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ショーケンの人生を読んでいくとまだまだ知らない日本があった
ショーケンの本とショーケンの本を同時に読み進めるという奇行に走っているじゅんぷうです、こんにちは。
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2008年に出版された自伝は読んでいるので生い立ちだったり「ショーケン」の由来だったりは予備知識としてあります。今、同時に読んでいる2冊はどちらも関係者の証言を元にしたもので、重なる部分もありつつ左はショーケンという人間の生き様、右は伝説のドラマ『傷だらけの天使』にショーケンがどう臨んだのか。
それぞれの描くショーケンという人間の内面はもちろんですが、わたしの関心がぎゅんと高まっているのはショーケンが多感な時期を過ごした1960年代の日本、わたしの知らない時代についてなんです。
埼玉生まれのショーケンが「ショーケン」になる経緯は、東京都内の中学に通い始めて北区十条にあった朝鮮学校の生徒たちと交流を持つようになったことから。朝鮮学校のOBでボス的な人物が「ダイケン」、別の学校の番長が「チューケン」。ダイケンの弟分的存在だったので、本名は敬三なのに「ショーケン」と呼ばれるように。
ショーケンと同じ埼玉生まれ埼玉育ちのわたしからしても北区界隈はお隣感覚。小学生のころ、同級生のお父さんが当時北区王子にあったキリンビール工場に勤めていて、年に一度の工場祭りのようなイベントに何回か連れて行ってもらいました。たぶんジュースや記念品がもらえたりゲームができるファミリーイベントだったと思いますが、工場祭りの帰りは都電に乗ったり飛鳥山公園で遊んだりしていた、それなりに思い出のある場所。そして現在、うちの16歳が通う学校が界隈にあり、久しぶりに足を運ぶ機会も増えました。
だけど、知りませんでした。
萩原は学生運動に参加した経験も告白している。ベトナム戦争の時代、米軍の野戦病院が日本の王子にできることに対する反対運動のデモに参加し、機動隊に追い回され、捕まってしまった。
学生運動や逮捕のことよりも、米軍の野戦病院が王子に、の部分。もしかしたら前に読んだ自伝にもあったけどスルーしていたのかも。
王子野戦病院(おうじやせんびょういん)は、1968年から1969年にかけて王子キャンプ(TOD第4地区)に存在したアメリカ陸軍の野外病院。
東京兵器補給廠(とうきょうへいきほきゅうしょう)、TOD(ティーオーディー、英語: Tokyo Ordnance Depot)は、東京都北区・板橋区に所在する日本の旧軍用地
王子野戦病院、王子キャンプ、TOD…?
すみません勉強不足で。
北区・板橋区周辺にあった旧帝国陸軍の施設が戦後アメリカ軍に接収されて、その一部は陸上自衛隊十条駐屯地となりましたが、一部は返還されたものの米軍は撤退しなかったんですね。そして1960年代後半、北区周辺も都市化が進んだこととベトナム戦争に対する反戦運動が高まったこともあって王子野戦病院反対闘争が起きたという、ざっくり解釈ですがこんな流れでしょうか。
すっかりせんべろの街として定着している北区赤羽に、明治時代に赤羽火薬庫が設置されて以来、陸軍の施設が次々に移管したり拡大したりで、北区は軍都として発展したのだとか…すみません本当に勉強不足で。それで空襲でも大きな被害に遭っているんですね。野戦病院があったTOD第4地区というところは現在、北区中央公園文化センターという区民のための施設になっているようです。今も陸軍時代の建物を保存していたり利用している施設は何ヵ所かあるようで、これは北区をじっくりめぐってみないとです。
ちなみにキリンビール工場は正確にはJR王子駅東側の堀船という地名の場所にあって、昭和28年までは東洋紡の工場だった土地で、やはり戦時は陸軍の造兵廟として兵器がつくられていたそう。その前はレンガ工場。現在は新聞工場になっています。作るものが変わるだけで、この土地の近代はずっと工場なんですね。都電で何度か通っているのに、わたしは何も見ていなかったのだなあ。
自分の中の北区にこうして突然スポットを当ててくれたショーケン。じつはもう1冊、同時並行読みしています。これはショーケンよりさらにひと世代上だけど。まだまだ知らない日本、現れます。
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ショーケン属性にやられがちという話
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