望月遊馬(もちづきゆま)

詩人。詩集に『海の大公園』『焼け跡』『水辺に透きとおっていく』『水門へ』『もうあの森へ…

望月遊馬(もちづきゆま)

詩人。詩集に『海の大公園』『焼け跡』『水辺に透きとおっていく』『水門へ』『もうあの森へはいかない』『燃える庭、こわばる川』がある。第44回現代詩手帖賞受賞、第26回歴程新鋭賞受賞。朝日新聞などに詩を発表。

最近の記事

バスケットボールの大会に参加する

 いろいろあってバスケットボールの大会の運営の下っ端として、大会運営スタッフおよび、試合参加をした。  私はバスケットボールはまったく上手くないけれど、大会2週間前に危機感を覚え、実は毎日、体育館に行って自主練をこっそりしていた。それでも2週間ではどうにもならず、手も足も出ないどころかチームの足を引っ張る始末。とても恥ずかしかったけど、これが現状。  かといって運営スタッフとしても十分な働きが出来たとは言えず、したことといえば、フライヤーの手配(それも自分では作れないからプロ

    • 時間感覚

       時間がはやく経つように思えて、実はあまり経っていないのかもしれない。その時間の差をどのように感じるかは人それぞれだから、短いものも長いものも、感覚や年齢に依拠するのかもしれない。だから、一瞬と思える時間も、人によっては長く感じるかもしれない。その差を、どのように処理するかというのは、人それぞれなのだろう。だから私は自分の時間の流れの感受性を信じるしかないし、その方程式によって行動するように思う。それがどのような時間の流れや感じ方をもたらしたとしても、私はそれを行動の動機へと

      • 畦道

        畦道に細い陽が差し、ふんわりと熱気球があがった。それを私は気づいていたが、気球にむかって手をふる子どもたちには、ひとりひとり叱っていった。すると、それはいけないよ、と父が言い、老いた手で河のなかをまさぐった。私はそのときのことを深く味わいなおし、星座の輝く宇宙船と熱気球がおなじ高さに浮かんでいるのを、空想のなかで楽しんでいる。空に浮かぶものはどれもが美しい。そして美しいからこそ守りたくなる。

        • 美しい池

           その水をすくって飲むこともできるという有名な池がある。数メートルの水深がこのように青く輝くのはなぜなのだろう。瀬戸内海の海を見ても、このような青さにはならない。池といったらにごって泥がたくさんで泳ぎたくないけれど、この池なら泳いだり、足をひたしてみたいと思う。  そして池に注視すると、小さな魚が泳いでいたりする。近くには釣り堀もあるため、大変美しい水で育った川魚を釣って食べることもできるらしい。  周りに似たような池がない場合、どういう理由からこの池が出来たのかはとても不思

          山菜をとりにいきたい

          1.蕗  湯来町は広島県にある町の名前だが、このあたりになると山菜がとれる。山菜をたくさん収穫して食べたい。精進料理のようなものを食べてみたいと思う。まず思い浮かぶのは、蕗。川べりにたくさん生えているから、冷たい川にサンダルのまま入って冷たい感触を感じながら、蕗を摘む。  スーパーに売っている蕗は、茎の部分が多いけれど、葉の部分ももちろん美味しい。苦いけれど、その苦みが美味しくて病みつきになる。  蕗の薹も、また味わい深い。けれどこれは春まで待たなければならないから、夏に食

          山菜をとりにいきたい

          THE やんごとなき雑炊

           中村倫也の初の料理本『THE やんごとなき雑炊』を随分前に購入したまま読まずに放置していたけれど、売れ行きが良いらしい。  私は中村倫也さんのことは良く知らないけれど(俳優さん??ファンの方ごめんなさい💦)  一方で「雑炊」というものには大きな興味がある。  中身を見ると、とても美味しそうなものがたくさんある。私は雑炊は作ったことはないし、料理が得意なわけではないけれど、だからこそ、簡単に作れそうな気がして気になっている。  メニューのタイトルも面白い。(何の料理かすぐに

          THE やんごとなき雑炊

          私の家の近くのグルメ

           家の周辺には良い食べ物屋さんがたくさんあることは、ひとつ自慢かな。  まず、ラーメン屋が家の近くにあって、ここは広島特有の醤油とんこつラーメンで、ミシュランにも掲載された。私はここよりも美味しいラーメンを知らない。スープはさっぱりした味わいなのにコクがあって、心地よく飲みほせる。麺も細麺でコシがあって美味しい。おにぎりと一緒に食べるのがおすすめ。  そしてお蕎麦屋さんも美味しい。店主が伝統のあるお店で修行して開いたお店で、おつゆもさっぱりしていて、手打ち蕎麦は濃厚な舌ざわ

          私の家の近くのグルメ

          コンタクトレンズを作った

           約10年ぶりにコンタクトレンズを作った。前回と違って1dayのコンタクトレンズだ。装着して自分の顔をまじまじと見る。肌が荒れているなあ、とか、顔がパンパンだったのが少し改善したか?などと考えたりする。  それにしても、眼科で作ってもらったのだけれど1400円だった。もっと費用がかかるかなと思っていたからよかった。    10年前に作った時にはコンタクトレンズの装着に40分くらいかかっていたけれど、今日久しぶりにしたら装着に5分、脱着に1分で出来た。  はやく一瞬で装着出来

          コンタクトレンズを作った

          《伝説》鬼の岩のほか

           角島ちかくには「鬼の岩」という岩が存在する。  この岩をもとに詩を書きたいと思っている。下記写真にあらすじが記されているが、簡単に要約すれば「鬼が村人たちに悪さをするので、朝までに島戸と角島を陸続きに出来たらなんでも望みのことをしてやろうという賭けをした。当初、村人は陸続きになどできないと思っていたが、鬼たちはつぎつぎに岩を海に投げ込んでいった。いまにも陸続きになりそうだったので焦った神様が鶏を鳴かせて、朝だと勘違いした鬼たちは負けを認めた。そのときに投げた鬼の岩が今も残っ

          《伝説》鬼の岩のほか

          歌うひと

          7月に刊行予定の詩集『白くぬれた庭に充てる手紙』に収録予定の「歌うひと」を公開いたします。ご覧いただけましたら幸いです。 歌うひと                          望月 遊馬 (魚群がいっせいに春のただなかを切り返す) わたしの父も 母も  波をこぼすように泣いた (声のなかに雪どけを感じる) (ほどけ、編み直し、くつがえされ) (星座の、すこやかな傾斜角) あなたに捺された 冬の消印は 夏の葉書きのなかにゆっくりと紛れた (この葉書きがあなたに届くこ

          ホラー映画もお化け屋敷も好き

           ホラー映画がかなり好きで良く観ていた時期があった。幼稚園の頃に伯母の家に遊びに行ったときに見せられたのがきっかけだ。その時見たのは「ゾンビ3」だった。(性的な描写もグロテスクな描写もあって、とても幼稚園児に見せるような映画じゃないけれど、伯母はぶっ飛んでたので、私は全部見ましたw)それから私もホラー映画が好きになって、当時はレンタルビデオショップの時代で、1本借りるのに300円とか、500円とかかかっていた時代だったのだが、母親にねだって見るのが楽しみのひとつになっていた。

          ホラー映画もお化け屋敷も好き

          夏休みデビュー

           夏休みデビューという現象がある。要約すると以下である。 夏休みデビュー(Natsu-yasumi Debut)とは、夏休みの間にクラスメイトの当人に何があったのか分からないが─容姿・性格・振る舞いが1学期の頃とは比べものならないほど変容すること、またその現象を指す。 早い話、夏休みが終わったら見知った人が「あなた、誰?」状態になること。グレた、DQN化したケースも多い。                      アニヲタWiKi(仮)より引用  私は夏休みデビューをし

          塾で算数のテストで0点をとったとき

           テストで0点をとるなんて、物語の世界でしかありえないように思えるけれど、まさか私が「のび太」と仲間だったとは思いもしなかった。今日は、そんなお話。そう、私は中学受験をするために小学校のときに塾に通っていたんだけれど、小学校4年生くらいから成績がどんどん下降していって、ある日の算数のテストでとうとう0点を取ってしまったのだ。勉強をしなかったわけではないし、真面目に授業も聞いていたにもかかわらずだ。もしこれが遊んでいて成績が落ちたのなら対策のしようがあるんだけど、真面目に勉強し

          塾で算数のテストで0点をとったとき

          男子校の生態(漫画:コンテくん)

           コンテくんが描いたコミックエッセイに『男子校の生態』がある。  「男子校あるある」が、さまざまなパターンで描かれている面白い漫画だ。ちなみにコンテくんと私は、出身学校が同じなので、漫画を読んでいると「あ、これはあの先生がモデルだな」と分かるところも興味深い。  タイトルにあるように「男子校」だったのだが、高校2年からは服装も自由で、髪を染めたり、ピアスをしているひとも見うけられた。  ところでコンテくんは吹奏楽部出身で、夏には吹奏楽部による定期演奏会が行われて、いつも満席に

          男子校の生態(漫画:コンテくん)

          詩集を出すのにむけて

           いろいろ準備しているところです。  いつも最善の準備を、と思いつつも、時間が経つと「ここはこうした方がよかったな」といろいろな考えが出てくるのはもちろん、思ったよりもうまくいっているかな?と当初の自己評価と比べて異なる結果になることはよくあることです。  広島の、さまざまな現象に、深く考察することが必要だなと思う。7月まで最善の準備をしなければなと思います。

          詩集を出すのにむけて

          人は見た目が十割

           初対面のひとと会った時に、見た目で判断されることはよくあることで、自分がどういう能力があったり、どういうことが苦手か、ということは、もちろん分からなくて、そのときの言動と外見が情報のすべてであるということは仕方のないことではある。  私の場合は「頭悪そう」「何も出来なさそう」って思われることが多くて、たぶん行動力がなさそうに見えるからなんだろうけれど、とても悔しい。悔しいのは、それはある意味では当たっていると思っているからなのだ。私が頭が悪いのはある意味では事実だし、何も出