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部屋の明かりが月に見えた日 #恋愛 #浮気

部屋の明かりが月に見えた

酔っていたのか
よく分からない

分かるのは別れた元彼に浮気相手が
たくさんいた記憶しかない

2人で選んだ家具も
カーテンも車さえ全て持っていかれた

買ったのは私なのに。
カーテンもテーブルも冷蔵庫も少し古い型のオーブンレンジも全て。

残ったのはベッドと天井についた丸いライトだけ

笑ってしまう

丸見えの外を見ても街頭のない闇があるだけ
月はどこにいったのか

気が付かない様にしていただけで
おかしな点はたくさんあった。

同棲したいと言うわりに
手放さない現状

私ばかりが浮き足立って
いそいそと準備をして揃えて言われたまま
車まで用意したのに。

今思えば私が買った車の種類にケチをつけて
文句を言ってた。

今思えば電話越しで気に食わないと怒鳴り散らしていた。
その度に「私が悪い。ごめんなさい」そう謝っていた。

全て持っていった癖に
私物の服やら何かの書類やら靴はまだあった。

それを見てまたため息をつく。

ベッドに寝転がって見上げたら
自然と目が熱くなり
霞ながら月明かりが照らしている。

明日着払いで送ってやろう。

そう決心して浅い眠りについた。

翌日、宅配業者を呼び全て着払いで送り返した。
スッキリと片付いた気持ちでいたのだ。
全て買い直して新しい生活を迎えよう!

翌々日、宅配業者から連絡がきた

「○○様宛のお荷物ですが、女性がでて知らないから受け取れない。と仰っています」

「はい?」間抜けな私の声。

「女性が玄関から出てきて、わからん ないから払えないって言ってます」

「はー……」また間抜けなため息みたいな
気の抜けた答えで

私は恥を忍んで全てを宅配業者にお話した。
すると、「○○様が受け取らない場合、お金はかかるけど全て処分しましょうか?」

宅配業者の女性が優しくお話して下さり
「あ、じゃぁそれでお願いします」

この時私は絶対受け取るであろう事を確信した。

書類の中にお金関係や会社の書類
靴、スーツ、ブランド物もあったのだ。

受け取るに違いない。
ケチな男には痛い出費だろう。
ましてや受け取る側も現在進行形の彼女。

その他にも何人か彼女が居ることは把握している
(なぜ分かったのかはまた後日)

詰めも人生も甘い男。

夜には「受け取りました。」と連絡があり
読み通りで私はニヤリと笑って
新しいカーテンから外を見た。

綺麗な満月がいつもより明るく
部屋を照らしている。


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