見出し画像

【結果大公開!】タイトルってどうやって付けてますかアンケート

創作物のタイトルを決めるのって、めちゃくちゃ難しいですよね。

小説にマンガ・音楽にゲーム。
何かを産み出すときに必ず必要なもの、それがタイトル。
創作物自体に込めた想いを伝えつつ、受け手にとって魅力的でないといけない。しかも長くなりすぎてもいけない。
創作物を生かすも殺すもタイトル次第と言って過言ではなく、いろんなクリエイターさんが日々悩まれています。

そんなタイトルって、みんなどうやって決めてるんだろう?
作家さんとの雑談で出てきた疑問を払拭すべく、作り手の皆さんにアンケートを実施することにしました。
題して
「クリエイターのみなさん教えて! タイトルってどうやって付けてますかアンケート」です。

▼企画の経緯と詳細はこちら

思い付きのお遊び企画でしたが、なんと回答は40名超え!
ご参加してくださったみなさま、本当にありがとうございました。

というわけで。
いただいた回答をまとめましたので、どどーんと公開していきます!

〇回答者の創作ジャンル


まず、回答してくれた方々が、どういう創作を行っているかです。
わかりやすくするためにジャンルでまとめました。
小説はライトノベルとそれ以外で分けていますが、基本的に小説を書いている人たちの回答が圧倒的に多いですね。森をフォローしてくださってる方々は小説関係の方が多いので、これは当然でしょう。
興味深いのは写真・ゲーム・服など。たしかに写真や服のタイトルは小説とはまた違う難しさがありそう……

※そういうわけで、本アンケート結果は主に「小説」タイトルについてのコメントがメインと受け取っていただければ幸いです。

タイトルはいつ決めますか


続いて、タイトルを決めるタイミングです。
大きく5つに分類してみましたが、企画を立てる最初の段階でタイトルを決める人が多数ですね。続いてあらすじやプロットなど企画を詰めていく段階で決める人も多いです。
完成時に決める人もいらっしゃいますが、創作物の作成途中で決める人は少なめでした。
また、タイトルを決めるタイミングがその時々で違う人も一定数いらっしゃいますね。
人それぞれ、作品それぞれですが、傾向としては最初のほうでタイトルを決めている人が多そうです。

タイトルはどうやって決めますか


<フィーリング>
・タイトルに使えそうなフレーズがまず浮かび、それに触発されて物語ができるというケースが多いです。
・直感で……というかタイトルが降りてきてからプロットを練ることが5割くらいあります。
・一番はフィーリング。次にタイトルの採点サイトでチェック。

<テーマ・キーワード>
・作品のキーワードを並べて必死に考えます
・キーになるワードなどを匂わせる感じに決めている
・作中の印象的で象徴的な単語やフレーズを用いる
・その作品のキャッチコピーを短くして決める、1番目立つモチーフをタイトルに。
・物語を考えている時に浮かんだ言葉、または象徴的な作中の言葉を用いる
・作品のテーマとテーゼを軸に、何を伝えたいか、何(モチーフや言葉等)に載せて伝えたいかから考えて決めます
・一言で内容を表せるように

<語呂・語感のよさ>
・語感の良さ、文字の並びかた(字数、ひらがなや漢字のバランス、文字が視界に与える印象を考慮)を重視して決めます
・語感の良いものにするため声に出したり、文字面を確認するために書いたり色々します。

<とにかく悩む>
・作品のイメージから捻り出す
・ひたすら悩む

<たくさん出す>
・色々な言葉をとにかくたくさん出してあてはめ厳選
・作品を書き終えた後に複数候補の中から選ぶ

<読者目線の分析>
・いろんな作品のタイトルを調べ、ピンとくるものを探し、なぜピンとくるのかを分析してから、その内容に沿って考える。
・見ただけで内容が想像できるもの。読者と編集者へのプレゼンがタイトル。
・題材となる時代や人物、事件がタイトルからわかるようにする。自分がその題名を見たら本棚から抜き取りそうなタイトルを心がける。

<編集と相談>
・編集部と相談しながら
・作中のテーマやキーワードを組み合わせ、適度に語呂がよく、作品の内容を一部窺い知れ、なおかつ興味をひくようなものの候補をあげ担当さんに相談

どの回答も興味深かったので、グラフではなく分類してまとめました。
※すべての回答ではなく抜粋になります。コメントがほかの方と重複する部分は一部カットしている場合があります。ご了承ください。(以下同)

感覚・フィーリングで決める人や、作品のテーマや作中のキーワードを拾って決める人が多かったですね。プロの方は編集の人と相談しながら決めているケースも多そうです。
参考になりそうなところでは、語感の意識や、とにかく数を出してみること。また「自分がその題名を見たら本棚から抜き取りそうなタイトルを心がける」という受け手視点の意識はすごく大事ですね。

個人的に面白かったのは、タイトル診断サイトの採点を使われている人が割といらっしゃったこと。
僕は文芸・ライト文芸が中心で編集をしているので、恥ずかしながら知らなかったんですが、小説投稿サイト系の作品は、AIがタイトルを採点してくれる時代になっていたのですね……。勉強になりました。

タイトル決めで悩むポイントはどこですか


<語感・語呂>
・語感がよいか。流行りのワードが入っているか。映え。
・語呂のよさ
・語感の良いものが思い付かない
・音として読み上げた時にリズムが良いかどうか。

<キャッチ―さ>
・キャッチーさとわかりやすさのバランス
・タイトル自体が魅力的であることと、内容を象徴していることと、どういうジャンルの物語かなんとなく伝わることの3つを満たすのが難しい
・作品のテーマを表すキーワードをうまく入れつつキャッチーにできるか
・読者が物語世界への興味を持つタイトルであるか。
・一撃で雰囲気が伝わるかどうか。

<長さ>
・わかりやすさと文字数
・『恋愛の波乱万丈な心の動き』と『ヒロインの状況』が、察せられるような『ひとことで、言い切れる感じ』に。を目指して。
・長すぎず、目にして0.3秒くらいで内容が想像できるもの
・いかに短文で物語の楽しむポイントを伝えるか

<作品内容ときちんと合っているか>
・そのタイトルが物語にとって重要かどうか
・表現したいものだけが先行していないか、本文とマッチしているかは常に考えますし、常に悩みます。

<カブったり似ていたりしないか>
・過去作品と被らないようにする
・自身の過去作や既存作品(商業等問わず)と似ていたり、ワンパターン化していたりしないかどうかでよく悩む
・他作家さんの作品とかぶらないようにするのが難しい

語感や語呂がいいか。キャッチーか。長すぎず、物語の内容と合ったタイトルになっているかどうか。
こうした部分で悩まれている方が多いですが、「語感・語呂」で悩む人がめちゃくちゃ多くて驚きました。
逆に言うと、みなさんすごく意識されていらっしゃっててすごいなあと。

僕が編集者として作家さんとタイトルの相談をするときに、「キャッチ―さ」「内容との親和性」などはいろいろ意見を述べたりするのですが、「語感・語呂」についてはそこまで強く言ったことがない気がします。(多少の言葉の置き換えで語呂がよくなる場合はお伝えしますが)
「なんか語呂が悪いですね~」という理由でダメ出しをしていいのか悩むことが多くて、そこはディレクションの優先度を低めにしていたんですが、もっと語感や語呂にも注意しようと思います。

あと、過去作品と被らないようにするのも、地味に難しいポイントですよね。ライトノベル系はもちろんのこと、その他のジャンルでも案外同じタイトルがあったりするので、要注意ですね。

タイトルに悩んだ時、どうやって解決しますか


<人に意見をもとめる・アンケートを取る>
・Twitterにあげてアンケート!
・人に読んでもらって意見を求め、その意見を参考に自己判断。
・推敲時に悩む場合は他人に読んでもらって印象の強いシーンなどを聞きながらそこにイメージを合わせます。

<AIと相談>
・最近だとAIに相談
・なろうrawiさんで試行錯誤します
・タイトルの採点サイトで高得点を出せるように調整する。

<調べる>
・辞書やインターネットで調べる。マインドマップで連想して考えて、近いものや響き、語感がいいものを決める
・大抵は辞書を引くことで解決するが、収まりの良し悪しに対しては、タイトルの末尾に句点を置くことで印象も変わる。そうして作品の持ち味を補強するように意識し解決する。

<出るのを待つ>
・出てくるまでプロットは進めません。最初に顔を決めてしまいたいので、悩みながら散歩したりして何か湧いて出てくるのを待ちます。
・耐え忍びます。
・寝ます

<ひたすら考える>
・ひたすらこねくり回す
・何回も、ひたすら考える

<寝かせる>
・何日間か置くことで熟考し、判断する
・タイトルがすんなり出ない話はまだ練りが足らないと考えて寝かせます。

<内容を整理して数を出す>
・作品のキーワードをたくさん並べ、ピンとくるものを考える。
・作品を表現しそうな単語をひたすら並べて、多分マシな奴を選ぶ
・ひたすらに出力する
・案をすべて書き出して視覚に訴えるものを選ぶ
・自分が「キャッチ」だと感じる単語を書き出す。

<編集者を頼る>
・編集者に丸投げする
・商業作品なら編集さんに相談しますというか編集さんにつけて欲しいです
・編集者にアイディアをもらう、好きな歌(音楽)や短歌にふれてヒントを得る
・とにかく考えて考えてあてはめて、編集さんに相談して…という形です。なかなか自分だけではセンスの自信がなくて決められません。第三者意見はとても頼りになります。

<とりあえず進める>
・語感や文字の並びかたは大事にしたまま適当に仮タイトルを付けて、ほかの作家様と被らないか検索後、これでいいかで突っ切るときあります。そのほうが上手く行くときありました。
・とりあえず仮タイトルをつけて本編を書きながらあれこれ検討します。
・ひとまず本編を書き進めてからまた考える
・時間が解決。執筆しているうちに主題がはっきり見えてくる

最後は一番大事な「悩んだ時にどうやって解決しているか」
たくさんの解決方法を教えてもらって、すごく興味深かったです。

全体を見ていると、「第三者の意見を聞く」という意見がとても多かったです。Xでのアンケートや誰かに読んでもらう、編集者に相談するなど。AIに相談というのもその一つですね。たしかに最近のAIは進化がすごいので、AIにヒントをもらうのも大事な手段ですね。
商業出版されているかたは担当編集がコメントをくれますが(僕も責任重大だとあらためて……)、プロデビューされていないかたも、AIの活用やXでアンケートを取ってみたり、自分以外の視点をもらうのも良いかもしれません。

それ以外にも、とにかく数を出したり、ひたすら考えるなど「頭フル回転で戦う」派。出てくるまで耐える「待ち」派。タイトルナシや仮タイトルを置いて「とりあえず進める」派など、いろんな流派が見えて非常に面白かったです。

タイトル作りは作り手によってやり方が違いますし、作品によっても異なるのでしょう。
自分に合った形で悩みながら、よりよいタイトルを作りあげていけばよいのだと思います。
ちなみに僕がタイトルや帯コピーで悩んだときは、「とりあえず一晩寝かす」ですね。

☆☆

アンケートの結果は以上となります!
たくさんの方のご参加と、とても価値のある回答してくださったこと、心から御礼申し上げます。
いや、僕自身もめちゃくちゃ勉強になりました……。
この記事を読んでくださった方の、創作のヒントになれば幸いです。

めちゃ楽しかったので、また定期的に創作にまつわるアンケートをしたいなと思っております。よかったらお気軽に参加してくださいませ。そして誰かの創作活動のささやかな助けになれると嬉しいです。

それでは、また。



※創作にまつわる記事をゆるゆると公開しています。X・noteともによかったらお気軽にフォローくださいませ。
▼Xアカウントはこちら
https://twitter.com/junyamegane


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?