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ダークマターと恋愛マスター

しりとり式にテーマの言葉を連鎖させていく掌編小説。
テーマは、スレンダー に続き 「ダークマター」 です。

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ダークマターとは、
「質量は持つが、光学的に直接観測できない」仮説上の物質らしい。
間接的にその存在を示唆する観測事実は増えているものの、正体は未だ不明とのこと。

要するに、そこにあるって感じはすっごい分かるんだけど、なんだこりゃ見えねぇな、ってものだ。(と、わたしは解釈した。)

わたしが色んな話をすぐ自分の興味に引き寄せちゃう癖があるだけなのかもしれないが、これはまさにだ。

自分に何か変化が起きたわけではない。
鏡を見てもいつものわたしだし、身長も体重もいつも通りだ。
だけれど何だかいつもより目覚めがいいし、チョコレートだって食べたくならないし、何よりとっても気分がいい。

何かは分からないけど、少し前にはなかったはずの何かがわたしの中にあるのは間違いないのだ。
みんなには見えない、わたしをわくわくさせるものがここにある。

それに、間接的な観測事実とやらもちゃんとある。
スマホを気にする回数も増えたし、あなたがそこにいるかいないかで心拍数は断然違う。

ダークマターっていう名前があんまり可愛くなくてちょっと不服だけど、
恋っていつでも可愛いだけじゃない。
黒くて嫌味で可愛くない自分も、何度だって登場する。

そんな自分とも上手く付き合っていくから、
誰にも見せたことのない表情を、わたしだけには見せてほしいな。

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次回は
ダークマター → 「ターンテーブル」です。
友人の、ミナミガワ(@minami_gawa)が担当します。

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