医者になった理由と、おばあちゃん
「私はどうして医者になったんだろう」
「私はどうして絵本を書きたいのだろう」
と、最近よく考えている。これは知人や友人によく聞かれることの一つだった。
考えて続けていると、一つ、共通したことをふと思い出した。
祖母だ。
父親は高校の数学教師、母は小学校の先生、三歳ずつ離れて兄、姉、私。いつも忙しく、家はまさに足の踏み場もなく片付いていた試しがない。私の記憶の中の母は、いつもちょっとピリピリしていた。
3歳で幼稚園に行き始めてから、しばらく母方祖母の家に帰る生活が始