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読書週間「あなたがいる場所」沢木耕太郎

ヘイヨーさんに、沢木さんの「深夜特急」という本をオススメしてもらっていたのですが、世界を旅する的な本で地理と世界史が苦手な私はちょっと無理そうだなと思ったので、代わりに同じ著者のこちらの本を読んでみようと手に取りました。

この本は9つのそれぞれ独立した短編ストーリーから成っています。沢木さんは、誰もが最後まで読める"わかりやすい短編小説"をコンセプトに書いたそうです。

<目次>
銃を撃つ
迷子
虹の髪
ピアノのある場所
天使のおやつ
音符
白い鳩
自分の神様
クリスマス・プレゼント

私の心がざわざわしたのは「天使のおやつ」と「白い鳩」でした。

たとえば普通の本であれば、推理物とか恋愛物とかジャンルが決まっているし、ある程度あらすじも書いてあるので、そういう気持ちと脳みそを作って読み始めます。

しかしこちらは短編ストーリー集なので、ジャンルも分からないしあらすじも載ってないし、読みながらこの話は一体どこに向かうのだろう?ほっこり系なの?悲しい系なの?怖い系なの?(びくびく)という気持ちでずっと読み進めていくわけです。

お化け屋敷的な感覚ですね。

「天使のおやつ」は、結構悲しいお話で、予想してなかった展開になったものだから、こっちの心の準備が出来ていなくてものすごい衝撃を受けてしまいました。

「白い鳩」は、いじめの話なのですが、読んでるとこっちまで腹が立ってきて、「もう私がこの子のクラスに乗り込んでひとこと言ってやる!」っていう気持ちが湧いてきて本をブチ破りそうになりました。

沢木さんは誰にでもわかりやすくということだったけど、「音符」なんて結構難しいなと思いました(;^ω^)

「音符」は、内容的にもちょっとドロドロした大人の話だったり、紫陽花の花の咲いている位置を五線譜の音符に見立てたり。
あ、でも絵本とか小学校の教科書の物語とかも擬人化やオノマトペがすごかったりして、結構難解か…
小学校の教科書準拠の問題集とかやると普通に答えわかんないですもん…


話をもどして。

この短編集全体を通して思ったのは、
どのストーリーも最後「じんわり心で感じ入る」「余韻を感じる」そんな終わり方が多いな、でした。

半沢直樹みたいにガーンとやられるけど、ガーンとやり返して、すっきりして終わる!みたいな展開にはならないです。

私は結構ガッツリとしたオチがあるのが好きで、自分で小説を書く時もガッツリ落とすタイプなので、こういうのもあるのか~と思いました。

ここはちょっと好き嫌いの分かれるところかな。


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