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弱視難聴の私がオンライン(Zoom等)を使いこなして

「オンラインはできません。チャットでお願いします」

数年前まで、私はオンラインのミーティング・面談等、全て自分にはできないものだと思い込んでいた。理由は、言葉の聞き取りが悪い難聴で、対面で会話するよりも、電子機器を通したスマートフォンなどの電話だと聞き取れないことが多いからだ。とくに低音は聞き取りが悪く、何度も聞き返すことに苦痛を感じていた。

だから、オンラインのミーティングや面談は全てチャットにしてほしい、とお願いしてきた。それが一番スムーズだと「思い込んでいた」のだ。

ところが、仕事や個人の活動でZoomミーティングを利用する機会が増えた。最初は、あれほど抵抗があったオンラインミーティングだったが、通常の電話よりも聞き取りやすいことがわかった。

それでも、完璧に一字一句漏らさず聞き取ることは不可能だ。

よく顔見知りの仕事関係の方々や、全くの初対面の人たち、さまざまな人と話すが、声質・声のボリューム・喋り方によって、対面のとき同様に「聞き取りやすい・聞き取りにくい」とハッキリ分かれてしまう。

最初の頃は、字幕機能を上手に使いこなせていなくて、聞き取れない場合は、対面時と同じように聞き返すことしかできなかった。Aさんと話しているときは一字一句聞き漏らさず、円滑なコミュニケーションができているのに、話し相手がBさんに変わったとたん上手くコミュニケーションが取れなくなる。そんな場面が度々あり、対面時と同じようにもどかしさや申し訳なさを感じることも多かった。

それがだんだんと字幕機能を上手に使いこなせるようになっていった。今では、聞き取れるときは、顔を上げて相手の声を聞き取り、聞き取れなくなったらすかさず画面上の字幕を読み取って理解する術を身につけた。

先日の対面での養成研修の際に、YYprobe(文字おこしアプリ)を利用して、ほぼ100%理解できたときと同じように、オンラインでも字幕機能を上手に使うことでしっかり参加できるようになったのだ。

以前は、自己紹介の場が苦手だった。皆が当たり前のように聞き取れる自己紹介を半分も聞き取れなかったから。自分の番がくることが怖かった。

でも今は、ちゃんと理解してちゃんと話せる。意見を言う時間や質問タイムがあれば、堂々と気になったことを質問できる。「他の人がもう質問した内容じゃないといいけど…」なんて心配することもなく。

そして、人と繋がりコミュニケーションを取ることのできる喜び。それは、聞き取りに悪さに悩み続けてきた私だからこそ、感じる喜びだ。

「オンラインはできません!!(電話もできないんだから)」

とあれほど拒んでいた私が、今オンラインに拒否反応がなくなって、むしろ好きになり始めている。それはすごく幸せな事。

できないと思っていたことができるようになる。

そんな喜びを噛みしめている。

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