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「ストレス脳」より

こんにちは。
日本に帰国したものの、コロナ感染拡大で、予定していた友人たちとの再会が次々とキャンセルになり、もどかしい日々ですが、その分、本を読んだり、娘たちとこれまでにないほど一緒に1日過ごしています。

香港ではネットで本を購入しますが、やはり書店で、自分で行うネット検索で出てこないような本や分野との出会いがあったり、本を手にとって中身を見て選べるというのがとてもありがたく感じます。

ベストセラーの書棚で目についた「スマホ脳」で有名なアンデシュ・ハンセンさんの新刊、「ストレス脳」。まだ途中ですが、ヒプノセラピーについて考えさせられる箇所があったので、あくまでも個人的な感想として書きたいと思います。

不安についてフロイトの説に異論が唱えられており、そもそも人間の脳の防衛メカニズムであり、正常なこと、不安がゼロになることはないし、「神経科学や精神医医学の研究では、不安が『押し込められた子供時代の記憶のせい』だという裏付けは得られていない。一方で不安に襲われやすいかどうかは半分程度が遺伝子によるものだということが判明している」と書かれています。一方で、「認知行動療法であれ、力動的心理療法であれ、セラピーの殆どが客観的に自分の情動を見つめるためのトレーニングだが、自分の不安を脳の見地から捉えることにも同じ効果があるようだ。自分の情動を一歩引いて眺めることが、ある種のセラピー的な役割を果たす」とありました。

ヒプノセラピーでの退行療法では、子供時代の記憶にアクセスし、そこを捉え直すというプロセスを行います。その中で、漠然とした「不安」というものを、さらに分解して、その起因となるあるいは、付随する感情を特定し(例えば、受け入れられないと悲しい、失敗するのが怖い)その感情を頼りに過去の経験を振り返り、現在の自分でその出来事を捉え直します。脳の防衛機能である「不安」よりさらに、具体的な特定の経験を捉え直すことで「情動を一歩引いて眺めることができる」ので、その特定の感情や不安が、100%「子供時代の記憶のせい」ではなかったとしても、そのプロセス自体が、セラピーとして機能するのでは、と思います。

また、「自分の感情をうまく描写できるほど、感情に流されるのではなく、外から眺めることが得意になるはず」とも書かれています。第三者に質問してもらいながら、自分の感情を言葉で伝える(そしてヒプノセラピーではよりリラックスした状態で行う)ということが、普段、カウンセリングや精神科医による治療を受けるほどではないけれど、という方にとってもとてもセラピー効果があると改めて思いました。

防衛機能である、不安はゼロにならなくても、自分にとって不必要なほどの不安を抱えなくても良いように調整していく、その方法の一つとしてヒプノセラピーをご活用いただければと思います。

ヒプノセラピーの新規受付は9月より開始します。先行案内ご希望の方はこちらのフォームよりお問い合わせください。




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