見出し画像

【キャラクター】江戸川乱歩と横溝正史にあって、松本清張にないものはいったい何?

創作はキャラクターが命って
本当か?パート2。

先日、推理小説の研究家と
話をしていたら、
最近、松本清張はあまり売れず、
一方、江戸川乱歩と横溝正史は
読者を増やしているそうです。
なぜ、そんな差が出るんでしょう?

話をしてくれたのは
主に横溝正史作品を研究し、
最近『金田一耕助語辞典』を
上梓した木魚庵という方。

そういえば、横溝正史は
今年、没後40年で、
ちょっとしたブームが起きてます。
日本の没落した上流階級が
克明に描かれてる側面が
海外でも魅力的らしい。

「江戸川乱歩と横溝正史にあって
松本清張にないのは
何だと思いますか?」という
話になりました。

私はちっとも分からず、
その著者に答えを尋ねました。

すると「キャラクターですよ」
と言われました。

なるほど~。たしかに、
江戸川乱歩は、
明智小五郎という探偵キャラクターを
生み出していますね。
また、横溝正史は、
金田一耕助という探偵キャラを
作りだして、様々な作品に
登場させました。

ところが、松本清張は
誰もが知る探偵や刑事や犯人の
人気キャラクターを創造
しなかったですね。
毎回、違う主人公や設定で
新規に作品を書き続けました。
松本清張は、人物を書くというより
憎しみや妬みや隠蔽心理など
感情を克明に書くタイプでした。

唯一、連続ドラマになったキャラは
あの『家政婦は見た』ですが、
ドラマ制作側と意向がずれ、
2作め以降のドラマは
松本清張の原作であることは
クレジットで小さく出る位でした。

人気キャラクターを作ったかどうか
それが後世の読者に愛されるか否か、
大きなポイントになるんですね。

タイムスリップできるなら。
松本清張に、ヒーロー型の主人公で
連載作品を何作も書いたら、
いいですよと助言に行きたい位。
僭越ながら。
 
でも、これも作家によるんですね。
連載作品よりは、
毎回新規で色々な作品を書いて、
色々な主人公を生み出したい。
そう考える作家がいます。
清張もそんな人だったんでしょう。

ところで、
キャラクターはどんな風に作れば
いいのか?
それはヒット作のない
平凡なしくじり編集者の私が
しゃあしゃあと語る資格もないですが、
イケメンで、でも女性が苦手で、 
人見知りですが、
事件になると行動派に変わったり、
身の回りはだらしないけど、
過去の事実は整然と記憶してる、、、
みたいな、相反する側面を
両面持たせることでしょうか。

それにしても、
松本清張が好きな者としては 
なんとか盛り返して欲しいですね。

魅力的なキャラクターの存在感は
永遠なのでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?