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星の王子様 読書記録  第3節 王子様との対話

星の王子様の著作権は2005年で切れました。学べば学ぶほど理解でき、進むにつれて楽になるはず。それを信じて、重たい階段を上っていく。しんどい。フランス語学習第4回目です。

Il me fallut longtemps pour comprendre d'où il venait. Le petit prince, qui me posait beaucoup de questions, ne semblait jamais entendre les miennes. Ce sont des mots prononcés par hasard qui, peu à peu, m'ont tout révélé. Ainsi, quand il aperçut pour la primière fois mon avion(je ne dessinerai pas mon avion, c'est un dessin beaucoup trop compliqué pour moi) il me demanda: <Qu'est-ce que c'est que cette chose-là?>

星の王子様

🌈
 彼がどこから来たのかを理解するのには長い時間が必要だった。小さな王子様、彼は僕にたくさんの質問をしてきて、僕の質問は全く聞いていないようだった。少しずつ、僕に全てを明らかにしたことは、[質問によるものではなくて]たまたま出てきた言葉だった。(僕は飛行機の絵は描かないことにする。その絵は僕にとってあまりにも複雑だから。)その時、初めて彼は僕の飛行機をちらりと見て聞いた。
 
 <そこにある物は何?>


🌈単語

aperçut apercevoirの過去分詞 …が見える ちらりと見る、発見する
avion 男性名詞 飛行機
compliqué 形容詞 複雑な 物事を難しく考える
dessinerai dessinerの単純未来形
demanda demanderの単純過去 第3人称
faullut falloirの過去分詞 …が必要である
fois 女性名詞 ・・・度、・・・回
hasard 男性名詞 偶然の出来事、めぐりあわせ
miennes mien 所有代名詞女性形 複数形 英語でいうmine
mots 男性名詞 mot 複数名詞
posait poseの半過去形 第3人称 ・・・を置く …を取り付ける
prononcés prononcerの過去分詞 …を発音する 発する 講演を行う、…を宣言する。形容詞 述べられた;発音された はっきりした くっきりした
révélé révélerの過去分詞 …を暴露する …の印となる …を啓示する
semblait semblerの半過去形 第3人称 ~のように見える
venait venirの半過去形 第3人称 来る やってくる

🌈熟語
par hasard 偶然に たまたま
peu à peu 少しずつ 徐々に
(pour) la primière fois 初めて 最初に

🌈語法
なし
🌈文法
なし

<Ce n'est pas une chose. Ça vole. C'est un avion. C'est mon avion.>
Et j'étais fier de lui apprendre que je volais. Alors il s'écria :
<Comment! tu es tombé du ciel!>
--Oui, fis-je modestement.
--Ah, ça c'est drôle!…>
  Et le petit prince eut un très joli éclat de rire qui m'irrita beaucoup. Je désire que l'on prenne mes malheurs au sérieux.
Puis il ajouta:
<Alors, toi aussi tu viens du ciel! De quelle planète es-tu?>
J'entrevis aussitôt une lueur, dans le mystère de sa présence, et j'interrogeai brusquement :

🌈
 それは物じゃないよ。飛ぶんだ。飛行機だよ。僕の飛行機だよ。僕は空を飛んだことを彼に教えて鼻が高かった。その時かれは叫んだ。
<なんてこった!君は空から落っこちたんだ!>
<うん。>僕は素直だった。
<ああ、そりゃおかしいな!>
それから王子様は僕をとてもいらっとさせるようなとても可愛らしい笑い声をどっと出した。僕は誰にだって自分の不幸を真面目に受け取ってほしい。それから彼は続けて言った。
<ねえ、君も、空からやってくるんだ。君はどの星出身なの?>
僕はすぐさま、彼の存在の秘密の闇の中に、かすかな光をちらりと見た。それから僕は不意に尋ねた。

🌈単語

apprendre 知識、情報を得る 聞く 知る 学習する
ajouta ajouterの単純過去 付け加える 英語でいうadd
aussitôt 副詞 ただちに、すぐに、即刻
brusquement 副詞 突然、不意に、いきなり
ciel 男性名詞 空、天 気候、風土;地方 天国、天上
comment 副詞 どうやって、どのように なんと
désire désirerの第一人称 …を望む 欲する、願う
eut avoirの単純過去 第3人称
éclat 男性名詞 破片 輝き 華々しさ 鮮やかさ (突然の)大音響 (感情の)突発
s'écria 大声で言う 叫ぶ
entrevis entrevoirの現在形 第1人称または第2人称 ・・・をちらっと見る
joli 形容詞 きれいな、かわいらしい、すてきな かなりの 相当な ばかにならない 気の利いた 面白い
fier 形容詞 高慢な 自尊心のある
irrita irriterの単純過去形 いらだたせる s'irriterで いら立つ
interrogeai interrogerの単純過去 …に尋ねる 質問する
lueur 女性名詞 微光、ほのかな弱い光 閃光 きらめき
malheurs 男性名詞 不幸な出来事 不運
modestement 副詞 質素に つましく、 謙虚に
planète 女性名詞 惑星 遊星
présence 女性名詞 存在 あること 参加
prenne prendre 超多義語 英語でいうtake 27義目 物事を受け止める、解釈する
rire 笑う 楽しむ ふざける
tombé tomberの過去分詞 転ぶ 落ちる 墜落する
toi 代名詞 2人称単数 強勢形 君、おまえ、あなた
vole volerの第3人称単数形 飛ぶ
volais volerの半過去形第1人称

🌈熟語
toi aussi, 君も

🌈語法
aussitôt 比較級表現 aussi tôtと混同しないこと
Tu ne parviendras jamais à te lever aussi tôt que tone père.
君はどうしたってお父さんのような早起きにはなれないよ。

planète la planèteは地球

malheurs la malheursは不幸 逆境

comment 辞書には、第6義に驚き、憤りを表して、「何と言うことだ」と言う意味があるが、ここではこの意味だと思う。

joliは名詞の前で用いる

s'écria 多くは挿入句で用いる
<Vous ici!> s'écria-t-il. あなたがこんなところにいるとは!
と彼は叫んだ。

🌈文法
✅Je désire que l'on prenne mes malheurs au sérieux.

ここも、接続法を取っている。接続法がいつ取られるのかは大体わかってきた。

<Tu viens donc d'une autre planète?>
Mais il ne me répondit pas. Il hochait la tête doucement tout en regardant mon avion:
<C'est vrai que, là-dessus, tu ne peux pas venir de bien loin…>
Et il s'enfonça dans une rêverie qui dura longtemps. Puis, sortant mon mouton de sa poche, il se plongea dans la contemplation de son trésor.

🌈

君は他の惑星出身なの?
でも彼は答えなかった。彼は僕の飛行機を見ながら、ゆっくりと頭を上下に振っていた。
<この飛行機の上に乗ってなら、そう遠くから来ることはできないに違いない。>
それから彼は長いこと空想に耽っていた。それから、ポケットから僕の羊の絵を取り出して、宝物に夢中になった。

🌈単語
contemplation 女性名詞 凝視、熟視 瞑想 黙想、沈思黙考
dessus 副詞 上側に;表面に 男性名詞 上 上部
dura durerの単純過去 第3人称 ・・・だけ続く、 長く続く 持ちこたえる
enfonça enfoncerの単純過去 第3人称 打ち込む こわす
hochait hocherの半過去形 3人称 (同意、傾聴などを示して)首を上下に振る;(拒絶、不賛成、当惑などを示して)首を左右に振る
plongea plongerの単純過去形 ・・・を(液体)につける、侵す、沈める
     自動詞 ~に没頭する
regardant regarderの現在分詞 形容詞 俗語 けちな 男性名詞 見物人、眺める人
rêverie 女性名詞 夢想、空想;馬鹿げた考え;幻想
sortant sortirの現在分詞 形容詞 [くじなどが]当たりの、当選の 人気の満了した 男性名詞 出ていく人 任期満了者 
trésor 男性名詞 宝、宝物、秘宝、財宝 貴重な物、大切な物
loin 副詞 遠くに、遠方に、 男性名詞 遠方、遠隔
vrai 形容詞 本物の、正真正銘の 

🌈熟語
plonger dans qc ~に没頭する
là-dessus その上に その点について、そのことに そのとき、そこで、そういって

s'enfoncer ~にはまり込む 瞑想などに耽る 自滅する
s'plonger dans ~ qn ~に没頭する 熱中する

🌈語法
vrai ((名詞の後に来ると)) 真の、本当の;正しい
((名詞の前と後どちらも))実際の、実在の、ありのままの、ノンフィクションの


🌈文法
en regardent enは前置詞 現在分詞の前に置かれて、ジェロンディフを作る。~しながら ~するときに ~することによって ~のせいで ~すれば

  • 1.一般に話し言葉では、現在分詞よりジェロンディフが用いられる

  • 2.原則として主文の主語がジェロンディフの主語となる。ただし今日ではこの原則は厳格に守られず、文脈が許す場合には主文の主語以外もジェロンディフの主語になりうる。

  • 3.現在分詞は直接目的語に付加形容詞的について、その直接目的語を主語としうるが、ジェロンディフにはこの用法は無い

  • 4.ジェロンディフが並ぶ場合にはenを繰り返して現在分詞の前につける。ただし動詞が同じ行為の言い換えとしてジェロンディフの中で並んで用いられる場合にはenは繰り返さない。

  • 5.(tout+ジェロンディフ)の形で対立、譲歩を強調することがよくある。

  • 6.代名詞、副詞のenとジェロンディフのenが並ぶ場合には、ジェロンディフのenが先行する
    (例: en en achetant dix それを10個買って)


  Vous imaginez combien j'avais pu être intrigué par cette demi-confidence sur <les autres planètes>. Je m'effoçai donc d'en savoir plus long :
  <D'où viens-tu, mon petit bonhomme? Où est-ce "chez toi"?
Où veux-tu emporter mon mouton?>
  Il me répondit après un silence méditatif :
<Ce qui est bien, avec la caisse que tu m'as donnée, c'est que, la nuit, ça lui servira de maison.>
--Bien sûr. Et si tu es gentil, je te donnerai aussi une corde pour l'attacher pendant le jour. Et un piquet.>
  La proposition parut choquer le petit prince :
<L'attacher? Quelle drôle d'idée!
--Mais si tu ne l'attaches pas, il ira n'importe où, et il se perdra.>
  Et mon ami eut un nouvel éclat de rire :
<Mais où veux-tu qu'il aille!
--N'importe où. Droit devant lui…>
Alors le petit prince remarqua gravement :
<Ça ne fait rien, c'est tellement petit, chez moi!>
Et, avec un peu de mélancolie, peut-être, il ajouta :
<Droit devant soi on ne peut pas aller bien loin…>

星の王子様

 僕がその中途半端な打ち明け話によって他の惑星についてどれだけ興味をそそられたのかおわかりでしょう。僕はもっとそれを詳しく知るために努力した。坊や、君はどこから来たの?君のおうちってどこなの?僕の羊をどこへ連れていくの?
 彼はしばらく黙って考え込んでから答えた。
<君が僕にくれた箱、あれは、夜、家の役割を果たすのにいいね。>
もちろんだとも。もし君が大人しくしているのならば、ぼくは日中羊をつないでおくためのロープもあげよう。それから棒杭も。
 その提案は王子様にはショックを与えたようだった。
<ロープ?変なの!>
<でも、もし君が羊をつないでいなければ、どこかへ行ってしまう、そして、迷子になってしまうよ。>
 それから僕の友達は前とは違う大笑いをした。
<羊がどこに行くっていうの?!
どこって、目の前をまっすぐ・・・。>
それから王子様は高圧的に言った。
関係ないよ。僕んちは本当に小さいんだ。
それから、たぶん、ちょっと憂鬱そうに、こうも言った。
<自分の前を真っ直ぐっていっても、そう遠くへ行くことはできないよ。>


🌈単語
après 前置詞 ・・・のあとに
attacher …を縛る、つなぐ、留める、結わえる
aille allerの接続法第3人称
combien 副詞 どれだけ、どんなに どれだけの、いくらの
corde女性名詞 綱、縄、ロープ
choquer …にショックを与える;を不愉快にする、傷つける
droit 形容詞 まっすぐな 副詞 まっすぐに 直接に
demi-confidence 半分
effoçai s'efforcer …しようと努める、 力を尽くす
emporter 持って行く
maison 女性名詞 家、家族、家の中
méditatif 形容詞 瞑想的な、瞑想にふける、考え込んでいる
mélancolie 女性名詞 憂鬱 物憂さ、メランコリー;憂愁、哀愁
importer 自動詞 ~にとって、重要である (この動詞より、n'importeの方が大事だと思う 熟語で解説)
nouvel nouveauの男性第2形 形容詞
intrigué intriguerの過去分詞 …の好奇心をそそる 陰謀を企てる。
s'intriguer 手を尽くす
long 形容詞 長い 長くかかる、昔の、古い 副詞 詳しく
parut paraîtreの過去分詞
piquet 男性名詞 杭
proposition 女性名詞 提案、申し出;提議 (論議などで提示する)
主張、命題
tellement 副詞 とても、非常に
remarqua remarquer ・・・に注目する、気づく
silence 男性名詞 沈黙、無言 静けさ 秘密を守ること 音沙汰のないこと
servira servirの未来形 役に立つだろう 
soi 代名詞 3人称再帰代名詞seの強勢形、性数不変 自分、自分自身 英語でいうselfか。

🌈熟語
peut-être 副詞 たぶん、おそらく
vous imaginez
imagine-toi [imaginez-vous]おわかりでしょう
ここでは、倒置が行われていないようであるが、こう訳すことができる。
n'importe où
どこでも
avion qui atterrit n'import où
どこにでも着陸できる飛行機

🌈語法
s'efforcer
s'efforcer de + 不定形 de以下は代名詞yで受ける(例:comme je m'y efforce 私がそう努力しているように)
peut-être
文頭に置かれると、多くの場合主語と動詞を倒置する
après

不定法単純形は、若干の定型的表現のみ。
après déjeuner 昼食後
après dîner 夕食後
après boire 酒を飲んだ後で

  1. 時制は単純[複合、前]過去、前未来のみ

  2. しばしば接続法も用いられるが誤用

  3. 条件法をもちいるのは古風

🌈文法

🌈訳すにあたって
Mais où veux-tu qu'il aille

veuxは、vouloirの第2人称の形で、~を望む、という助動詞。
ただ、~と主張すると言う意味もあり、que以下に接続法現在が使われていることからも、そのように訳すのが適切であると判断する。~してほしい、という訳は、ちょっと不自然。

vous imaginez
imagine-toi [imaginez-vous]おわかりでしょう
ここでは、倒置が行われていないようであるが、こう訳すことができる。

Et le petit prince eut un très joli éclat de rire qui m'irrita beaucoup.
それから、王子様は僕をとてもいら立たせるような、とても可愛らしい爆笑をした。

爆笑というのは、爆発するようにどっと笑うことだ。でも、笑う期間ってどれくらいだろう。面白い演劇を見て、観客がどっと笑うような感じで、そこまで長い期間ではない。

こういう訳をすると、日本語としてはちょっと変だ。un éclat de rireは日本でいう爆笑だ。そして、très joliというのが付いてて、爆笑に可愛らしいというあまり慣れない形容詞が付いている。
とりあえず、どのような笑いかというと、qui m'irrita beaucoupで、僕をとてもいら立たせるような笑い、ということで、形容詞節になっている。でも可愛らしい。可愛らしくもいら立たせるような笑い方って私は見たことがない。こういう時、どう訳すのがいいだろうかと考えてみた。

とても可愛らしく、どっと笑った。位でいいんじゃないかなとは思う。

ところで、rireの動詞にavoirが使われているのもちょっと気になった。
avoir le fou rire 笑いが止まらない,ばか笑いする
で、avoir rire、フランス語によくある、avoir + 無冠詞名詞で~する、とか、言う意味を表すが、これもその一つだろうか。
avoir un très joli éclat de rireだ。
これでも間違いがないだろう。

Alors, toi aussi tu viens du ciel!
このviensは、現在形である。ついつい、「君も空からやってきたんだ。」と過去っぽく言いたくなる。ここでは、君という人も、普段は地球の外からやってくる人なんだという意味で、日常のことを話題にしているように思う。

🌈文学
特になし。

何と王子様は、どこかの惑星から来た存在だった。

王子様は一体何のために地球にきたのか。王子様はなぜ羊の絵を欲しがったのか。そして、なぜ羊の絵が羊の実物と同一視されているのか。もとい、なぜ羊が欲しいのだろうか。そして、王子様の住んでいた惑星とはどのようなところなのか。どうして王子様は、サンテグジュペリの質問には一切答えないのだろうか。こうした疑問が噴出するところであった。

また、プチ要素としては、王子様は飛行機を知らない、空を飛ぶ乗り物であることを知らなかったのに、どうしてこの飛行機では、そんなに遠くから来ることはできないだろう、ということを判断できたのだろうか。

王子様が飛行機に乗る、というのを、là-dessusと表現しているのは面白い。これは、飛行機の座席にのって、エンジンをかけて乗るという、飛行機がわかっている人の発言ではなく、文字通りその上に乗って移動する、という意味なのだろう。




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