事前情報なしで妹と映画「ミッドサマー」を観た話

昨年、SNSなどで話題となった映画「ミッドサマー」がWOWOWで放送するということで、妹と観た。
「TRICKに出てきそうな宗教団体」という話は聞いていたが、それ以外の情報は何も知らなかった。

今の時代、YouTubeやTwitterで自然と映画の情報が流れてくるので、全くの事前情報なしというのはなかなかない。
なので、あえて監督も出演者もあらすじも予告も調べないで観ることにした。
深夜1時。
部屋を真っ暗にしてポップコーンを広げながら妹とテレビ画面を見つめた。


私はこの瞬間が好きだ。
これから物語が始まる。
私を知らない世界に連れて行ってくれる。
物語のゲートを開けるような感覚に、瞬きを忘れそうになる。


変態映画だった。



崖の血だらけシーンといい、生々しい性描写といい、とにかく「変態だな」というのが最初に感じたこと。
TRICKの世界なら、欲を抑えられなくて部屋に向かう上田を、山田が飛び蹴りするだろう。
上田の体術(通信教育)が炸裂するシーンも想像できる。


同時にアートのようだなぁとも思った。
青空の下、白い服を見に纏って長いテーブルを囲み食事をするシーン。
笑顔で踊る少女たち。
その美しさがなんだかすごく不気味で異常で、
スタンリー・キューブリックに通ずる何かを感じた。
シャイニングを初めて観た時の感情とちょっと似てるかも。

物語が進むに連れて「一体私たちはポップコーンを食べながら何を観ているんだ?」と頭の片隅で思いながら、なんだか面白くなって妹と笑ってしまった。
面白いかどうかは人それぞれだが、ソーセージパーティー並に親と観てはいけない映画だということは間違いない。

映画では、村の人々が傷を抱える主人公に対して包み込むような言葉や表情で接している。
もちろんフィクションなのでこんな村は現実にはないと思うが、どうしても「ないない!笑」とは思えなかった。

こういう人は、意外と身近にいるから。



ああいう村はなくとも、弱みに漬け込んで自分のものにしようと企む人は結構いる。
そのリアルさが余計に恐怖を掻き立てる。
そう思うと背中にツーっと冷や汗が流れた。


結局、1番怖いのは幽霊ではなくて、生きている人間なのかもしれない。

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