パブリック・スピーキングの基本と極意 ③【 講演・演説の3部構成】【 話す順番はPSRFA (ピーエスアールファ) 】
パブリック・スピーキングの基本と極意 ③
【 講演・演説の3部構成】
【 話す順番はPSRFA (ピーエスアールファ) 】
講演、講座のコンサル、選挙の演説などのブレーンなどもしてきました。
このシリーズ、講演、講座、演説、プレゼンテーションやスピーチ、授業に至るまで、上手になるコツを説明しています。
①では「スリーポイント・トーク」
②では「ピーク・エンドの法則」と説明してきましたので、興味ある方はこのアルバム【パブリック・スピーキング】から過去投稿へ飛ぶ事が出来ます。
今日は一気に2つのテクを記しておきたいと思います。
● 話の3部構成
これは言わずと知れてる事でもあります。
「オープニング」「本題」「クロージング」です。
「本題」の部分は呼び方は「メイン」「ボディ」「コア」とまぁ色々ありますが、どれも同じ意味ですし、慣れ親しみやすい呼び方は「本題」でしょう。
まずは今はこの3部構成だよという事を覚えておいて頂いて、それを具体的にどう使えば良いか?という話は次のお題【話す順番はPSRFA (ピーエスアールファ) 】を理解してから後ほど。
● 話す順番はPSRFA (ピーエスアールファ)
PSRFA は次の5ステップの頭文字です。
P → Probrem 問題提起
S → Solution 解決策
R → Reason その理由
F → Future それにより得られる未来
A → Action 行動促進
これだけではまだ伝わりづらいと思いますが、この手法を駆使して売上をガンガン上げている業種があります。
TVショッピングです。
◆P 問題提起
「毎日仕事に家事にと忙しくて、なかなかお部屋の掃除をしっかりする時間のない現代人!」
◆S 解決策
「そんな貴方に、このロボット掃除機がオススメ!」
◆R 理由
「何故ならば、この掃除機は自分から部屋中を動いてゴミやホコリを吸い取ってくれるからです!」
(ここで、このシリーズの①で説明した「スリーポイント・トーク」を加えるとまた良いでしょう)
◆F それにより得られる未来
「これで貴方は、掃除に取られてた時間をまたお仕事にかけたり、あるいは他の趣味の時間に当てる事もできる訳です!」
◆A 行動促進
「尚、今なら○割引、さらに○○もつけちゃう、下取りも受けちゃう、番組終了後30分以内でしかも先着○名様限り!さぁ、今すぐこちらのフリーダイヤルへ!」
目の前にお客様がいて、販売員が説得して説得して販売するのとは訳が違って、
メディアを使って限られた時間の中で、不特定多数に爆撃を仕掛けて成果を上げようとする訳ですから、どの様に説明すれば最も効率的、効果的かと研究されつくした結果の順番がコレなんです。
そこで話は戻ります。
これを3部構成にどう当てはめてゆくか?
オープニングトーク で語られがちな事が、「ご挨拶」「自己紹介」ですね。
もちろん、それが悪い訳ではありませんし、むしろそれが一般的です。
ですがオープニングトークの役割というのは、これから「本題」をぜひ聴こう!聴きたい!と引き込ませるウォーミングアップの時間なんです。
そしてクロージングトークでは、総括、つまり「今日のまとめ」的な内容で話されがち。
組み合わせるとこうです。
◆オープニングトーク
今日はお忙しい中、お集まり頂きまして誠にありがとうございます。只今、ご紹介を受けました○○と申します。○○市に住んでおりまして、普段は○○の仕事に携わっております。それはどんな仕事かと申しますと。。。以下略
◆本題トーク
では本日の講演タイトルにあります○○の本題に移って参りましょう。以下略
ここでPSRFAの順番で話す方もいるし、その順番ではない方もいます。
よくビジネスで言われる事は「結論を先に言え」ですが、それが良い場合と良くない場合があります。必ずしも全てそれが良い訳ではありません。
◆クロージングトーク
では、ここまでお話しした事を最後に振り返ります。中略
(そして最後に)
以上で私の話は終了となります。皆様、ご清聴ありがとうございました!
こうなりがちです。一般的には。
クロージングトークでは、一度本題トークの中で聴いた話を再度、まとめとして聴かされる訳ですね。
これが悪い訳ではありません。事実、一般的と言っている以上、日本ではこの流れが主流です。
しかし、前回までにも説明した通り、パブリックスピーキングが学校の授業で教わる欧米では、こうはいかないのです。
スピーチコンテストなどでも、この日本の儀式的なトークの流れでは入賞する事は出来ません。
〜◆〜
一般的な話の仕方、ではなく、相手を引き込む話の仕方、がパブリック・スピーキングであり、入賞スピーチの評価基準はその話を聴いた人が、その提案する行動を心からしてみたくなったかどうか?です。
コレを買いませんか?と最後に販売員から言われる前に、販売員の話を聴いてる段階でお客様はもう買う決心がついてるトーク。それが優秀なトークと言われています。
例えばこんな風に話されてはどうでしょうか?
◆オープニングトーク
「命の時間には必ず限りがある……動物も植物も、私も、そして貴方も。
私はこの人生、やりたい事はすべてやってから去りたい。だから自分がやりたい事をやる時間が、幾らでも欲しい…
それが私が常に持っている願望です。欲張りな人間なのです。それが私。只今、司会者よりご紹介を頂きました○○です。
私の人生は波乱万丈でした。まぁ、そのプロフィールについてはお手元の資料をお時間がある時にでもご覧頂けたらと思います。
皆様にはお忙しい中、こうしてお集まり頂いて、まさか私の人生ストーリーを聴きにきたわけではないでしょう?笑
仕事が忙しい、家事が…子育てが…気づくと自分のやりたい事をやれている時間がないではないか?このまま私の人生は平凡に終わってしまうのか?
そんな漠然としたお悩みをお持ちの方が、今日ここにお集まり頂いてるのではないでしょうか?
今日は皆様と、どうしたら自分のやりたい事をやる時間を捻出できるか?それについて一緒に考えてゆきたいと思います。必ずや皆様にとって最適のアンサーをお届けします!
どうぞ最後までよろしくお願いします!」
と、こんなオープニングで始まったらいかがでしょう?
コツは最初の一言から、いきなり「一般的ではない」想定外の角度から、短く、そして潜在的に皆が共感する爆弾ワードを投下する事から始めます。
自己紹介は徹底して短く。これだと5秒で終われます。
そして、オープニング・トークの中で、既に「 P 問題提起 」が含まれている事です。
◆本題トーク
オープニング・トークで既に P 問題提起は済んでいるのだから、
S 解決策→ R 理由→ F それにより得られる未来
の順番で話せば良いと思います。
ただ、中には工夫して
F 望む未来 → S 解決策 → R 理由 の順番で話す方もいます。
肝心な事はA 行動促進 はクロージング・トークに取っておく事です。
◆クロージング・トーク
A 行動促進について力を入れ、最後にご清聴ありがとうの御礼を伝えます。
「早速行動に移され、皆様がより豊かに満たされる人生を歩まれる事を祈ります!」といったメッセージが最後に来ると、より良い好感度となるでしょう。
一度、本題トークの中で行動促進のトークまで聴かされて、クロージング・トークでまた「まとめ」で重複して聴かされるのは……実はクドいです。
意外と重要なミニ・ポイントです。
「同じ話は二度しない」
あ、一つのスピーチの中でですよ。
例えば↓こんな会話、想像してみて下さい。
A:「この前さ〜○○が○○って言ってたんで、『お前、それは○○だろ〜!』って言ってやったんだよ」
B:「あいつ、またそんな事言ったんだ。変わらない奴だな〜」
A:「だろー?本当に昔から変わらないよな〜!だから○○って言った時に、俺に○○だろって言われるんだよ」
わかります?これ?
○○さんも困った人かもわかりませんが、実は自分も困った人だと気づかないAさん、ウザいと思われてます。
また、同じ事を何度も話す事って、実は若くして始まる老化現象です。
Bさんが反応した事が○○は変わらないな、という事。対してAさんが反応して欲しかった事が「俺が○○と言ってやった事」つまり承認に飢えてたんですね。
無意識の重複は意識してでもやめましょう。
「ここ大事な所だから、強調してもう一度言うぞ!」とは別の重複です。
〜◆〜
このシリーズの②では、「ピーク・エンドの法則」の説明をしました。
この事例の順番で話して頂くと、エンドは当然A 行動促進ですから、意識に強く残りますよね。「行動しなきゃ!」って。
ではもう一つ、ピークをどこに持ってくるか?です。
ロボット掃除機を…商品を売りたい!という人なら「S 解決策 」かもしれません。
でも僕個人的には、「F それにより得られる未来 」かなぁと思います。
何か人前で話す機会のある方はぜひ、取り組んでみてください。
※画像と内容は関係ありません。ですがこれで癒されてください😄
#パブリックスピーキング #講演 #講座 #演説 #プレゼンテーション #スピーチ
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