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2021年もお疲れ様でした。【総括】



いやあ、お疲れ様でした。
こんなご時世にもかかわらず潤沢なフィクションに恵まれた最高の年でした。
多分毎年このようなことを申し上げると思いますが、その年それぞれにそれぞれ異なった幸福があると思うと来年(今年)がまた一つ楽しみになりますね。

2021年は綾野剛という類稀なる才能に惚れ込み、磯村勇斗という稀代の俊英に出会い、吉沢亮という役者の真価を見た年でありました。
元から映画は日常的に見る方だったのですが、ひとつ見る基準に「役者」というアプローチが増えたことはかけがえのない財産だったように思います。
また世界的な情勢もあって今年はかなり国産映画を見る機会に恵まれました。反面、外国語映画を見る機会が減ってしまったのは残念でもあり、反省でもあります。上映延期も多く、本来であれば2021年内の、または2020年公開予定だった作品が多分に含まれることは先に述べておこうと思います。ただまあ、結果生き延びて見られたんだからよしとします。生きてるだけで偉い! 比喩ではなく。
このような時世にもかかわらず作品を生み、商業ベースに載せてくれたクリエイター、関係各所に心からの敬意と感謝を捧げます。

硬い挨拶はこの辺にして2021年世に出た作品で印象に残ったフィクションその他をジャンルごとに振り返ります。
(すべて個人の感想です)

映画部門


 ヤクザと家族 The Family
 花束みたいな恋をした
 あのこは貴族
 アンモナイトの目覚め
 水を抱く女
 Arc
 東京リベンジャーズ
 太陽の子
 孤狼の血 LEVEL2
 アナザーラウンド
 そして、バトンは渡された

個人的な感触ですが2021年は好きな作品の多かった2016年並みの豊作の年でした。いやー忙しかった。興味があって見に行った映画なんかも含めたら何十本見たかわからん。給料の何%が吸われていたか集計したいくらいです。
ふらっと見に行った「ヤクザと家族」に狂わされてTwitterのアカウントを作りましたが、その後も出演者、スタッフなどの関連からさまざまな作品との出会いがありました。
「花束〜」は完全に同世代のカップルだったので色々な感慨もありますが、きっかけに坂元裕二作品を総浚いで見ることになり、非常に満足度の高い出会いになったと思います。
シスターフッドと女性の関係を丁寧に描いた映画としては「あのこは貴族」と「アンモナイトの目覚め」が突出していたように思います。押し付けがましくなく、それでいて情緒的で、画面も美しかった。華美ではないが洗練された生成りの布のような質感で嗜好に近かったです。
人間の姿を描いた作品としては「Arc」が忘れられない名作です。日本の漁村の風景をロケーションとして描いたのも素晴らしい。あれこそオリエンタリズムだと思います。
対局として緯度の高いヨーロッパの美を描き出したのは「水を抱く女」と「アナザーラウンド」。風景、社会が物語をつくるというのを見た気分でした。
「東京リベンジャーズ」と「太陽の子」は同じ日程で見たのですが、爆発しそうなほどの若人の息遣い、役者の熱が心地よく、近い世代の役者の活躍が純粋に嬉しかったのでこれも印象深く残っています。
「孤狼の血」は前作とかなり趣が変わってエンタメ色が強くなっていました。以前に増して広くウケる映画になっている気がします。その反面、さりげなく広島における在日社会を描いている点には気骨を感じます。
「そして、バトンは渡された」の石原さとみは彼女のフィルモグラフィに残るであろう名演でした。今後何年経ってもあの名演を語り継ぎたいです。


ドラマ部門


 大豆田とわ子と三人の元夫
 コントが始まる
 TOKYO MER
 アバランチ
 The defeated 混沌のベルリン
 最愛
 青天を衝け


坂元裕二作品に骨の髄まで打ちのめされるもうひとつのきっかけは「大豆田とわ子と三人の元夫」で、この作品は本当に凄まじく素晴らしかった。2021年を代表する一作だと思います。同じクールの「コントが始まる」と一緒にめちゃくちゃ泣きました。いやーしんどいくらい泣いた。ありがたい。恋愛以外で形成される人と人の信頼関係がこんなにうまかったら他のドラマ成り立たないんじゃないかとすら思います。
「TOKYO MER」は映画化もされるんですが、キャラクターの作り込みと配役があまりに見事でもはや言うことなし。擬獣化しても映えるハマり役、フィクションとして最も良い形を見た気分でした。小手伸也さんの振り返り解説も楽しかった。
「アバランチ」は毎週熱狂させてもらいました。面白かった! 自分は『藤井監督の描きだす役を生きる綾野さん』が大好きなんだなと痛感しました。そんなアバランチと「最愛」が同じクールにあったことは長く語り継いでいきたい。どちらも最高のドラマでした。当然優劣などつけられない。演者間のやりとりも最高でしたね。加瀬さんと羽生ちゃんに光あれ。
Netflixオリジナルシリーズからは「The defeated」が最高でした。4ヶ国語が飛び交う戦後ベルリンのサスペンス、バビロン・ベルリンやドッグス・オブ・ベルリンと並べてベルリン三部作として自分の中では認識しています。
最後に忘れてはいけない「青天を衝け」ですが、全編通して生きる喜びと世の中を良くしようとする情熱に溢れていて、これまでの幕末大河の中では最も好きだなと思いました。脚本や伏線も上手だった。五輪や撮影延期で話数が減ったこと以外に欠点が見つからない名作中の名作だと思います。


楽曲部門


 THE MILLENNIUM PARADE/ millennium parade
 不思議/星野源
 緑酒/東京事変
 燃えよ/藤井風
 名前を呼ぶよ/SUPER BEAVER
 Change/SIRUP
 VOY@GER/IDOL M@STER FIVE STARS!!!
 踊り子/Vaundy
 君に夢中/宇多田ヒカル

音楽に関してもドラマや映画の主題歌から出会いを得たものがたくさんあります。中でもミレパとの出会いは大きかった。常田大希に触れる前と後では世界が違ったので。ドキュメンタリー「混沌東京」もよかったです。『2992」はとてつもない名作。
「不思議」はおそらく上半期で一番聴いています。「緑酒」は曲もさることながらMVが最も限りなく正解に近い、これもまたオリエンタリズムの大正解例。「燃えよ」は日産スタジアムの衝撃が忘れられなくて…
SUPER BEAVERは前から好きでしたが「名前を呼ぶよ」でまたどっぷり聴くようになりました。おそらく下半期いちばん聴いてます。
「Change」はコンセプトムービーもめちゃくちゃ良くて、SIRUPの一番いい声が出ていて半端なくセクシー。こういう引き出しもあるから油断ならない。
「VOY@GER」もアニメ映像が凄まじく良いのですが、この歴史的なアニメ映像に楽曲が全然負けてないのがすごい。各媒体からの人選もよくて声のバランスの良さが楽曲を引き立てていました。
「踊り子」のMVが出た頃に出演された方がご結婚を発表されてやや話題になりましたが、物語性があって音作りも巧みなVaundyは今年更にガンとブレイクする気がしています。
「君に夢中」は主題歌とドラマの内容が完全合致で心地よくて死にそうでした。最近も何をするときにも聴いています。
 


 
アニメ部門


 シン・エヴァンゲリオン劇場版
 平家物語
 鬼滅の刃 遊郭編
 ウマ娘 プリティダービーseason2
 呪術廻戦0

アニメは劇場がやはり強かったのと、シリーズものの続編がどんどんクオリティ高くなってるのが信じられないくらい素晴らしい。いずれも尋常ならざるクオリティで作画崩壊がほぼ皆無です。わりと細かく動くのに。
「平家物語」はアニメ化に800年かかった古典的名作ですが、この時代を待っていたのだろうなあという名演、名作画、名演出、名曲でした。中学生の頃から平家推しでよかったです。
「鬼滅の刃」はまだ放映中なので迷いましたが、昨年末からのリリースなので入れてしまいました。動いてしゃべる宇髄天元かっこいい。
「呪術廻戦0」は乙骨くんと里香ちゃんが永遠に一緒であることを願ってやみません。憂太と里香はずうっと一緒。
「エヴァ」と「ウマ娘」は誰に聴いても今年入れると思いますが、いずれもコンテンツへの愛と真摯さを感じる素晴らしい姿勢でした。


今年リリースではないけど今年触れてよかったもの


 東京卍リベンジャーズ
 ハコヅメ
 GIANT KILLING
 二月の勝者
 AWAKE
 楽園
 あの頃、君を追いかけた
 MIDSOMMER
 影裏
 MIU404
 dele.
 最高の離婚

逆にこれらを今年になるまで良く放っておいたなという顔ぶれです。普遍的に良いとされるものには良いとされるだけの理由があります。とりあえず気に入りすぎて週刊少年マガジンと週刊モーニングは定期購読を続けています。


気になったまま見れてなくてやらかしたなと思っている(これから履修する)


 ドライブ・マイ・カー
 ベルリン・アレキサンダープラッツ
 アウシュヴィッツ・レポート
 沈黙のレジスタンス
 最後の決闘裁判
 ナチスバスター
 


上映時間長いのと海外の上映館限られてる作品はどうにも見づらいものがあります。今年の課題としておきます。

以上です。
コメント、反応、ご紹介など拝受しますので、どうぞよろしくお願いします。

2022年も良い出会いがありますように!!!!!

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