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アルゼンチン式、トレーニングメニューの作り方。②

こんばんは。SNSでこんな投稿を見つけました。

「息子のコーチはヒントはたくさん与えるけど、答えは教えない。子供たちは答えを探し出すのにひたすらトライアンドエラーを繰り返す。子供が自ら気付くのを待つ。だから成長スピードは遅いけど、考える力が付く。」

子供に考えさせて答えを引き出すという方法は、指導者側の忍耐が必要な分、多くの実りがあると思います。

一方、サッカーの指導者という事でいうと、考える力を身につけながらも、成長スピードは落とさずに行けた方が良い。
子供たちの貴重な時間は、大人の時間と同じスピードで計ることが出来ないからです。

僕も、答えを教えないでヒントだけを出しまくる、という指導をしていた時期がありました。「考えよう!考えよう!」なんて叫びながら。

でも、その行為は、ヒントでコーチがのぞむ答えに誘導しているだけで、「考えよう!」の裏には、コーチが求めている答えにたどり着け!という気持ちが隠れています。

それは、子供達が自由に答えを作り出すものとは正反対のアプローチ。という事は、コーチが持っている答え以上の選手には成長出来ない事になってしまいます。

だから、年間トレーニング計画を立て、サッカーをプレーする上で必要な原則を少しづつ覚えさせていくようにする。

子供達が考えるべきことは、いかに相手チームに勝てるように戦うかという事です。原則通りにプレーしたり、あえて原則を破ってみたり、状況判断をしながら自分たちでプレーアイディアを選択し戦えるようになる事が必要なのです。

トレーニングメニューを構成する要素とは?

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回はトレーニングメニューを作る為の要素についてです。

アルゼンチンの選手達は、少し改善のヒントを出すとそれを利用して、コーチの想像と異なる答えを見せてくれることがあります。

そこには、小さな頃から学び続けた型(スタイル)があります。型があるから、素早く適切な判断をすることが出来たり、あえてそこから外れる事で意表をつくプレーが生まれているのだと感じます。

☆年間計画作成のための基準:

先ずは、チーム構成を書き出します。
それらが、計画を立てる為の要素となります。

① チームレベル・年齢
② 在籍選手数
③ 大会期間(開催日数、大会開始日)
④ 年間目標(チーム、個人)
⑤ 活動日、活動時間
⑥ グラウンド状況、備品、気候状況
⑦ コーチ人数
⑧ 過去のチーム・個人パフォーマンスの分析と評価
⑨ 補完的な基準(家庭環境、学校、友達、趣味等)

年間計画の最初は、生理学的な要素を測る。(身体測定)


☆年齢別トレーニングのポイント(小学生編)

次に、カテゴリー毎のトレーニングポイント例を書き出しています。
下記を参考にチーム内でポイントを作るようにして下さい。

6~8歳: サッカーに慣れる年代。
●シンプルな基礎技術(パス、受ける、運ぶ)
●基礎戦術的思考
●プレーエリアの認識(ディフェンスエリア/中盤/アタックエリア)
●チームとしてプレーする為の基本的知識

8~10歳:
●技術ー戦術の基礎強化
●より複雑な技術基盤(ヘディング、シュート、ドリブル)
●基本的な戦術
●ルール理解

10~13歳:
●すべての基礎技術の統合
●より複雑な戦術


☆1シーズンを3ピリオドに分ける

最後に、シーズンを3つのピリオドに分けていきます。
前回の記事では、もう少し細かくピリオド分けしていましたが、計画を立てやすくするために3つに限定しました。

●準備期間:
大会前の準備期間。
自チームだけにフォーカスし、大会に向けた準備を進める。

●大会期間中:
1試合目から最終節まで。
高いパフォーマンスを維持する事。
前節の課題と次節への目標設定から学ぶ力の向上を図る。

●移行期間:
大会の最終日から、来年の準備期間まで。
メンタル、フィジカルの回復につとめる。


トレーニングメニューの作り方 

☆チーム構成 ☆トレーニングポイント ☆3つのピリオド
これらを前回記事で書いた、マクロサイクル、メソサイクル、ミクロサイクル、トレーニングセッションに落とし込んでいくのが、年間トレーニング計画表となります。

まとめ。
年間トレーニング計画表の役割は、子供の中にサッカーをプレーするための基準(型)を作ってあげる事。 技術・戦術だったり、フィジカルだったり、考え方だったり、しっかりとしたサッカー選手としての土台を作り、次のステップに送り出してあげたい。


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無双ArgentinaC.F.は、アルゼンチンリーグに挑戦し、2026年2部昇格を目指しています。


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