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開高健はベトナム戦争に行った。今ならウクライナに行くか?

先日、なぜ今、作家は
ウクライナに行かないのか?
という記事を書きました。

スキ数は13個。
かなり少ない時の、残念な数。

私自身、書きながら、
これは、ウツケな、非常識な記事と
思われるかな?
いや、その可能性は大だ。
そういう感覚はありました。

しかし、大事な話だから、
やっぱり気になる。

いや、ウクライナに行こうとか、
行く作家はスゴいとか、
そんな単純な価値観ではないですよ。

2003年、
イラク戦争の最中、
現地で平和活動をしていた日本人がいて、
反政府軍に誘拐されました。
高遠菜穂子さんら3名の
ボランティア活動家でした。
日本はイラク戦争から手を引け!
アメリカの応援をやめろ!
やめないなら、3人の命はない、
それが解放の条件として伝わりました。

この時、日本国内では、
3人の活動家に無数のバッシングが 
雨のようにふりました。

「自己責任」という言葉が
連日、日本中で声高に叫ばれました。

自分の身も守れないくせに、
ボランティアなんかで勝手に
行っておきながら、
誘拐されたらされたで、
自分の国に頼ろうなんて、
考えがアマイんだよ、、、、

当時、こう感じたのは、
私だけでは在りません、
私は多数派でした、たしか。

それも、海外のメディアが
日本政府や日本人は、
自国民を、たった3人を
助けられないのか?
なぜ助けようとしないのか?
非難し始めてから、
ようやく、自分たちの
自己責任論は、
非常に島国らしい、
非常識な考えらしい、と
理解していきました。

でも、あの時の感覚は
本当に間違っていたのか?

たとえば、
バズるために現地ウクライナに
取材に行くYouTuberがいたら
どう思うでしょうか?

うわ、現地や色々な人に
迷惑をかけるのに、
なんて、非常識な奴だろう、
と感じるでしょうね。

YouTubeには限りません。
戦争の実態を暴くnoterになるため
ウクライナに行って、
毎日記事や写真やレポートを
投稿してる人がいたら、
どう感じるのでしよう?

あ、
私がやりたかったのはこれだ!
と思うかもしれない。

いやいや、また身勝手な
世間知らずがいるなあ、と
呆れるか?嫉妬するか?

しかし、
今はまだ余りに現地が
銃砲で危な過ぎますか?

でも、
開高健はそんなベトナム戦争の
戦地に行って、記事を書き、
小説を書いた。

いや、開高健だって、
平和な日本に住みながら、
想像力でベトナム戦争の小説を
書けたのではないか?
プロの小説家なら、
それができるだろう?
体験こそ大事だという開高健に、
三島由紀夫や吉本隆明は
ベトナム従軍を
バカげてる、と批判しましたし、
当時はそれが多数派でした。

今となっては、
開高健は
ベトナム戦争に材を得た
『輝ける闇』『夏の闇』が
残されました。
ルポルタージュ『ベトナム戦記』も
ありますね。
ベトナム戦争が題材の短篇も
たくさん書いてますね。

開高健のベトナム戦争従軍という
行為は、よかったのか。
はたまた、そんな2作品より
ひと迷惑な行為として
記憶されるべきか?

いやあ、すいません、
また話が逸れました。

人は、私は、あなたは、
なぜ今、ウクライナには
行かないのか? 
文字を書く人間として、
これでいいのか?
開高健の本を見る度に、
そんな辺りが
ゆらゆら揺れ動きます。

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