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【創作】漫画家や作家には、才能やプロデュース力より、厚い度胸が必要?

私の元上司は、学生時代に、
「週刊少年サンデー」の新人賞に
マンガを応募し、受賞した。
もう50年以上前の話…。

と同時に、マンガの出版社に
内定をもらったらしい。

元上司は、苦渋の末に、
出版社のサラリーマンを選んだ。

でも、サンデーの新人賞をとる位だから
マンガの実力はたいしたもので、
マンガ家との打ち合わせでも
その指摘や助言は信頼されていた。

元上司もそれを心得てか、
新人賞になった話をして
マンガ家から尊敬される立場を
作っていたように見えた。

でも、時には、
元上司の「弱さ」を見破って、
衝いてくるマンガ家がいた。
愉快な一瞬だった。

ある時、元上司に同行して
マンガ家と打ち合わせてたら、
上司のサンデー新人賞の話になった。

それを聞いたマンガ家は
しばらく讃えるような
リアクションをした後で、
ちょっとニヤリとして言った。
「でも、あんたはマンガ家の道に
飛び込まなかったんだよな、
怖かったんだな!マンガ家になるのが!」

元上司は苦笑いするしかなかった。

「俺たちマンガ家はね、
もう頭がどうかしてる人種なんだよ、
頭がどうかしてなきゃ
誰もこんな道、選べないよ!」

マンガ家は実に清々しい顔で、
愉快そうに言い放ち、
元上司に酒をついでいた。
元上司の完敗である(笑)。

…そう、才能だけじゃダメ…。
どうかしてる程の度胸が必要。

私は初めて、作家やクリエイターが
胸の内に秘めた覚悟を知りました。

もしかしたら、大成するには、
才能やプロデュース力よりも、
どうかしてる程の度胸が大切…
かもしれません。













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