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養護者に向き合う 濃さ

訪問看護では、たまに遭遇することがある。
先日こんなケースがあった。
典型的な老々介護の夫婦
青アザになっているため聞いたところ、
「叩かれた」 。。

高齢者の虐待について、どんなイメージをお持ちですか?

わたしは、重たい、暗い、悪い、暴力、暴言、圧迫、
ほかには介護、ケア、大変、辛い、苦しい
という悪いイメージが先走ってしまいます。


令和4年度
「養護者による虐待」は、相談・通報件数が38,291件(同比1,913件増)、虐待判断件数が16,669件(同比243件増)であり、相談、通報件数は過去最多で10年連続増加、虐待判断件数は横ばい傾向となっている。

厚生労働省より

令和4年度の相談通報件数は約38000件、これは顕在化した部分のみであり、目に見えないところではもっと多くの件数となるだろう。

虐待の種別は5つに分類される。
①身体的虐待
②介護等放棄
③心理的虐待
④性的虐待
⑤経済的虐待

①の身体的虐待が約7割と多く、内容は暴力的行為、乱暴な扱い、身体拘束などである。


お話しのつづき。

叩かれたご本人に伺うと
薬が無かったから、用意して飲もうとしていた。
勝手にするな と怒られた。叩かれた。

薬はいつもお薬カレンダーに入れてるが、たまたま入ってなかった。
お二人に認知症はあってもわずかだ。


わたしは叩いた養護者に、はなしを聞いた。
が、はっきり答えてくれなかった。

被害にあった方に目を向けがちだが、
養護者について考えたい。


支える人(養護者)にも、背景がある。

虐待要因として
1位 介護疲れ・介護ストレス
2位 虐待者の介護力の低下や不足
3位 孤立・補助介護者の不在等
があげられる。

厚生労働省より

この方も
介護の疲れ、負担である。

その夫婦も、介護負担を減らすためにショートステイやご家族による支援は行われている

話を聞いていくと、
薬を用意出来ないからやってあげた

ご本人からは、それくらいは自分でやりたい。
というお互いに、認識のズレがある。

全て先回りして介護してしまう、それが負担となるなら
本人に任せることが、必要ではないか。
任せたとしても本当に出来ているのかと、見守る負担も増えてはしまうが。

薬の用意は、今まで通り用意する/用意されることとなった。
結局、解決することはできなかった。


支える人(養護者)
支えられる人(要介護者)
わたしは常に真ん中にいて、どちらの味方でもない。
真ん中の位置で、どちらも見守る必要があること。

見守ると言っても、そのままにせず、メッセージを送ること。
そばにいること。耳を傾けること。

真ん中のわたしは、どのくらいの濃度、濃さで関わっていけば良いか。
濃いめより、薄すぎない程度か
で向き合いたい。

お二人とも
孤立、孤独にしないように


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