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【冒頭】読者をどんな所に運ぶのか匂わせるセンスが欲しい。

創作とは、読者をどこかへ
「運ぶ」ことですね?
確かな運転で、
魅力的なツアーで。

特に冒頭は、大事。
読者をワクワクさせながら
期待を高めながら、
未知の世界への案内として、
ぐいぐい本体にいざなう大切な場所。

読者とは、まあ言ってみれば、
バスツアーの乗客です。
作家は、バスの運転手です。
あるいはツアーの企画者でもあり、
バスツアーの添乗員でもある。

読者は、乗ることになったバスに
まだ不安を持っている。
どんなところに行くことになるか? 
また、何時間かかるのか?
立ち寄る場所は本当に面白いか?
そもそも、今回のツアー、
(つまり小説やエッセイは)
乗るに値するものだろうか?
今回の運転手は腕は確かか?
企画者はホスピタリティが満点か?

読者は、本やKindleを読み出す前に、
様々な感情、不確かさ、期待、不安を
抱えているものです。

それらがすべてバッチリになれば
初めて、読者側は、
「乗客」としてハラをくくり、
「読書」していくことになります。

かなりの数のハードルを越えて
初めて、人は読むかどうか決めて
やっと読み始めるんですね。

だから、冒頭は大事です。
では、冒頭がよいとは、
何を意味するのでしょうか?

それは、乗客となる読者が
気持ちよく、
安心しながら、
しかもワクワクしながら、
バスに身を預ける覚悟を
持ってもらうことですね。

つまり、ある程度、
乗客という読者たちに、
この「旅行」では、
みなさんをどこに
どんな経路で、どんな風に
目的地まで運んでいくつもりか?
それをセンス良く匂わせることです。

とはいえ、ただ、中身の要約では
魅力的に感じませんし、
結末の告知なら、それはネタバレです。
匂わせるセンスっていうのは
また、違うんですよね。

ただし、冒頭一ページで、
読者には、
賛同してもらう必要があります。
できれば最短、5行以内で。

色んな小説やマンガで、
これが出来てないものは、
退屈に思われます。
あるいは、いきなり、
見知らぬ人の話が始まり、
取っつきようもありません。
ただただ、作者の自己満足が
何行も何段落も続いていくだけ…。 

この秘訣は、手とり足とり、
誰かから教わっても、
すぐ身につくものではありません。

焼き鳥は串打ち何年、焼き何年、 
なんていいますが、
冒頭も、うまくなるには
5年くらいはかかります。
 
で、それが最初からできる人は
20代で職業作家として
デビューできるプロ作家なんですが、
そんな人たちばかりでは 
なんだか悔しいじゃないですか?

努力して何年もかかって
やっと作家になる人だって
この世にいて欲しいじゃないですか。

そんな人に必要なのは、
読者をどんなふうに、
どこに、運んでいくか?
それを冒頭で匂わせるセンスが必要です。

それが出来てる人は
正直、ごく一部の才人です。

小説やエッセイを書きたい人は
自分の頭の中にあるものや記号を
どう形にするかで、
いっぱいいっぱいです。
読者へのホスピタリティは
持ち合わせる余裕がない。

私も当然、そんな人です。
まだまだ、センスの良い冒頭で
読者をぐいぐい引っ張る「魔力」は
身につけていない。

その証拠に、
フォロワーさんが1200人も
いてくださっているのに、
「全体ビュー」数は毎回300〜500数。
半分以下です。ぜんぜんです。
半分以上の方々は、
私の記事のサムネイルを見ても
読む気が起きていない訳ですね。
悲しい話です。

もっともっとうまい運転手に
なりたい。
読者に、うっすらと
これからどんなところへ、
いざなうか?お運びするか?
匂わせるスキルを、
いつかは身に付けたい。

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