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た行で考える、採用ポートフォリオの作り方(主にクリエイティブ職向け)

ジモコロ編集長、徳谷柿次郎さんから声をかけていただいて、新卒採用者向けのポートフォリオについての取材を受けることになりました。

その記事についてはこちら

会社では採用の課題を考えたり、ポートフォリオ審査に関わったり、採用面接の担当を受け持ったり、時には母校に出向いてポートフォリオアドバイスを行ったりなど、新卒の皆さんと向き合う時間は比較的多いのですが、その分課題も多く見えていました。

みなさん、学校の課題や個人ワーク、アルバイトなどで良いアウトプットをしている方は多いのですが、それらを編集し誰かに見せる、という点でどうしても難しさを感じてそうだなと。
「ポートフォリオも作品である」といった意識が強すぎるもの、自らを大きく見せようとするもの、携わった仕事や作品を大量に詰め込んだもの、逆に一点突破こそ正義だと思っているもの、自分語りが多いもの・・・などなど様々なタイプのポートフォリオがあるのですが、一番大事な視点が抜けてる人が多いんですね。

それは、このポートフォリオを見る人はどんな人か?を想像するということです。どうしても自分の作品を「まとめる」ことに注意が向き過ぎて、肝心の届ける相手のことを想像することが抜けてしまう。その視点がスポイルされたが為に、届ける方は正しく魅力を伝えきれず、受け取る方は正しく魅力を読み解けず、ということが起こってしまう。結果、本来であれば良い関係になれたかもしれないチャンスを双方が失ってしまい・・・という悲しさや、時間的コストの喪失に繋がっていきます。

そんなことを取材を受ける際に改めて考えてみて、せっかく取材を受けるならこれまで感じた課題点を整理しようと思い、スライドにまとめました。
始めは簡単な整理でまとめる予定でしたが、考えを整理するうちに「た行」で考えるとポートフォリオは作りやすい、とアイデアが浮かびまして、60ページを超えるボリュームになりました。

本スライドを取材だけで閉じ込めるのも勿体ないので、新卒ポートフォリオを作る(もしくは既に作った)皆さんに向け、スライドを全編公開します。以下のSlideShareに全スライドをアップしているので、興味ある人はご確認ください。

内容をかいつまむと、「た/ち/つ/て/と」のそれぞれに分けて5つの話をしています。上から順に追って整理することで、より納得度の高いポートフォリオに仕上がるはずです。

①た=短時間で

まず意識するべきは、ポートフォリオを見る担当者は「どれくらいの時間をかけてポートフォリオを見るか?」です。採用は大量の情報を短い時間でさばく必要があるので、およそ5分もあれば内容が把握できるように、情報を整理し構成を組む必要があります。

②ち=違いのわかる

大まかな流れが見えてきたら、向き合う相手に合わせて作品を最適に選びましょう。相手に合わせたバリエーションを揃え、メリハリをつけることが、他の応募者との差別性を生みます。

③つ=作りたい未来の見える

ここは、働いたあと自分がどうしたいか?の未来的ビジョンを固めるパートです。ポートフォリオはあくまでも過去ワークをまとめる作業です。これまでやってきたことを振り返りながら、長く続く社会生活で自分は何を実現したいのか?そういったビジョンを(漠然とでも)意識しながら企業と向き合うことで、相手とのより深い意思疎通が図れます。

④て=手に取りやすい

ここらあたりでようやく、デザインのディティールに入ります。ポートフォリオは複数の人がそれぞれの時間/場所で見ることが多いので、取り回しの良さや見やすさを意識しましょう。製本クオリティの高さよりも、見る人を不快にさせない、という視点の方が大事だと考えます。

⑤と=整っているポートフォリオ

そして最後、レイアウトです。要点を絞りメリハリをつけ、端的にポテンシャルとスキルが伝わるものを目指しましょう。また、それぞれの仕事で関わる領域はまちまちだと思うので(特にグループワークの場合)、役割を明確にすることが大切です。加えて最終的な成果物だけでなく、そのプロセスが見えることを意識したレイアウトにも注目しましょう。

スライドにも書いてますが、採用は少なからず自分の人生に影響を及ぼします。その為に自分を改めて見つめること。そして相手を見つめること。双方のことにちゃんと向き合ってみて、長く長く続く新しい社会人生の「良い一歩目」にして欲しいと思います。

採用活動、精神的にも肉体的にも大変だと思いますが、頑張ってください。実りある将来に多くの人が向き合えるよう、僕にできることはわずかですが、応援しています。

◯もし、スライドについての内容を説明して欲しいという声があれば、コメントに残してもらえればと思います。それなりに多い場合、別のnoteに説明付きのドキュメントをまとめるかもしれません。
◯スライドや当ドキュメントに関して、許可のない二次利用はご遠慮ください。

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望月 重太朗
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