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デビュー35周年➕1年を迎えた森川美穂氏との、あれこれそれ。その3。

2015年にデビュー30周年を迎えた森川美穂氏が懐かしの人たちと感動の再会をしたのは、その年の11月、赤坂でのライブだった。

・・・らしい。

私は私用の為、このライブには伺えなかった。ゆえに、N氏の供述(なんでやねん)を引用させていただく。

この日、エスパーN氏は美穂氏がバップレコード時代に「Cancel」などの曲を提供していた中崎英也氏と、「おんなになあれ」や「プライド」などのアレンジャー、小林信吾さんを誘ってライブに行った。久しぶりに集まった3人は、ライブ後、赤坂の焼き鳥屋(1本90円)でプチ打ち上げ。
そこへ、ライブ終わりの美穂氏と作曲(この日はピアニスト)の土井淳さんが合流。豪華なメンバーによるミーティングとなった。
世に言う「赤坂焼き鳥屋事変」である。
(・・・言わない)

美穂氏が、中崎氏と小林氏に会うのは、恐らく20数年ぶりだったはず。

中崎氏「美穂ちゃん、CD、作らないの?」

美穂氏「作りたいですねー」

小林氏「作ればー?」

美穂氏「私ひとりでは、なにも、、、」

エスパーN氏「美穂がやるって言えば、みんな協力するよ」

美穂氏「えー、ほんとですかー?!」

エスパーN氏「こうして、本人から頼まれたら、誰も断れないでしょ」

中崎氏「俺、曲書くよ!」

小林氏「じゃ、俺、アレンジする」

エスパーN氏「じゃあ、美穂が詞を書けばいい」

美穂氏「わかりましたー!」

未来というのは、ほんのひとこと、ほんの一瞬で開かれることがある。まるで全てが、あらかじめ用意されていたかのように。
こうして、翌2016年、めでたくアルバムが作られる運びとなった。
「 Life is beautiful」。このアルバムには、ライブで歌われただけで、リリースされていなかったタイトル曲「Life is beautiful」が入ることになった。
アレンジとピアノは、塩入俊哉さん。
この曲は、なんと!ピアノと美穂氏の同時録音、一発録りであった。

素晴らしすぎるっしょ。

中崎英也氏作曲、小林信吾氏アレンジの曲は「My dear」という歌になった。宣言通り、美穂氏が作詞を担当した。

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こんなことがあるんだな。

若かった頃、一緒にアルバムやシングルを作った。出来上がったアルバムからは、それに関わった人々のエネルギーが沸々と感じられ、持っているのが息苦しくなるほどだった。それくらい誰もが命懸けで作った。

まさか、こんなに大人になって、再びご一緒させていただけるなんて。

ありがたくて、ありがたくて、どうしようもない。

そして、このアルバムから美穂氏のディレクターは、正式にエスパーN氏になった。

めでたい。

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■2017年11月には、これまでのセルフカバーによるベストアルバム「Be Free」をリリース。
ボーナストラックとして、「ビニールの傘」という曲が収録されているが、作詞はなんと、あの松井五郎氏である。

■2018年、前年の松井五郎氏との出会いで全く新しいドアを開けた美穂氏が、全曲、松井五郎氏による作詞、プロデュースのアルバム「Female」をリリース。

このアルバムに驚いた方も多いだろう。
全曲、びっしり、「おんな森川美穂!」
美穂氏の中に眠っていた「おんな」を、体温と湿度を持ちながら見事に引き出している。

返事はとても 短かったから
聞き逃せば 良かった

これは「それぞれ」という曲の始まりの二行。
さよならが見えているふたりのどうしようもない空気。

また、「偽証」という曲では、 

黙っていればいいですか
心が鎮まるまで
小さな石に躓いて
戸惑うふたりなら

おーい、竹を割る性格は、どこへ行ったー?!

と、叫びたくなる。
そりゃそうだよね、美穂氏って、めちゃくちゃ綺麗で色っぽいのに、それまで、まっすぐな格好良さだけを大放出させてきた。
「失恋している森川美穂」を唄っていても、その恋愛相手は「どこかの誰か」だった。

松井さんは違う。
森川美穂氏が、唄の中で恋をした相手は、聞いている「僕」や「オレ」になる。

これなんだな、
誰も予想してしないのに、
誰もが望んでいた森川美穂は。 

松井さん、参りました。
素晴らしすぎます。
森川美穂は、そして、森川美穂のファンは、
あなたを待っていました。
この世界は、私には全く作れません。

松井さんは、
「森川美穂の歌を聴いたとき、森川美穂が恋してる相手は自分だ、と思わせなきゃならない」
と、おっしゃった。

これが、むずかしいのである。
脱帽。

松井さん自身、物凄く、色っぽいひとだ。

コンサートでお会いしたある日、松井さんがご自分で美穂氏に贈ったスタンド花から、バラの花を一本、抜き取り、
「クリスマスだから」
と、私にくださったことがある。

参るっしょ。
これ、もう、この瞬間は、美穂ちゃんの物なんだけどー。でも、いただいたけど。

ごめんよ、美穂ちゃん。

松井さあん、こんな感じで毎日、詞を書いてんのね。色っぽくなるはずだわ。

森川美穂氏と松井五郎氏のあまりのハマりの良さに、カバーアルバムもリリースされた。
■2019年「another Face」だ。
全曲松井五郎氏作詞、全曲玉置浩二作曲。「熱視線」「じれったい」「好きさ」など、安全地帯やソロ、玉置浩二氏が唄っていた楽曲。

松井五郎✖️玉置浩ニ✖️森川美穂の、

物凄い化学反応となった。

私は怖すぎて全曲を通して聴いたことがない。
酔う。
悪酔いする。

表現者森川美穂は、こんなにも凄かったのか!と、鳥肌が立つ。

ちなみに、私が一番好きな曲は、
「Truth」
覚悟して、聞いて欲しい。

って、おーい、今日も、こんなに長くなってしまった。なかなか、先月のライブの話に戻れない。ごめんなさーい。

また、つづくわ。

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