見出し画像

【推薦図書】私の大江健三郎ベスト10

極私的な大江健三郎ベスト10!!
 
逝去を期に、今、非常に売れてる
大江健三郎作品。
本当ならば、大江さんが
生きてる間に売れて、
大江さんを喜ばせたかったなあ。

勝手にベスト10冊を考えてみます。

①「個人的な体験」新潮文庫
中期の大江さんの記念碑。大江セカンドステージはここから始まる。頭部に障碍を抱えた子供が生まれて、絶望しながら、子供を愛せる親になる覚悟を持とうと前を向いて歩き出す主人公は、大江健三郎自身に重なる。

②「静かな生活」講談社文芸文庫
読みやすさでは抜群。長女の視点から父の健三郎を見て観察するゆえ、普段の大江作品に必須の難解な言葉がない。大江作品で画期的な作品。

③「河馬に噛まれる」講談社文庫
革命を目指す青年の挫折がテーマ。連合赤軍がモデル。

④「飼育」新潮文庫
やはり初期の作品は大学在学中、23 歳で書かれ、芥川賞にも輝いた、自意識を見事に文字に起こした、瑞々しさ。映画にもなりました。

⑤「ヒロシマ・ノート」岩波新書
核問題を常に意識していた大江が、当時のヒロシマを何度も訪れ、戦後なのに、まだ傷跡が癒えない現状に立ち向かう。

⑥「万延元年のフットボール」講談社文芸文庫
おそらく文壇や文学史では、大江健三郎作品ナンバーワンとされている、記念碑的な作品。テーマが狭くなりがちな大江作品にはない壮大さがあります。

⑦「暴力に逆らって書く」朝日文庫
サイードやソンタグ、グラスなど世界の作家との往復手紙集。暴力と戦争について、手紙で語り合う本は読みやすい。

⑧「大江健三郎 作家自身を語る」
新潮文庫
自伝というより、良き聞き手の尾崎真理子が大江文学についてインタビューしたドキュメンタリー的な対話。

⑨『「話して考える」と「書いて考える」』集英社文庫
これは、何度も行った講演を集めた、とても読みやすく、ユーモラスな一冊。

10 「空の怪物アグイー」新潮文庫
これは大江文学の名作「個人的な体験」の短編作品。障碍をもって生まれた子供とどう向き合うか?そのテーマを最初に描いた短編。

以上は、あくまで、すぐに挫折してしまう私がどうにか読み切れた作品で、ベスト10です。あくまで私の独断です。ご了承ください(笑)。

この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?