?
そこに生徒たちの学習意欲というものは
垣間見られず・・・。

先生の話を「しっかり」聞く。
先生の言うとおりに動く。
周りから目立たないように振る舞う。
先生から怒られないようにする。

これでは、やはりダメ。
自律的学習者(アクティブラーナー)として
育っていなければ学力もついてこない。

自戒も込めて言うと、
やはりこの指摘を受けるような授業は
まだ多く散見される。
自分だって他人事ではない。

教えなくちゃ!
教科書終わらせなくちゃ!

と言う思いが先行すると
こうなりがち、ごめんなさい🙏

全国学調がいいか悪いかは今は置いておいて…
点数が低いということがいいか悪いかも今は置いておいて…

学習したことが生徒の力となっていないのだとしたら
これは悲しいこと。
きっと生徒も、自信をなくすし
自己肯定感だって下がりまくる。
ましてや、つまらない・興味のないことを
ずっと聞かされているとしたら
学校ってつまらないところだ。
さらに、怒られちゃったりしたら、
・・・言葉もない。

点数は1つの指標に過ぎないが
大事な指標でもあると感じた。

「いい授業」について考えたい。

田舎がダメなのか?

友達と異なる意見を出すこと
目立つこと
が苦手。

一方、
相手の考えを察する力には長けているとのこと。

小さなコミュニティーの中で
もし、それをやってしまうと
取り返しのつかないことになってしまうから。

このことから対話はやはり大切だと再認識した。
多様な意見を出すことや
それを受け止める訓練をすれば
田舎だって改善できるのでは?と思った。

そのためにはやはり
安心・安全の場となる
学級集団づくりは不可欠。

ちなみに極端な山間部などの人口が少ない地域では
他地区との交流(対面・非対面)が多かったりして、
意外と意見を言える生徒もいるとのこと。

悲しい大学生の現実

入学オリエンテーションで、
「友達作りたいので、ぜひ、声をかけてください。」
と言う自己紹介が多いらしい。

「自分から声かけますので、仲良くなってください。」はいない。
つまり、みんな来るのを待っている。

さらに、先生によると大学4年生の40%が
どの職業に就きたいのかわからないとのこと。
さらに、選択したと思ったら、それは消去法で決めたことが多いと。

授業を「しっかりと」聞いてきた「よい生徒」の末路なのか。

怒られたくない。
親の期待を裏切りたくない。
人と関わりたくない。

不安が強い子ほど
ストレスがない方を選ぶ傾向があるそう。

早稲田大学に入るくらい優秀でこれって・・・。
少し悲しくなった。

教育的資源は学校経由

定期などで使われる学割。
カラオケや飲食店でも学割があったりする。

日本の社会がいかに学校を中心として形成されているかの一例。

非認知能力は、問題解決の場面で、
他者との関わりを通して自ら獲得することで身につく。

つまり、学校の中の学級という集団の中で
問題を級友たちとの関わりを通して解決していくことで
身につく。

そう考えると、非認知能力を育てるための
学校が果たす役割って大きい。

義務教育で学習させたい非認知能力の基盤

自己に関する能力「自律性」
社会生・人と関わる能力「協調性」「協働性」
は特に大事にしたい。

低・中学年で体験活動を多く取り入れることが大切。
(若い先生をここに配置するといいということ。
40代の私にはもう縁がない話(笑))

コロナ禍で、これの機会を損失してきた生徒たちは
何らかの手段で補う必要を感じる。
これ、喫緊の課題だと思う。


非認知能力を学校教育で育成するポイント

一斉授業ではなく、協働学習が良い
↑↓

自由度が高い学習の場で、協同のマナーを守り、
羽目を外さず、自律的に、協働的に、学習する意識を持ち、
建設的な行動が必要

対人関係に関する不安がなく、素の自分で関わることができる
学級集団に心理的安全性がある


これらもわかるように「集団づくり」はとても大切。
そして、協働学習の前に特別活動が大切であることにも触れていた。

前任の校長先生も力説なさっていた。
現職の研究主題にしたいとまでおっしゃっていたことを思い出す。

改めて、時間がなくて、疲弊している今の学校現場ってよくないと思う。
余白の部分がないと
こういうことをみんなで共有したり
考えたりできない。
縛られ過ぎている。大人が。
だから生徒も縛られてしまうのかも

何をしたらいいの?

ここまではずっと
どちらかといえばダメ出し的な(笑)
話が多かったのですが、
具体策が出されました。

「いわきの子どもがワクワクする活動事例集」
を作るということ。

「点数を上げるための問題集」
よりずっとワクワクしますね(笑)

全国学調の点数が高い地域は
協働学習ができているとのこと。

うちの校長先生も秋田の視察から戻られた時
興奮気味に「探究型の授業」について
話されていました。

非認知能力が高まると
認知能力も高まるのだろうということは
容易に推測できますね。


最後に

不登校の子ってどうしたらいいの?
と聞きながら考えていました。

今は学びの形もいろいろです。

学校での集団での関わりができない子達に
対話の場を作ったり
課題解決の場を作ったり
できればいいのかな〜

とぼんやり考えました。

不登校を持つ保護者の皆さんや
それを支える方々と
一緒に話したいです。




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