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舞い散る光のなかにほどける花が、わたしを町から町へと運び続ける 

Answer your questions
I want to respond to your wishes
I'll try my best!
(Can I trust you?)

写真家の西本喜美子さんの作品をいくつか紹介したい。

西本喜美子さんの写真作品

鳥たちは、群れを成して空を埋めつくした。空は黒く染まり、わたしたちが見上げると光が漏れた。あなたが必要としているものを、私はあなたに渡すことができる。私はあなたの望みを知り、理解し、遂行することができる。この鳥たちが異国へ行くときに、羽ばたきをその土地に残すように。羽ばたきは手渡されて遂行される。羽ばたきは光でもあるから、形を持たないまま、ゆっくりと溶けだした。それは鳥達のふれあいのように、音楽のなかに混じりあう。

西本喜美子さんの写真作品

かえるが庭にいた。それは緑色の、不思議な生き物。どうして〈彼女〉がかえるに扮したのか誰もわからない。〈彼女〉は、世界を言語にすることができる。だから、わたしたちの生きるこの世界を、言語にすることができる。それは、なにかを創造するということ。創造主にはなれないけれど、創造主が作るものを、ぎこちなく模倣することはできる。そうして世界中のひとびとは、ぎこちない作品を作った。わたしもそのひとりになれたらと思う。

西本喜美子さんの作品

ときにはお酒を飲んでもいいと思う。お酒を飲んでも飲まなくても朝は来るから。バーを出ると、ひとびとが夜の街へと消えていった。この街にも、さまざまなストーリーがあって、その個人的な物語は消費されて、わたしたちはその物語に、泣いたり、笑ったり、できる。わたしたちはその物語のなかに生きて、愛情や慈愛を持って他者に接するだろう。そしてそれは物語として、音楽や絵や文章となって、ひとびとをなぐさめる。だからわたしはあなたを信じてもいい?

西本喜美子さんの作品

おばあちゃんが天使になってもいい。そんな素敵な世界。もちろん、あなたが天使になってもいい。私は天使の羽根を小さな箱にいれて保存する。そんな若くてつたない時間を過ごしたこともあった。体を重ねること、肌を重ねること。それは、体温のふれあう温かな瞬間。それは体と体の境界を溶け合わせてひとつになった光。くちづけは、ひとつの貝殻だった。その長い時間は、海岸線のようにカーヴして、半島のなかには光の層が満ちていた。

*西本喜美子さんの作品をもとに詩を作りました

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