【84.水曜映画れびゅ~】『窓辺にて』~有りそうな日常と、等身大の稲垣吾郎~
『窓辺にて』は、今月から劇場公開されている映画。
先日まで行われていた東京国際映画祭にて、観客賞を受賞した作品でもあります。
あらすじ
稲垣吾郎で映画を作りませんか?
『愛がなんだ』(2019)や『あの頃。』(2021)などの話題作を次々と監督している今泉力哉。
私も昨年に『街の上で』(2021)を観て以来、すっかり大ファンになってしまいました。
そして本作は今泉力哉による監督作品17作目にして、今泉組に初参戦の稲垣吾郎を主演に迎えたオリジナル脚本の映画。
もともとは今泉監督に「稲垣さんで映画を作りませんか?」という企画が持ち込まれて実現した作品で、それゆえ脚本は稲垣吾郎を当て書きして作られたとのことです。
有りそうな日常と、等身大の稲垣吾郎
日本のどこかで起きていそうな、何気なく思えてしまう出来事を物語にする今泉監督。
特に会話シーンなどは、BGMなしで、カメラもあまり動かず、カットも少ないので、ドキュメンタリー風というか実際にその場面に自分が立ち会っているかのような感覚になります。
それでいて、登場人物の喋り方とか会話の内容とか、本当にあるある!って感じなんですね。
そして今回も同様に日常を切り取り、稲垣吾郎演じるフリーライター茂巳の"とある悩み"が物語の題材となっています。
その主人公の茂巳が、完全に「みんながイメージする稲垣吾郎」な役なんですね!
といっても、それはアイドルとしての稲垣吾郎って感じとはまた違います。
等身大の稲垣吾郎って感じで、「吾郎ちゃんって普段は多分こんな感じなんだろうな」とか「SMAPになってなかったら吾郎ちゃんってこんな生活を送っていたんだろうな」って思いながら観ちゃいました。
稲垣吾郎という人物の独特の雰囲気が今泉ワールドと相まみえ、新しい”有りそうな日常”の物語がまた一つ作り出されています。
ゆっくりと、じっくりと、沁みる…
悩みを抱える茂巳の姿を追っていく本作。
そんな彼の周りに現れる人々、そして彼らとの会話。
何気ない場面や何気ない会話の中でふと出てくる一言。
そんな一つひとつが、ゆっくりと、じっくりと、心に染みました。
私としては、ストーリーというよりかはそんな場面場面の一つ一つが印象に残った、とても好きな作品です。
前回記事と、次回記事
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来週は、Netflixにて配信されているフランス映画"ATHENA"を紹介したいと思います。
お楽しみに!