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【ドイツ知財実務】違法ダウンロードを巡る裁判の法と実務③-訴訟提起と立証責任・和解の実務

最後に、訴訟提起から立証責任、和解について書いてみたい。

特に立証責任は、違法ダウンロード事件の場合、どの程度まで原告(kläger)である権利者が証明責任を負うのか、ということが問題となる。

すなわち、違法ダウンロード行為は、通常、密室で行われるため、違法ダウンロード行為を示す証拠は、基本的にはインターネットサービスプロバイダーから開示されるIPアドレス等の事実のみであり、被告(Beklagter)が自分は違法談ロード行為を行っていない、別の誰かが違法ダウンロードを行った、といった抗弁を主張した場合の判断は非常に悩ましい問題であるとされている。

また、今回は違法ダウンロード事件の終結の仕方としてもっとも多い和解についても触れたいと思う。

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