【おやじ】横山秀夫から池井戸潤へ。おやじドラマは渋い苦味から勧善懲悪へ
おじさんのドラマがまだ青かった頃…。
『クライマーズ・ハイ』
毎年、8月には、
横山秀夫さん原作の
NHKドラマが見たくなる。
中身は、御巣鷹山の
日航機墜落事故を追う
群馬の地方新聞社の
記者たちの葛藤劇。
制作は2005年です。
御巣鷹山事故の
臨時全権デスクを
佐藤浩市がリアルに演じ、
貫禄あるバイプレイヤーが
びっしり脇を固める、
NHKドラマの名作。
まだ無名の高橋一生が
いい役をしてる。
1985年の新聞社の
編集局の再現が半端ない。
映画では、堤真一が主演で
2008年に公開されましたが、
佐藤浩市の方が、
地方新聞社の記者の
プライドの揺れ具合が
実に見事に再現されてる。
たしか、横山秀夫さんも、
作家になる前、地方新聞の記者を
してたからだろう?
全国紙への劣等感や
地方紙としての自負が
ない混ぜになって
日々、同僚や後輩らと
張り合いながら紙面を
作っていく…実にリアルだ。
書くという行為に傷つき、
また誰かを傷つけてしまう
メディア人間の宿命。
その怖さから
目を反らすな、じっと怖さと向き合い
記事を書き続けろ!
そんなメッセージが熱く届く。
横山秀夫の作品は苦味が凄い。
『半沢直樹』の池井戸潤は
明らかに、横山秀夫の苦味を
カジュアルな感動ものに変え、
勧善懲悪にしている。
確かに、毎週、横山秀夫では、
ちょっとお腹がもたれるけど、
池井戸潤では
勧善懲悪過ぎる気もする。
男たちのドラマとしては、
次の作家が、
第2の池井戸潤がそろそろ
欲しくなってきたかな。
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