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【ASD/療育】「育てにくい子」と言われなかったら気付かなかった長男の個性(2)

保育園の1歳児クラスで療育をすすめられた長男の話、続きです。

帰宅した主人に長男がテストでヤバかった様子、最後に療育をすすめられた話をしました。
「えぇっ、長男って”そういう子”なん?!」とびっくりしていました。
”そういう子”というのが具体的にどんな子なのかを話したわけではないのですが、私たちの中では「周りとはちょっと違う子」というニュアンスです。

検索魔に

主人が帰宅するまで、私はスマホで「発達障害」について検索魔になっていました。特徴がたくさん出てきましたが、当てはまるもの当てはまらないものがあり、本当に療育を受けるべきなのか、長男は”育てにくい子”なのか、調べれば調べるほどよくわからなくなりました。言われてみれば発達障害っぽいけど、街中で駄々をこねたり泣き叫んでる子供ってよくいるじゃないか。あれも発達障害なのか…?うーん…。
調べたり悩んでいるうちに、自然と「発達障害とは言い切れない理由」を探すようになっていました。

児童発達支援センターへ療育の申し込み

療育を受けるにあたり、まずは児童発達支援センターでもう一度発達検査を受ける事になります。児童発達支援センターへは自分で療育を受けたい旨を連絡し、申し込むことになります。保育園と児童発達支援センターは、別管轄のようです。

「保育園で心理士さんに療育をすすめられたのですが…」
「お母さんが、”育てにくい子”だなと思うのはどんなところですか?」

ここでも”育てにくい子”というワードが出てきて、複雑な気分です。
「一人で遊んでいる事が多い」「癇癪が多い」あとは先生から教えてもらった保育園での様子や、発達検査を受けた事などを説明しました。

「そうなんですね、お母さん大変でしたね。一度お子さんの様子を見たいので、一度検査をしたいのですがお子さんの生年月日を…」と、結構すんなり話が進んだ事にも驚きましたが、発達検査は予約が多く、実際に検査するには2~3か月ほどかかる予約待ち状態との事でした。この時私は次男を妊娠していて、2~3か月後にちょうど出産を控えていたため、事前に電話面談したのちに出産後改めて対面面談の日程調整をする事になりました。

周りのことは気にしない、明らかに目立つ長男

支援センターへ連絡したあと、年度末に1年の集大成である保育園の生活発表会がありました。保育園での活動の様子を見れる貴重な発表会です。
この時はコロナも収まっており、保護者2名が参観に行ける事になっていたので夫婦でプログラム表を手に、保護者席につき、どんな事をするのかな…とドキドキしながら発表会が始まるのを待ちました。
先生の挨拶が終わり、ステージの幕が上がると、衣装を着て並んで座っている子供たち。うちの子どこかな…と探していると、ステージの反対側の隅に私服で立って先生の隣でそわそわしている長男がいました。
うちの子だけ全然参加していません。しかもめちゃくちゃ変に目立っています。
同じ衣装を着たグループの子たちで自分で名前を言って、滑り台を滑っていく…という発表だったのですが、他の子が自分の名前を発表している後ろでうちの長男はカニの真似をしてステージを右往左往横移動したり、滑り台をさかさまに滑って見たり、滑り台のてっぺんに立って様子を見ていたり。あなた何者なの…?という立ち振る舞い。立派でした。立派に目立っていました。保護者席で私は一人、青ざめていました。

そうか、他の子は、ちゃんと衣装着るんだ。
他の子は、周りの様子を見て、やるべきことがわかるんだ。
他の子は、自分の名前言えるんだ。
他の子は、先生の指示に従うんだ。

担任の先生が私に発達検査を受けるよう促すほど、いかに毎日苦労してきたかが分かった気がしました。
周囲を気にせずマイペースに遊ぶ長男の個性は面白くもありましたが、ここまで指示が通らないのであれば、集団行動する上では確かに療育を受けたほうがいいのかもしれない。と、療育に対する考え方が定まってきました。

発表会終了後、親子3人でいると、担任の先生が声をかけてくれました。
「長男君、すごかったですよ!すごくがんばってました!」
「えっ…何もできてなかったですけど」
「練習の時はステージにも上れなかったんです。ステージにあがってくれただけでもすごくがんばってくれましたよ!」

こんな事でこんなに褒めてくれるんだ。と、先生と私にものすごい温度差を感じました。
自分の子供が保育園に通うようになって、保育士さんの存在がいかに有難いかを思い知った私でしたが、特にうちの長男の特性や個性が目立ってきてからの保育士さんの創意工夫には頭が下がる思いでした。

帰り道、主人と話しながら帰りました。
「なんか、多分まわりにうちの長男はちょっと違う子ってバレたな」
「こんなに他の子と違うんやね」
「ステージの後ろでカニ歩きしてんのめっちゃ邪魔でわろた」
「ほんまヤバかった。ちゃんと撮れた?」
「あそこ撮れてないかも」
「よその子の動画には映ってるんやろな」

検索魔になったり思い悩んだりして一人ブルーになる私とは対照的に、なんでも笑い話にする主人に救われるのでした。

続きます。

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