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指導者の心得 ~子供の時間単価を考えよう~

指導者として常に念頭に置いて指導することは多々ありますが、今日のキーワードは144回、です。さあ、何の数字でしょうか?

答えは簡単。週に平均3回教えるとして、1年間で子供に指導できる回数です。144回。。。多く感じますよね、パッと見。週に3回も顔を合わせて、約150回教える日があると思うと、ある意味永遠のようです。

そのうちの1回をメニューを考える時間がなかったから試合させておこう、体力づくりと称してグラウンドを走らせようと、残り143回もあれば問題なさそう。練習内容も限りがあるし、他の仕事が忙しかったし、しょうがないよね。

たまにですが、そういう指導者の気持ちが見えてしまうようなクラブや部活を視察することがあります。でも、そんな風に「今日の練習メニューどうしよっかなーー。来週何させようかなー。」と思っている指導者は意外と多いのではないでしょうか。

指導者としての看板を掲げている人なら誰でも、サッカーを大好きにさせてあげる事は大前提として、子供の上達を願い、その為に何が出来るかを日々考えているでしょう。

子供の時間単価

ボランティアで週末教えている、かつてサッカー少年だったお父さんたちも同じです。プロもアマも指導者たる者、根っこでは子供たちの為に頑張っているのです。それを分かった上で、敢えて言いましょう。

子供にとっての144回はアナタにとっての144回とは全く別物ですよ、と。

子供の未来を作る立場にある指導者が、144回のうち1回でも無計画に消費していると、胡坐の上に更に胡坐をかく結果になることは明白です。

子供の生活は学校や他の習い事でめちゃ忙しい。その合間を縫って好きなサッカーを上達させたいと通ってくれている彼らにとって、144回をどう消化しようかと考えているような指導者はハッキリ言って成長の妨げでしかないでしょう。

大人の時間軸を子供に当てはめてはいけません。子供にとっての1年は、大人にとっての10年と同じです。144回の練習を消化試合として見ていると、その指導を受けた子供は大人と同じ速度の歩みしかできません。

スポンジのように吸収する限られた子ども時代の1年をたやすく無駄にしてしまうのです。重みある1年の、重みある144回と認識した上で指導に当たるか否かで、指導者としての力量も、指導される子供の精神的・肉体的成長も、全く違うものになると思っています。

日頃から良く144回という数字を挙げて育成計画の重要性をあちこちで説いていますが、「なるほど~」と言いながらも、残念ながらこの数字が持つ意味を理解してくれる日本人指導者はあまり多くありません。

そうした指導者を持つチームの多くが、短期的な練習メニューや目標にフォーカスしています。今すぐどうにかしようと思うから、今おきている改善点しか練習メニューに入れられない。

それは試合の結果を見て、至らない部分を指摘する後発的な指導です。それでは、子供の自由な発想を刺激し自信を持ったプレーを導き出すことはできないのではないでしょうか。

これからの日本を背負っていく子ども達の時間単価は、もしかすると世界で活躍しているトップアスリートよりも高いかもしれない。

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では、トレーニング計画はどのように立てるべきなのか。
macrocycle ~ mesocycle~microcycle  の組み方。

次回以降に紹介予定です。

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無双ArgentinaC.F.は、アルゼンチンリーグに挑戦し、2026年2部昇格を目指しています。

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