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【読書】書評は、自分の人生をどこまで物語化できたか?を語るコラム?

書評集が好き。
作家や批評家やエッセイストが
オススメ本について語る本。

思い付くのでいうと、
須賀敦子「本に読まれて」
小川洋子「博士の本棚」
角田光代「ポケットに物語を入れて」
三浦しをん「本屋さんで待ちあわせ」
川上弘美「大好きな本」
米原万里「打ちのめされるような
すごい本」
村田沙耶香「私が食べた本」
又吉直樹「第2図書係補佐」
澁澤龍彦「澁澤龍彦 書評集成」
澁澤龍彦「西欧文芸書評集成」
筒井康隆「読書の極意と掟」

こうした書評集で、
書いた作家の好きな本や傾向がわかる。
単発読み切りだし、
数ページと短いから
とっても読みやすい。
新幹線や飛行機の時にピッタリだ。

こうした書評集とは
一見、似て非なるものが、
作家論集ですね。
10〜20ページで、
作家のプロフィールや印象録を
書き記すエッセイみたいな。
これもまた、
目次を開いて、
自分が好きな作家のぺージを
読めばいいから、気楽です。

一冊まるまるで
一人の作家や芸術家、哲学者を
対象に描いているのは、
なかなか重いけど、
一冊で、5〜10人の作家たちを
書いている作家論集なら、
重すぎることはない。

ただ、考えると、
最近はこの手の作家論集は
めっきり見かけなくなった気がする。
売れないのでしょうかね。

パっと浮かぶのは、
小林秀雄「作家の顔」、
三島由紀夫「作家論」くらい。

角田光代さんあたりは
この手の作家論、
書いてそうなんですが、
書いてないかなあ。

最後に。
作家論や書評集とは違う、
臨床カウンセリングで
患者さん向けに行う
リーディング・セラピーとして
河合隼雄さんが書いていた
「こころの読書教室」という本が
あります。

何冊か複数の本を課題図書にして
患者さんにも一緒に読んでもらって、
(もちろん河合隼雄さんも)
課題図書から、どんなアイデアや
どんなエネルギーをもらったか?
そこから、心はどう解きほぐされたか
という意図を持った本です。

これは一見、
ああ、心理学専門の本で
一般的な読書とはまた違うのかな?
と思ってきましたが、
考えてみたら、
書評や読書感想文って、
みな、本からどんな
エネルギーやアイデアをもらい、
どうやって、
自分のとりとめない現実を
物語化していくかを語る、
まさに「ザ・書評」ですね。
読書とは、まさに書評なんでした。

どこまで読み込めるか?
どこまで自分の人生に引き寄せ、
自分の人生を物語にしていくか?
これができてこそ、
本物の読書家かもしれませんね。

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