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ベジタリアンがクリエイティブだってことについて。

HUNTER×HUNTERで「制約と誓約」という設定がある。簡単いえば「自身の超能力に条件をつけることで能力が向上する」というもの。

広告会社勤務の頃、営業だった僕は様々なクライアントの要望(誓約)とコストや技術的な問題などの現実(制約)の板挟みに合っていた。そんな僕に仕事を依頼されるエンジニアさんやデザイナーさんたちは擬似的に「制約と誓約」の状態になっていると言えるんじゃないだろうか。

縛りだらけの毎日、四方八方に頭を下げる毎日に疲れていた頃、あるデザイナーさんがかけてくれた言葉に救われたのをよく覚えている。


条件がないとデザインなんて考えられないから、助かってるよ。俺はデザイナーであってアーティストではないからね。


デザイナーさんにそういう意図があったのかは定かじゃないけど、当時の自分は腑に落ちた感覚に酔いそうになった。「伝書鳩」と呼ばれていた自分の介在価値をそこに見出せたから。自分が誰かの役に立てているという久しぶりの快感を久しぶりに味わったから。

"クリエイティブ"なんて曖昧な言葉の定義はよく知らないけど、きっとあのデザイナーさんのような立ち振る舞いをそう呼ぶんだと思う。そういう人から生み出される「自由」な発送を世は"クリエイティブ"だなんて呼ぶんだと思う。

お肉を食べないという制約と美意識を持って日々の暮らしに向き合う。

人によっては生きづらさを感じるかもしれないが、毎日の暮らしに約束事を持ち込むことで、頭のなかがクリアになることがある。その状態からしか生まれない発想や情熱だってある。これは原体験を持って言えることだから、真実ではないにしろ事実ではあるはずだ。そういう状態を意図的につくり出すことこそ、なんでも揃い過ぎてる世の中を楽しむコツなんじゃないだろうか。

動物愛護と環境保全のためにはじめたベジタリアンというスタンス。僕にとっては社会を楽しむ一つのフィルターに過ぎないのかもしれないね。

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