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【76.水曜映画れびゅ~】"TITANE"~すげぇ~モン観たよ…~

『TITANE/チタン』(2021)は、昨年のカンヌ国際映画祭にて最高賞であるパルムドールを受賞した作品です。

あらすじ

幼い頃、交通事故により頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたアレクシア。
彼女はそれ以来<車>に対し異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。自らの犯した罪により行き場を失った彼女はある日、消防士のヴァンサンと出会う。10年前に息子が行方不明となり、今は孤独に生きる彼に引き取られ、ふたりは奇妙な共同生活を始める。だが、彼女は自らの体にある重大な秘密を抱えていた──

日本公式サイトより

2021年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作

世界三大映画祭の一つであり、なかでも最も注目度の高いカンヌ国際映画祭。

今年も先日まで開催されており、是枝裕和監督の韓国映画『ベイビー・ブローカー』(6月24日公開予定)において主演のソン・ガンホが男優賞受賞、早川千絵監督作『PLAN 75』(6月17日公開予定)がカメラドール(新人監督賞)特別賞を受賞したことなどが、日本でも報道されていましたね。

昨年も『ドライブ・マイ・カー』の脚本賞受賞が話題になりました。

一方で、現地レポートなどを読むと「『ドライブ・マイ・カー』はもっと上の賞を受賞してもおかしくなかった…」というコメントも、ちらほらありました。

では、一体どんな作品が『ドライブ・マイ・カー』よりも高い評価を受けたのか?

そんな疑問に応えるべく、今回は昨年のカンヌ映画祭の最高賞であるパルムドールを受賞したフランス映画『TITANE/チタン』の感想をお送りしたいと思います。

何が何だかわからんが、とりあえずオモロイッ!

日本では今年3月末あたりから劇場公開されていた本作。
私も、劇場にて鑑賞してきました。

で、感想としてはですね…

正直言葉にできないんですよね(笑)

もう、ストーリーから設定から世界観まで、はっきりいってよくわかんないです.。

ただそんなよくわかんない中でも、一つ確実に言えることがあります。

それは、

面白かった

ということ。

矛盾しているようですが、本当なんです(笑)

何が何だか分かんないんですけど、観終わった後にはとてつもない満足感がありました。

脳裏には、劇中での様々なシーンがこびり付き、劇中で用いられた音楽(特にThe Zombiesの"She's Not There"という曲)は耳から離れず、もうしばらくはこの映画のことしか考えられなくなってしまうほどでした。

なんていうか、理性ではなく感性に直接訴えかけてこられたような作品。

だから、私も理性的にこの映画を紹介できないんですよね(笑)

今までにない、というか今までの映画体験を遥かに凌駕する圧倒的な映画体験で、もう言えることとしてはただただおもしろかったっ!ということ。

こんな私の感想で興味を持たれるかどうかは疑問ですが、私からは「とりあえず観てください!」としか言いようがありません。

『ドライブ・マイ・カー』より上かどうか問題

このように言語化不可能な作品『TITANE/チタン』ですが、昨年にパルムドールを受賞した作品。

それでは「果たして『ドライブ・マイ・カー』よりも優れた作品であったのか」というのはですね…

まぁ、それは好みの問題でしょ!

ということに落ち着きますね(笑)

というのも、カンヌというのはオスカーのような多くの会員や観客による投票制ではなく、あらかじめ選出された映画業界の著名人による審査員制で行われるんですよね。

そして、昨年の審査員長というのは…

スパイク・リーだったんですね!

いや~、スパイク好きそうだなって思いますもん、この映画。

こういった審査員制なので、決して万人受けするような作品がパルムドールなどの上位賞に食い込むわけなんですね。

実際に『パルプ・フィクション』(1994)がパルムドールを受賞した時は「納得できないっ!」というブーイングの声が上がったという過去もあります。(ちなみにその時、タランティーノはその観客に中指を立てましたけどね…)

今回も本作だけでなく、監督賞を受賞した『アネット』(2021)も、なかなか独創的な作品。ただスパークスが原案と音楽を務めていることもあり、ロック好きのスパイクの心は確実に打ちぬかれたことでしょう。

そういった審査員の顔ぶれによって受賞作のラインナップも異なっていくのも、カンヌをはじめとする映画祭ならではの魅力ではありますね。

つまりまぁ…パルムドール受賞作だから一番オモロイってわけでもないんですね。実際に『ドライブ・マイ・カー』はアカデミー賞にノミネートされて、『TITANE/チタン』は何のノミネートもなかったわけですから。

だから、最終的には好みの問題ってことですね。

映画は客観的評価で考えるよりも、主観的な価値観で評価するのが一番だと思いますね。

ちなみに私は『ドライブ・マイ・カー』と『TITANE/チタン』、どっちが好きかと問われたならば…

・・・

・・・

・・・

ごめんなさいっ!
今は鑑賞後の衝撃が抜け切れてないので『TITANE/チタン』の方を選んじゃうかなぁ~。

そのくらい圧倒された昨年のパルムドール受賞作『TITANE/チタン』。
皆さんにもぜひ一度、体感していただきたい作品です!


前回記事と、次回記事

前回投稿した記事はこちらから!

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次回は、笑って歌って、そして色々と学びのある、インド映画の金字塔"3 Idiots"きっと、うまくいくを紹介させていただきます。
お楽しみに!


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