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インテリジェンス 諜報能力を日本は強化する時期に来ている

(原文 2022年06月06日)

ロシアの暴君、プーチンがソ連時代はKGBに所属し、ロシアになってFSB(ロシア連邦保安局)長官になって破壊工作や諜報活動を駆使してロシア大統領に登り詰めたことは良く知られている。一方、SVR(ロシア対外情報局)の対外情報収集能力の稚拙さによる判断ミスが今回のプーチンの泥沼のウクライナ侵略の原因になったとも考えられる。世界一の諜報国家はやはりアメリカでロシアのFSBにあたるのがFBIで、SVRにあたるのがCIA(アメリカ中央情報局)である。日本では戦前の公安局 陸軍中野学校(東部33部隊)等の弊害とアメリカの日本弱体化計画に則り、公安局の予算が大幅に削減され、安倍政権時代にCIRO(内閣情報調査室)が強化されDIH(防衛省情報本部)がサイバー攻撃等のチェックを行っているものの、主要な世界各国が持つ諜報能力と比べて人材、予算共に大きく差をつけられ、諜報能力が欠如している上にスパイ防止法すら法制化できていないのが実情だ。

実はブッシュ大統領時代に、僕が秘書を務めていた、NHK元会長の島桂次氏に同行してワシントンでの世界の諜報機関のコンベンションに出席した経験がある。何故NHKなのかと言えば、日本のCIROやDIHや公安は予算が少なく、海外の諜報や情報収集は世界に拠点を持つNHKに依存していたからだ。その時の出席者は200名程度であり、CIA、MI6(イギリス秘密情報部)、モサド、SVR、MSS(中国国家安全部)、BDN(ドイツ連邦情報局)などから目つきの鋭い錚々たるメンバーが集まっていた。キーノートスピーカーはアルビントフラーで今後の諜報活動はインターネットや世界を繋ぐ衛星通信(当時はイリジウムで今はマスクのスターリンク等)の重要性等を語っていた。この様な諜報活動家の中に、平和ボケの日本からは、場違いの諜報能力の無いNHKが参加したのが日本の実態であった。

さて、アメリカFBIの国家予算は5000億円強と言われ、CIAは公表されていないが、ほぼ同額の予算と考えられており、総額1兆円以上がアメリカ国内外の諜報予算と言える。  
日本の公安局の予算は50億円程度、CIROの人員が1000名、DIHの人員が2000名で外交駐在の諜報員は未だNHKに依存しているので、総予算は多く見積り500億円位だろう。

個人の自由や権利を抑圧する危険性のある、これらインテリジェンス能力の強化は、使用者の能力と抑制力が無いと、大変な事態を招く可能性があるので、日本弁護士会等からはスパイ防止法の制定に反対をするなど、道は険しい。しかしながらMSS等は世界をまたにかけて国家ぐるみで産業スパイ活動を行っているし、日本学術会議メンバー等から中国に有利な学術情報を吸い取っていると言われている。スパイ防止法すらない日本はスパイ天国だ。

ウクライナに対する情報提供でも抜きんでているイギリスはMI6の能力が卓越しているのだろう。ウクライナ危機に対する日本のアメリカ追従姿勢はインテリジェンス能力の欠如に起因する情報の少なさが原因だろう。世界が混迷と侵略の時代に突入している今、日本もせめて予算を倍増して国内、国外共にインテリジェンス能力を高めるべき時が来ている。

戦前の公安局でも、いい部分はあった。オウム真理教を法的根拠がなくて危険組織に膨張する前に撲滅する様な必殺仕事人の様な行動だ。民主主義だと出来ない手法で行った。  
オウム真理教 麻原彰晃よりは、過激思想では無かったが、危険思想の持ち主として膨張を続けていた大本教の出口王仁三郎教祖の亀岡にあった本拠は秘密裏に公安局から弾圧を受けて壊滅した。いい意味で危険思想の持ち主だと判っていたオウム真理教を事前に抑え込む公安の力があれば坂本弁護士事件や地下鉄サリン事件も未然に防げた可能性が高い。

最後に、世界の殆どで法制化されている、スパイ防止法がなかなか日本で法制化できない理由は、平和ボケ以外に日本の国会議員の中にもアメリカやロシアや中国から金と利権を与えられてスパイもどきの行為をしている人々が多数存在している事も、原因なのだろう。 嗚呼。

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