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ワインの魅力の伝え方を考える(売れるもマーケ 当たるもマーケを読んで)

じゅんや(マーケティング勉強中)です。
こちらの本を読んでみました。
「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」


著者のご紹介


アル ライズ/ジャック トラウト(共著)
筆者は、現代マーケティングの第一人者とされており、25年以上もの間マーケティングにおける有効な手法とそうではない手法の研究をし続けていた。今ではマーケティング用語として当たり前のように使用している「ポジショニング」という概念を作り出した人物でもある。
*ポジショニング:見込み客の心の中に、その商品の位置づけを行うこと。

どんな内容が記載されているのか?


集約すると、「ミスを避けるためのマーケティングの考え方が学べる名著」。
著者の長年の研究によりマーケティングを22個の法則に集約し、その一つひとつの詳細に関して説明が記載されている。1994年に発売された本であるが、今でも変わらないマーケティングの本質を捉えている。具体的な手法を勉強する本ではなく、どちらかというと考え方や本質を学ぶための本。「迷ったときは原点に立ち返る」そんな活用をしてもいいのでは、と思わせる、マーケティングの原点となる名著。

何を学んだのか?


本書では、大きく3つ学びがあると感じました。

1.マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦い。顧客の心に最初に入り込むべし。そのためには、焦点を絞り込み、ネガティブ面を認め、それをポジティブ要素に変えてメッセージを端的に伝える。

2.マーケティングにおいてムダな行為は、「人の心の中を変えようとする試み」「未来予測に基づいて立てられたマーケティングプラン」。歴史の教訓から、人の心を変えるときは一撃で。

3.製品ラインは拡張してはいけない。商品や市場を増やせば増やすほど、収益は減少する。顧客の心の中に一定の地位を築くためには、一貫してそのポジションを変えないこと。

ワインを売るならどう活かすか?


最近の日本ワインはとてもおいしくて、個人的にもとても好きである。ただし、流通の問題もあり、スーパーに並ぶのは海外産が多く、日本ワインを手に入れるには直接ワイナリーに訪問するか、オンラインストアで購入するのが大半だと思われる(個人的なここ半年の経験)。

気軽に購入できないことや価格が比較的高いこともあり(3,000~5,000円程度)、購入する際は商品を吟味する。しかし、これまでもnoteでまとめてきたが「ワインは分かりづらい」。海外産はともかく、日本産のワインでさえ、結局何が特徴でどういうワインなのかが認識しづらい。
ワイン自体が素晴らしいものである、というのは大前提ではあるが、マーケティングが「知覚の戦い」であるとすると、「顧客の心にどのように入り込むべきか」が重要になってくる。

ワインには「テロワール」という言葉があり、ブドウ栽培の周りを取り巻く自然環境を表す。日本においてもその考えは当てはまり、当然その土地ごとで違う特徴を持っている。その土地の特徴(気候や文化、名産物など)とワインの特徴を結びつけることが、ワインの特徴を顧客に印象付けるうえで重要なのではないかと思っている。ワインの味を全面に推すのではなく、土地があるからそのワインがある。その方が、ワインを知らない人にとってイメージしやすいのでは?

前回も例に挙げたが、武蔵ワイナリーという埼玉県小川町にあるワイナリーが、上記を説明する上で参考になる。

小川町は「有機の里」と呼ばれており、古くから有機農業に力を入れている地域である。地元で収穫される野菜はもちろん、カフェなどの飲食店も「オーガニック」というワードを重要視している。
武蔵ワイナリーも例外ではない。農薬、添加物を一切使用しない、「オーガニック」を意識した栽培~醸造までを一貫して行っているワイナリーである。つまり、ワイナリー自体が小川町という土地の特徴、文化を深く受け入れているということである。
(補足として、私自身が何でもオーガニックにすべきという立場ではないことは伝えておきたい)

ワイン自体の味を高めていくことがもちろんだが、信念が一貫された街づくりは、そこで生み出された商品やサービスのイメージを相乗的に引き上げる役割がある。その土地の文化や実際に取れた野菜、肉、海産物の印象が、ワインに対するイメージも変えていく。「あそこで食べたバーニャカウダは、野菜のうまみが際立っていて素材本来の味を楽しむことができた → あそこのワインもブドウ本来の味をダイレクトに感じられるに違いない など」(逆もしかりではある。ワイン自体がその街のイメージを作っていくことも考えられる。)この印象が、ワインに対しての顧客のイメージ「顧客の知覚」と変わっていくと考えている。

また、上記のようにその土地の特徴や文化を受け入れたワイン造りにおいて、製品ラインもむやみに拡張してはいけない(学んだことの「3」)。その土地が築き上げたイメージ、ブランドから外れてしまうと、それがワイナリーのイメージにも影響を及ぼしてしまう。顧客の心の中のイメージを強固にしていくには、一貫してその土地の考え方を踏襲していき、味を磨き続けていくことが、マーケティング的には正しいと思われる。

顧客の心にどのようなイメージを持ってもらうか、それを考えることがワインをもっとわかりやすく身近にする第一歩なのでは、とこの本と自身の経験を通じて思った。

以上です。
より詳しいことを知りたい方は、ぜひ本を手に取って見てください!

最後に。。。
この記事を書く上で思ったこと

  • そろそろ実際にワイン造りを経験してみたいとも思っている。

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