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やりたいことをやりたいようにやるためには#42

昨年の10月末からアウトプットをすることで学びの質を高めることに取り組んできました。一人の人間としてどのように考え、生きるのか。“個”がキーワードで、たとえ会社に属していようともジブンという人間がどのように働き、立ち振る舞い、成果を上げていくのかが重要であることをひしひしと実感しています。

2023年12月27日の木下斉さんのVoicyで「フリーエージェント社会の到来(2002年)kindke版」という本が紹介されました。早速購入して読みましたが、そのレビューが書けずにおりました。今回は、この本を読んで考えたことと私がどのように行動していくのかについて書いていきます。


〇雇用の保障は“死語”

p.140からの、一人のフリーエージェント(リシ)が融資を受ける際のエピソードで、雇用の保障は死語になっていくことが書かれている。本書が書かれたのは2002年。1998年のアメリカの失業者は年間130万人で10年前と比較するとおよそ6倍。この時点で既に会社の終身雇用は見込めない状況だった。一つの企業で勤めあげるのではなく、様々な仕事をこなしていく必要がでてきた。

これは日本でも同様のことが言える。戦争に敗れ、その後高度経済成長期を迎えた日本は労働力が求められ、多くの国民が会社員となっていった。それまでの日本ではほとんどの国民が会社に属するのではなく自営業(農業など含む)だった。それぞれが商いをやり、地域経済を動かしていた。野村正實(2016)によると江戸時代においては雇用されていたのは就業者の8.6%だったという。現在の日本の会社員比率は9割を超す。およそ100年の間に大転換が図られたものだ。

社会政策 第8巻第1号(通巻第23号)より

日本の倒産企業から見出した平均寿命を見てみる。東京商工リサーチが出したデータでは、2022年時に平均23.3年だ。あくまでも平均値のため、30年以上の老舗企業もまだまだ残っている。このデータを見るだけでも、終身雇用は当に破綻していることが分かる。ちなみに、アメリカの1955年の企業平均寿命は65年だったが2015年には15年と、なんと60年も短くなっていることには驚いた。

平均寿命23.3年 ~2022年 業歴30年以上「老舗」企業の倒産~

〇組織の最適化=個人を犠牲にする

私も会社という組織に属しているからよくよく分かる。会社という構造上、当たり前といえば当たり前かもしれないが、個人の行動規範は会社という組織のルールに則る必要がある。組織は実体のないものであり、所属している一人ひとりによって目に見えない形としてそこにあるものだ。会社の理念や年月の積み重ねによってつくられてきた規範を土台とした行動が求められる。(言われもしないが自然とそういう行動をとるようになる)

会社の目的は、会社のミッションを達することだ。そのために、個々人が考え行動する。会社の看板に泥を塗るような人や無能な人は退き、組織として最短距離でミッションの到達を目指す。そこで置き去りにせねばならないのが個性だ。今までは個性を押し殺し、会社の発展に尽くす姿が有能なサラリーマンとされてきたし、皆それを実行してきた。

本書では、そういう中でも個人がどのようなマインドセットで働くかが重要だと書かれている。仕事をこなすのも、営業して仕事を取ってくるのも結局は個人である。だから会社という特性を頭に置きながらも、その中でジブンという存在を表出させながら生き抜いていく姿勢が必要だ。それはフリーエージェントに限らず、サラリーマンであろうが主婦であろうが“個”の表出が人生をより良いものにしていく。

〇何よりもアウトプット

情報であれ、環境であれ、医療・福祉であれ、コミュニティ・ビジネスであれ、今後成長が期待される分野に共通する法則がある。それは、「与えた者こそが与えられると」いう法則だ。

フリーエージェント社会の到来p.10

情報を発信する人ほど、貴重な情報が集まる。医療や福祉の分野でも、他者を癒そうとする人が最も癒され、ケアする人ほどケアされる。フリーエージェントも、まずは宣言し、みずから行動を起こすことが何よりも必要だ。それがあって、はじめてチャンスやヒントは集まってくる。

同上p.11

読んでわかる通り、まずは行動することが重要だ。give-and-takeと同じで、まずはgiveなのだ。世の中はそういう仕組みで回っているから、そこに逆らったところで意味がない。自分の学びを高めたいのなら、まずすべきはアウトプットなのだ。

●日本の教育システムや会社勤めに疑問を持つ

とても共感するところがあった。

子どもでも大人でも、学校や職場、家庭で自由を奪われ、賞罰のシステムを押しつけられると、やる気を失い、学習や仕事に喜びを感じなくなる。

フリーエージェント社会の到来p.354

「朝早く起きて出勤するなんて、まったく気が滅入る。家でやれば3時間ですむ仕事を、オフィスで8時間もかけてやるなんて、勘弁してほしい。」

同上p.370

仕事とは何かを考えたときに、この文章は共感しかないと思った。圧倒的に個が抑制された組織の中では、余程に感情を押し殺すでもしない限りは心が持たないだろう。仕事は、困りごとを解決することだと思っている。誰かの役に立つとか、感謝されることを通して仕事をしたという実感を得ることができるものだ。そういう意味では、ジブンが仕事におけるあらゆる場面に権限をもつことができる環境を整備する必要がある。

今や手段の目的化がいたるところで見られる。仕事も例外ではない。会社が定めた定時を守ること。就業時間内は職場にいなければならない。仕事ベースではなく、規範ベースになっている。仕事が終われば帰るし、早朝に仕事がなければ仕事に合わせて行動する。

今の世の中でそれらを実行するには、やはり会社に所属していては叶わない。自分自身の価値を高め、提供することができるように。先を見越して、今は会社に属しているが“個”を磨いていきたいと思う。

自分がやりたいことをやりたいようにやる。

これがいちばんだ。

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