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『燃えよ剣』司馬遼太郎を読んで

長州藩、坂本龍馬、と来てなんとなく幕府側の気持ちを知りたいな、そんな気持ちで電子書籍(kobo)にてダウンロード。元々2020年今年岡田准一さん主役で映画化される予定(コロナで延期)であったためか、1冊になっておりました。1冊になるとkoboのクーポンも使いやすくお得にダウンロードできました。

 世に棲む日日、竜馬がゆく、を読んでからの燃えよ剣というのは、入りは全く別の小説を読みに来たという印象を巻頭から受けます。燃えよ剣は言わずと知れた新選組の鬼の副長土方歳三を主役に描かれます。江戸幕府直轄領(天領)の農家の出である彼らの物語であるため、生まれたときから長州とか、土州とか藩士とか郷士とかそういうものがある環境ではなく、もちろん武士か、武士ではないかという大きな境はあったとしても、大前提が異なること、そして、より一人の男性、青年のことを描くこと、それが主題になっている。考えてみれば、当然のことかもしれない。長州や坂本龍馬は、時代を変えて、風穴を開けた人たちであり、常に能動的であった。(直接的であったかどうかは関係ない)新選組はどちらかというと、時代のうねりの中で巻き込まれたというと語弊があるが、時代の流れの中ではかなく、強烈に、鮮烈に輝いた、そんな人たちの話。そこに美学があるのだと思う。ただ、長州や坂本龍馬という志や、想い、公、日本と言った思想は無い。歴史小説というよりは青春劇の方が近い、かもしれない。ただ登場人物は非常に魅力的で、心に惹かれた。特に沖田総司は女性なら誰でも好きな男性なんじゃないかな、とさえ思った。

 マネジメント手法として新選組を読む人もいるらしい。徹底的に管理するマネジメント、ルールを破ったら切腹!スモールマネジメントなら役立つかもしれないが、昨今のダイバーシティを重んじるマネジメントには向かないかも。(成り立たない)

 どちらにしても司馬遼太郎の小説は全ての人に役割があり、その人たちの、方々のうえに、今の現代があるということを教えてくれる。バトンを受け取り、次の人へ渡す、その時まで走らないといけないことを教えてくれる。

#読書感想文 #小説 #司馬遼太郎 #新選組 #土方歳三 #沖田総司 #マネジメント #燃えよ剣

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