見出し画像

男女の友情は幻か

私の交友関係の1つに3人組グループがある。
男女女の組み合わせで私と女性Aちゃんはほぼ同世代だが、男性Bさんとは年齢が倍離れている。

私達が仲良くなったのは今年の8月だった。
Aちゃんからの人生相談を機にそれぞれが抱えてきた思いを語り合うようになった。将来のこと、くだらないこと、セクシュアリティのこと。


否定されることを恐れて誰にも言えなかった気持ちを吐露し、同時に相手が抱えてきた気持ちを聞く。そうやって共有しあう時間は私を冷静にさせてくれたし何より、自分と違った意見が新鮮だった。



色んな所にも行った。
車が好きなBさんの運転でドライブが恒例になった。
コンビニのパンを食べながら真面目な話をする。夜景を見て写真を撮って、小さな事で笑いあう。

私達が仲良くなるのに時間はかからなかった。年明けには旅行も決まって、私はすぐにスケジュール帳に書き込んだ。


側から見たら不思議な関係だと思う。変だと感じる人もいると思う。
だけど私にはその時間と関係性が楽しくて心地よくて、好きだった。





だから2人が付き合うことになったと知った時、私は心から喜ぶことができなかった。おめでとうと伝えた顔はちゃんと笑えていただろうか。




「気遣わなくて大丈夫だからね!これからも3人でドライブ行ってさ、色んな話しようね」

それは、無理だよ。
私は友達という3人のバランスが好きだった。
でも2人の関係に名前がついたらさ、もうそこまでだと思う。
3人で会っても自分を邪魔だと感じるし気遣うよ。
今までと同じ関係ではいられないんだよ。



私はBさんに恋愛感情を抱いていたわけではない。だから2人が恋愛感情で結ばれることは嬉しい。
だけど、なんだかすごく裏切られた気持ちになった。


あー、恋愛って邪魔だなぁ。


悪いことじゃないのに喜びより裏切られたとか哀しいとか自分勝手な感情がグルグルしていて、そんな自分を嫌悪感でいっぱいになる。


幻を見ていたのかもしれない。
そう思えば自分勝手なモヤモヤも少しは許されるだろうか。


スケジュール帳に書かれた旅行の文字をラバーで擦りながら私は泣いた。

最後までお読みいただきありがとうございます…! もしよければサポートしていただけると飛び上がって喜びます。 無印良品の豆乳ビスケットを買います… いいね、シェアだけでも嬉しくて跳ねます。