吾輩は童貞である。魔法使いになる気はまだ無い。⑨恋活パーティー編その3

前回の記事

これは魔法使い化の未来に抗う、アラサー童貞の記録である。


筆者スペック

身長:160後半
体重:58kg
体脂肪率:多分16~17%くらい
学歴:私立文系
職業:税金関係
スポーツ経験:バドミントン、水泳
趣味:映画鑑賞(ハリウッドからクソ映画まで)
かなりしょうもない話:風俗は接待交際費になる

傷口に塩を塗るように

初めてのデートから三週間後。(振られてから二週間後)

”失敗の痛みは試行回数で薄められる”──チャラ男(32歳 合コン編参照)

俺は、ポメラニアンに袖にされた痛みを薄めるべく、俺は予定を詰め込めるだけ詰め込もうとした。

その一つが恋活パーティー(2戦目)である。

”傷口に塩を塗る”ということわざがある。
傷口が痛くてたまらないところに、さらに塩を塗り込む。
悪いことの上に、さらに悪いことが重なることを指すものだ。
しかし、塩には傷口を殺菌する効果があるんだとか(要出典)

かくして童貞は、傷口に塩を塗るように、次なる戦場へひた走る。

今回の人数比は、男9:女5。前以上に厳しくなってんじゃねえか!

恋活パーティーレポート①女の子の章

エントリーNo.1 公務員(24)

雰囲気美人。雰囲気が美人。

愛想が良くて不快な感じも全くしないが、俺が爪痕を残せた感じも全くしなかった。

いいねを貰ったため【第一希望】にしたがあえなく撃沈。
彼女は誰ともマッチングしていなかった。ということは、俺のマッチ状況から振り返ると「男一人だけに投票していたが、そいつは別の子とマッチしていた」か「誰にも投票していなかった」という可能性が高い。

こういう経験が、当時の俺をより一層「選り好みなんかしていられない」という気持ちにさせたのだった。おい、その先は地獄だぞ。

エントリーNo.2 イエローネイル(22)

専門卒。俺のことを岡田准一に似ていると言っていた。

…なんで顔面褒めてくれたのにいいねしてこねえんだ!誰か説明してくれよぉ!!(デデデン!!)

(初対面の誉め言葉を額面通り受け取って調子に乗ってるからだボケナス)

投票先から除外。彼女も誰ともマッチングしていなかった。

エントリーNo.3 チップ、あるいはデール(23)

「プロフの写真は宗谷岬ですか?」って一言聞いただけなのに、時間いっぱい使われて北海道旅行の布教をされた。これマジで疑問なんだけど、女の子って旅行好きな人多くない?なんで?

いいねを貰ったのでとりあえず【第三希望】にしたが、なんか撃沈。彼女も誰ともマッチングしていなかった。

なんか雲行きが怪しくなってきたな…。

エントリーNo.4 金髪コーダー(24)

開口一番「めっちゃ良い声ですね!ボイトレでもやってます?」と言われた。なんで顔も良くて声も良くて今まで童貞なんだ俺は。(性格だろ)

見てくれがどう見てもバチバチのギャルなのに、キャンプ場とかBBQをやたら恐れていた。まあそっちの方が好感持てるけどね俺ダンゴムシだから。

住まいが遠いがまあ全然アリだったし、いいねを貰ったので【第二希望】にした。

…いやなんでマッチングしねえんだ!!誰か説明してくれよぉ!!(デデデン!!)残念ながらこの子は別の高身長男性とマッチしていた。

…と思ったらマッチせずとも自分が気になった相手に連絡先を送り付けられるシステムによりLINEが送られてきており、連絡を取り合うことに。

まあ、返事があまりにも遅すぎてこっちから切ったんですけども。

エントリーNo.5 蚊(26)

声が!!小せえんだよ!!(マジギレ)
いや声が小さいのは仕方がない。せめてはっきり喋れよ!!(ブチギレ)

蚊の鳴くような声とはまさにこのことで、お前普段どうやって社会生活送ってんの?となるレベル。

話を盛り上げる気が無いのか、それとも緊張しているだけなのかは知らないが、たった数分の会話がここまで苦痛だったことは今までないほどの声の小ささだった。俺がRRRを布教したことだけ覚えている(またかよ)

いいねを貰ったので消去法で【第四希望】にしたらこの子とマッチングした。

悪いんだけど、いや~キツいっす(素)

恋活パーティーレポート②消化試合の章

蚊とマッチした俺。正直そのまま帰ってもよかった(今思えばそれで正解だった)のだが…。

──いや、単に緊張してるだけかもしれないし…。ノってくればちゃんとした声量で話してくれるかもしれないし…。別に悪い子ではなさそうだし…。

おい、俺。今すぐ適当に社交辞令交わして帰れ。
お前はただかけたコストを惜しんでいるだけだ!!
それはコンコルド効果だ!!そんなものに囚われるな!!

と、今の俺がどれだけ悔やんでも、そんなものに意味はない。

損切りができなかった愚かな俺は、史上最低のお茶をすることになった。

話題はすべてこちらが切り出す。向こうから先に話すことは絶対にない。
一問一答みたいになる。俺はAVのインタビュアーじゃねえんだぞ。
さほど騒がしくないカフェでさえも声が聞き取れず何度か聞き返した。
表情の変化にも乏しく、何を考えているか全くわからない。
というかこっちが奢ったのに何も言われてない気がする。
お前本当に過去に彼氏いたことあるんか??

とにかく…とにかく苦痛だった。
俺は、俺自身がそんな大層な人間だとも思っていない。蚊が俺と本気でマッチングしたがっていたかも定かではない。だからここで俺がいくら不平不満を垂れたところで、所詮それは脈無し男の空回りなのかもしれない。

だが一つ言わせてほしい。人として最低限のコミュニケーションは取ろう。

俺は「また会おうね!」と言い、帰路でお礼のLINEを送りつつ、そのまま流れるようにブロックした。もっと早くこの判断をしておけばよかったね。

ちなみに、一切蚊に関する見た目の記述がないということは、つまりそういうことなのだ。何一つ救いが無い。

そういう日だってあるさ

これまで散々ブーたれてきたが、実際は前回たまたま歯車が噛み合って上手くいっただけに過ぎない。本当はむしろ不漁の日の方が多いはずだ。

学びはあった。

俺は、「誰ともマッチングしない男」という烙印を押されたくない(誰に?)一心で、上限の数まで女の子に投票をかけたが、結果として己の首を絞めることになった。

無理にマッチングしようとしなくていい。初手でダメそうだなと思ったら大体ダメだ。しゃーない切り替えていけ。

結果だけを見るなら、9人の男たちの中から勝ち残り、事実上の1.5マッチングをしたのだ。十分であったといえよう。

あとは中身を磨いてさらに試行回数を稼ぐしかないのだ。

俺は、

口直しに風俗に行こうとして、

翌日デートだということを思い出し唇を噛みながら帰宅した。

これは魔法使い化の未来に抗う、アラサー童貞の記録である。

…「デート?」「誰と?」次の記事を読めば分かる。


この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?