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「うさぎとカメ」のカメが歩むことで、私たちに教えてくれた本当のこと。


有名な童話、うさぎとカメのお話は、

「能力があっても怠けている人は、
苦手なことでもこつこつと努力している人には敵わないよ。」

当初、そのような教訓が込められた昔話だと思っていた。


それに対して、私は
「苦手なことを頑張り続ける姿を見せるのは、
感動のストーリーかもしれないけれどさ。

うさぎが寝るなんて、偶然だったし
相手が怠けることに頼って
絶対に勝てると思って努力し続けることって
本当にいいことかなあ」


と、少し斜に構えて、この教訓を捉えていた。






親になり教育の視点も含めて、この童話を振り返ってみると、
実は、今まで思っていたのとは違った教訓が、そこにあるように思えた。

見えもしないほど、遠く先にあるはずのゴール。
ライバルのうさぎは、明らかに自分よりも早くて要領がいい。
周囲の誰しもが「うさぎが勝つだろう」と思っている。


そんな状況の中で、カメは一匹で闘い続けている。


その間に

「僕、うさぎに走りで勝てるわけがない。」
「それでも戦う意味があるのだろうか。」

とは、本当に思わなかったのだろうか・・・。



カメは、こんな状況の中でどうやって

「僕は僕らしい歩みで、最後までゴールしてみせる!!」

と、諦めない心を持ち続けて、歩みを止めないことができたのだろうか。



カメは、決して早く走ろうとしたわけではなかった。
そもそも走る速さで競争しようとは思っていなかったわけだ。


ゆっくりでも歩み続けることこそが自分が出来ること、
それが得意なことだと自分を信じ、歩みを止めずに継続した。


実はこのモチベーションを維持する力こそ
この童話の素晴らしい教訓であり、
このカメの最大の魅力ではないか。


それこそが、この物語の教訓だと思うようになっていった。




己を知り、己の得意を生かして
そこに一点集中して、
努力するエネルギーを最大限に使い続けること。



これは、
今までの育児の経験からも深くうなづける。

個性のある子の子育てをしていると、

「全部を平均的にみんなと同じようにしようとする事は、
本人が疲れすぎてしまって、本当に大切なものを
見失ってしまう」と思う事がある。


息子は、文字を読むことも書くことにも苦手がある。



そこで、
・文字を1時間、書く練習することと、
・タブレットでの文字入力を学んだり
国語の文章の組み立てや論理的思考について1時間練習すること


私は圧倒的に「後者に1時間使った方がいいじゃん」と思っている。

そうして、大事なものから優先して考えようと発想を切り替えて、
みんなと同じではないけれど、
実はなくても困らないものを削ぎ落とすことで、
実は本当に大切な事が見えてくるように思う。

それは実は、子育てや親が生きていく時にも大切な視点で、
目の前の日常に埋もれて見えなくなっていた大切な事を教えてもらえる。


その結果見えてきたものが、

先ほどの



己を知り、己の得意を生かして
そこに一点集中して、
努力するエネルギーを最大限に使い続けること。


だと思うのだ。





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