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2020年 映画ベスト10 (日本映画編)

毎年、年末に決めているその年の映画ベスト10。
ボクは洋画と邦画を分けてそれぞれでベスト10を選出していて、前回のnoteで「外国映画編」を投稿しました。

今回は、「日本映画編」となります。


10位 『なぜ君は総理大臣になれないのか』

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2020年 日本 119分
監督:大島新
出演:小川淳也

めちゃ面白い政治ドキュメンタリーです。
こんな人がいたのかって感じで、とっても熱い真っ直ぐなタイプの若手政治家なんですが、自身の政治信条と母体政党が解体や合流を繰り返すという理想と現実の苦悩や時代に翻弄されている姿がさらけ出されてます。

その17年間をとらえていて家族も大きくなるし、娘たちが応援してくれる姿に涙しちゃいます。一人の人間を見ていてこんなにも面白いのか。

ここから日本の政治のあり方や選挙のシステムなど色々と見えてくるものがあります。


9位 『アルプススタンドのはしの方』

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2020 日本 75分
監督:城定秀夫
出演:小野莉奈、平井亜門、西本まりん、中村守里、黒木ひかり、他

これは掘り出し物です。インディーズ作品なので公開規模はすごい小さいので観てる方少ないと思うんですが、めっちゃ面白いです。

甲子園の「アルプススタンドのはしの方」にいる母校を応援に来てる生徒たちの話なんですが、もうここのワンシチュエーションのコメディです。

"はしの方"にいるだけに訳ありの生徒たち。その会話劇で繰り広げられます。そこから見えてくる人間関係だったりが面白い!
元ネタは、高校演劇で有名な演目だったとか。


8位 『ドロステの果てで僕らは』

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2019年 日本 75分
監督:山口淳太 脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
出演:土佐和成、朝倉あき、藤谷理子、他

こちらもインディーズ作品でワンシチュエーションの傑作コメディです。

カフェとその二階にある自宅のモニターがなぜか2分間の誤差でリンクし、、という謎のシチュエーション。
そこからそのわずかな時間差を使っていろんなことが巻き起こる!

これも舞台っぽいんですが良くできていて楽しかったです。


7位 『佐々木、イン、マイマイン』

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2020年 日本 119分
監督・脚本:内山拓也 脚本:細川岳
出演:藤原季節、細川岳、萩原みのり、他

この青春映画はいいですよ。
昔こんなだったな〜、っていう懐かしさと郷愁があります。

いつも一緒につるんでたのにアイツ今何やってんだろ、
周りはみんなちゃんとしてきてるのに、オレは、、、

そんな迷いや現実や、昔の思い出、そこからの成長。
すごく映画的に持ってきたラストまで含めてすごい好きだった。


6位 『海辺の映画館 キネマの玉手箱』

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2019年 日本 179分
監督:大林宣彦
出演:厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子

こちらは、大林宣彦監督の遺作です。
余命3ヶ月の宣告を受けてから3年以上も映画製作を続けてついに完成させたのがすごい! しかも当初の公開予定日にお亡くなりに。

映画を愛し、映画に愛された巨匠の映画愛と生涯のテーマである反戦の想いが詰まったまさに集大成的な大作でした。

この大ベテランが誰よりも攻めた作りをしてるのが本当にすごいです。



5位 『37セカンズ』

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2019年 アメリカ、日本 115分
監督・脚本:HIKARI
出演:佳山明、神野美鈴、大東俊介、渡辺真紀子、熊篠慶彦、萩原みのり、渋川清彦、石橋静河、宇野祥平、奥野瑛太、板谷由夏、他

これはもう泣きながら観てました。すごい良い映画です。

出生時に37秒間呼吸が止まっていたことが原因で脳性麻痺になった主人公を同じく障害を持ちオーディションで選ばれた佳山明が好演!

障害者に対する「見えない壁」を鋭く描き、かつ「守られて」育った主人公がその外側に一歩を踏み出し、心が解放される瞬間を見事に描いた傑作。

すごくポジティブな作品で、脇を固める俳優たちもみんな素晴らしい。


4位 『朝が来る』

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2020年 日本 139分
監督・脚本:河瀬直美 原作:辻村深月
出演:永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子、他

養子を受け入れて生活をしていた夫婦のもとにある日「その子は私の子です。返してください」という女性が現れる。しかし夫婦は「私たちは産みの親に直接会っています。あなたは誰ですか?」と言う。

これめっちゃいい映画で、ボロ泣きします。
彼女は誰なのか?というミステリーなストーリーもとても上手なのですが、養子を受け入れる側の夫婦の事情や、子供を養子に出さざるを得なかった事情、その両者をマッチングさせるNPO団体など、それぞれにドラマがあってすごく考えさせられるし、映画としてとても面白い。

河瀬直美監督は、『あん』がすごく好きなんですがそれ以来の傑作。


3位 『音楽』

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2019年 日本 71分
監督:岩井澤健治
出演:坂本慎太郎、駒井蓮、前野朋哉、芹澤興人、平岩紙、竹中直人、岡村靖幸

このアニメは面白い!!
もう絶妙な「間」がサイコーなんです。 ヘタウマで無表情なキャラがボソッと何か言ってあんなに面白いなんて。

この感じで「音楽の初期衝動」をこれだけ感情的に伝えられるってなんだかよく分からないけど本当にすごい。

岡村ちゃんの使い方もまさかまさかのサイコーすぎる演出でとっても良かったです。


2位 『ラストレター』

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2020年 日本 121分
監督・脚本・原作:岩井俊二
出演:松たか子、福山雅治、広瀬すず、森七菜、神木隆之介、庵野秀明、豊川悦司、中山美穂、他

もうさすが岩井俊二です。 最初この映画のポスターを見たときは豪華キャストが売りの邦画大作ラブストーリーな感じがしてなんか遠ざけてしまっていたんですが、岩井俊二だし観ておこうと思ったらビックリの傑作でした。

ちょっとしたかけ違いから、手紙を通して2世代に渡って広がるラブストーリー。

映像の切り取り方とか、少女の瑞々しさとか、いちいち全部キレイで秀逸。
さすが岩井俊二。なぜもっと早く観なかったのかと後悔したほどです。


1位 『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』

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2020年 日本 120分
監督:豊島圭介
出演:三島由紀夫、芥正彦、木村修、橋爪大二郎、他

これは衝撃の面白さでした。

三島由紀夫って怖いイメージしかなかったんですが、勝手な先入観が完全に覆されました。

火炎瓶を投げまくっていた学生運動の時代に、思想の全く異なる東大全共闘の本拠地に、三島が単身乗り込んで討論会をするという。
右翼 対 左翼
保守 対 革新
一人 対 千人

この正反対な両者が対決して、無事では帰れないようなシチュエーションでどんなにことになるのやら。

ところが、三島の学生に対しても敬語を使い、相手の話をしっかり聞いてから受け答えする姿勢、そしてユーモアのあるやり取りに徐々に学生も観客も引き込まれていってしまう…

しかし、そこに東大一の論客と言われる男が立ちはだかる!
もうこの展開がたまらなく面白い。
よくぞこの映像を残しておいてくれた。
しかも、当時の学生たちがおじいさんになってあの時のことをインタビューで答えてる映像もあって、さらに楽しめます。

結局、この衝撃が最後まで続いて一位となりました。


インスタはじめました!

つい最近インスタのアカウントもつくりました。
まだつくりたてのホヤホヤ状態でして投稿もほとんどありませんが、こちらでも映画に関することを発信していきたいと思っていますので、ぜひフォローもしていただけるとありがたいです。


最後に

昨年も250本以上は映画を観てきたので、そこから選んだ10本なので順位はつけていますがもうみんなトップの作品たちです。

レンタルが始まっている作品も結構ありますので、またコロナで映画館に行きづらい感じになってきてしまっていますが、自宅で楽しむ作品選びの参考に少しでもなれたら嬉しいです。

外国映画編もありますので、ぜひ併せてご覧ください。


最後までありがとうございます。



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