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【ASD/療育】「育てにくい子」と言われなかったら気付かなかった長男の個性

今回は、3歳になる破天荒長男について書いていこうと思います。

長男は現在、保育園の通園と並行で週1回、1時間ほどの療育を受けています。保育園は毎朝「行かない!」と泣きわめいているところ無理やり抱っこで連れていかれるのに対し、療育へ行く日は自ら進んでお気に入りのリュックを背負い、ご機嫌で車に乗り、到着すると「着いたね!降りよう!」ととても楽しそうに通っています。

きっかけ

タイトルにある「育てにくい子」というワードなんですが、私は長男を育児してきて、自分で「この子、育てにくいな」と思った事はありませんでした。
「子供ってめっちゃ元気やなぁ」と思っていました。

一番最初のきっかけは、1歳児クラスの担任の先生に「一度発達相談を一緒に受けてみませんか?」と言われた事が始まりです。
それ以前に、「着替えを嫌がる」「ごはんを自分で食べない」など先生から「家ではどうしていますか?」と相談されたり、癇癪の対応など面談をする機会は何度かあったのですが、我が家では長男が第一子でしたので、「こどもってこういうもん」「やんちゃな男の子」程度にしか思っていませんでした。
また、「男の子って言葉遅いっていうから大丈夫」というなんの根拠もない言葉に安心していたので、言葉の遅れもそこまで気にはしていませんでした。
ちなみに、長男が私を「おかあしゃん」と呼ぶようになったのは2歳半頃です。それまでは「せんせぇ」と呼ばれていました。保育園の先生とごっちゃになってるなー、ぐらい呑気に受け止めていました。

大騒ぎの発達テスト

保育園に心理士さんが来て、カードや図形、積み木を渡して指示するというテストをしてくれたのですが、1歳児健診の頃にやったものとほとんど同じ内容でした。1歳児健診の時の長男の様子は、おとなしく椅子に座り話を聞いているようでした。「〇〇どれかなぁ?」とイラストを指差すテストはほとんどできませんでしたが、目の前に並べられた積み木はサッサと高く積んでいたので特に問題なし。なので、心理士さんの前でも同じようにできると思っていたのですが、平日昼間の保育園にお母さんが来た事でテンションが上がっている長男は、まったくじっとしていません。私が座っている椅子の下へもぐったり、ワンワン!と犬の真似をしてイラストカードを咥えたり…
「ちょっと、ちゃんと座って!」と言っても笑顔で寝そべり、心理士さんが「この人形をここに…」とテスト内容の説明をしているそばから、人形をくれくれと手を出したり。図形合わせのテストはできたので安心したのもつかの間、飽きてきた長男は私のバッグを持って、もう帰ろうという仕草です。
わが子ながら、ここまでめちゃくちゃな長男は初めてだったので圧倒されていたのですが、そんなこんなでテストは終わり、長男は再び教室へ帰る事に…。
お母さんと一緒に帰れると思っていた長男は大泣きしながら先生に抱っこされ、教室へ戻っていきました。
中型犬が乱入してひと暴れして去って行ったかのような騒々しさでした。

長男が退室して、言われたのが、タイトルです。

「お母さん、この子は”育てにくい子”です。大変でしたね。」

大変と言われれば大変でしたが、育児ってこんなものだと思っていたので、正直びっくりしてしまいました。
そして困惑しました。
えっ、他の子ってこんな大変じゃないの?と。

コロナ禍で身近に比較対象の無い育児

長男は2019年の春、我が家の第一子として生まれました。
生まれた直後からベテラン助産師さん数名に
「この子よく泣くなあ!」
「退院してからお母さん病んでしまわないか心配」
と言われるほど長男の癇癪はすごかったのですが、これが特性なのか個性なのかはわかりません。よくミルクは飲み、身長も体重も成長曲線にギリギリ収まるガタイの良さだったので、「よく飲みよく泣くでっかい元気な男の子」でした。
生後半年頃から新型コロナが本格的に流行しだし、通っていた育児ひろばや育児イベントも次々と中止。保育園の入園式も中止になり、懇談会や参観日も中止…と、同年齢の他の子を見る機会がほとんど無い私にとっては、うちの長男がスタンダードでしたし、初めての育児だったので「育児ってこんなもん」「よその多分こんな感じ」と思っていました。

診断結果

「育てにくい子」と言われた事に困惑していると、さっき受けたテストのフィードバックが始まりました。
「まず、社会性が著しく低いです」
ズギャーン!ですよね。漫画だと集中線を背景に背負うほど衝撃的だったのですが、実際は静かにショックを受けていました。
話をじっと聞くことができず、指示も通りにくい。
積み木や図形合わせのテストができたのは、説明を理解して作業したのではなく、積み木や同じ図形のイラストを見て、こうするのかな~?と推測でやったら合ってた。という事らしいのです。
社会性…と聞いて、担任の先生が「いつも一人で遊んでいます」と言っていたのはこの事か、と思いました。
親や先生など「大人の人」は自分の言いたいことやしたい事を汲み取ってくれるけど、同級生など「こども」はそうではないので長男はコミュニケーションが難しいのだそうです。
他人に興味・関心が「無い」とは言わないまでも、「関心が薄い」というのが長男の特性でした。

今は園児数名につき先生が1人と手厚く見てもらえるけど、この特性は、今後、進級や進学をしてコミュニティの人数が増えていくにつれて「困りごと」が増えていく事が懸念される。もっと「人と遊ぶと楽しい」という関わりについての体験が必要との事で、療育を勧められました。

自分のこどもが療育をすすめられる事について、ショックを受けたり、いろんな感情を持つ保護者が多いのかな。あくまで無理強いはしませんよ、でも早期に療育を始めた方がいいですよ、というアドバイスの仕方でした。

「私、正直、この子が育てにくいって思った事は無いんです。でも、保育士さんやプロの目から見て療育を受けたほうがいい子なのであれば、療育を受ける事は前向きに考えたいと思います。」

私は療育について全く知識がありません。療育でどんな事をするのかも全くわからないので、「うちの子に療育は必要ありません」とも「そうなんですね、ぜひ!」とも返答は出来ませんでした。ただ、個性が矯正されなければいいな、とモヤッとしたものが胸の中に芽生えました。


すみません、長くなったのでまた次回、児童発達センターでの再テストや申し込み、療育を受けると決めた決定的な出来事を書きたいと思います。

次の話↓


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