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虹と「にじ」



先日のこと


にじが にじが
空にかかって
きみの きみの 
気分も晴れて
きっと明日は いい天気〜 

笑い声を混ぜながらの歌が急に聴こえてきた。
振り返ると、小学5、6年生くらいの女の子二人が仲良く歩きながら歌っていた。
無邪気で可愛い。

二人の姿が見えたその視界の上には虹が。
「あっ、ほんとの虹。だから歌ってたんだ」
思わず声が出た。

私は職業柄、この「にじ」という歌を子どもたちと歌う機会が多い。
子どもたちも私自身も大好きな歌の一つだ。

虹を見た時、いつも「ラッキー」って喜んでしまう私は自分でもちょっと恥ずかしい。
いい歳して。
でも、頻繁に見られるものではないから、つい。

その日の前日は、荒れ狂う轟音の雷雨だった。
それに、このところ難儀なことの多発で、私の気持ちはどんよりしていた。
そのせいか、なおのこと、この日の虹は爽やかで素敵で神秘的に感じられた。

虹を見た途端、一瞬にして視界も心もパッと明るくなったような気がした。
いや、ほんとに明るくなっていた。
「にじ」という歌のおとりだった。

きみの きみの 
気分も晴れて

刻々と表情を変え、人の日常も心も左右してしまう自然に、私は畏怖と畏敬の念を抱く。

この日は、
「虹」と、無邪気で可愛い声の「にじ」が重なり、小さな幸せにふんわり包まれた気持ちになった。

やっぱりラッキーだ。
そして、
あの「にじ」は、いい歌だ。






「にじ」



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